M&A仲介→M&A仲介への転職、同業でも全く環境が異なった話…

今回は、専門性・スキルアップ、仕事内容の魅力のためM&A仲介会社のコンサルタントから同業であるM&A仲介会社のコンサルタントへと転職されたD.Hさんにお話を伺いました。

プロフィール

D.Hさん(31)
M&A仲介会社のコンサルタントからM&A仲介会社のコンサルタントへ転職。
年収540万円→540万円+インセンティブに。
転職の目的は専門性/スキルアップ。

担当コンサルタント

堀江 大介 |Daisuke Horie

野村證券、ITスタートアップ、コンサルティング業界専門の人材紹介会社を経て、ヤマトヒューマンキャピタル創業。これまで、同領域に200名以上の方を支援した実績をもつ。
事業承継問題の解決には投資資金に加え「経営人材」を輩出するエコシステムが必要であると考え、一般社団法人日本プロ経営者協会をPEファンドパートナーと共同で設立し、代表理事を務める。

目次

経歴について

堀江

これまでのご経歴を教えてください。

D.Hさん

大学を卒業して証券会社に勤務しまして、2年経験した後にさらにキャリアアップしたいということでM&A仲介を目指しました。
しかし、8年前の当時はかなり採用も厳しい中で、私は個人のリテール営業しか経験がありませんでした。
24、5歳の私はなかなかM&A仲介会社に入社することができず、法人営業経験が少ないため最終面接に落ちてしまったんです。

いつかはM&Aにチャレンジしたいという気持ちがあったので、法人営業の経験を積みたいと思い、法人営業中心で社員も多く若い方もたくさんいて切磋できる環境があるなと感じたので、大手人材会社への入社を決めました。

M&A仲介→M&A仲介同業転職の理由

堀江

なぜ同業での転職をされたんでしょうか?

D.Hさん

入社2年後には役職を任せていただいたり、いい経験をさせていただいていたんですが、途中でその会社でM&Aの事業部が立ち上がることになって、そこでかねてからやりたかったM&A仲介だったのでチャレンジして自ら社内公募に手を上げて、実際、そこの新規事業立ち上げにジョインさせていただく形になりました。
 
新規立ち上げでやりがいもすごく感じられていた一方、完全にゼロイチでしたので、M&A仲介のノウハウを持った方だったりとか、周りに経験者がいなかったんです。
それでも模索しながら一応成約していましたが、今後5年先10年先を考えると、周りに優秀な方がいて、いろんな情報を得ながら進めていくことがオーナーさんにとって貢献できるんじゃないかと考えたので、より成長できる環境を求めて、最終的には堀江さんにご相談して、現職のM&A仲介への転職を決意しました。

同業でも前職と異なった成果の出しやすい環境とは?

堀江

前職のM&Aの仕事と、今転職された会社で働き方やノウハウ、仕事の進め方などにどんな違いがありますか?

D.Hさん

圧倒的に一番違うと思うのは、周囲にいる社員の質ですね。

もともと前職の時は、そこのほとんどの部が出向社員で構成されており、前職の事業の中で成果を出した人が、M&A仲介の新規事業立ち上げに携わっていたので、社内では優秀な方たちが働いていました。
しかし、現職の場合は本当にさまざまな業界の大きな影響力を持つ企業で活躍された方がたくさん働いているため、かなり優秀層が揃っている点は一つ目の大きな違いではないでしょうか。

もう一つは、企業文化も全く違います。
根本は同じで、M&A仲介として事業を成長させたいというところですが、前職では内向きの仕事が多く、社内のために今のKPIを報告したり、1社1社の面談の報告を会期で1週間まとめて報告を上げたり、勉強したことを持ち寄って勉強会をしたりとか、もちろん大事なことで、いい経験だったなと感じる一方で、対お客さんとの接点を重視してるのは現職だと思います。
 
今いる方は、内向きの仕事が嫌いというか、どちらかというと、営業現場で活動していきたいとか、成果を上げたいという方が多いので、内向きの仕事を一切しないという主義の方が結構多い印象です。
効率よく営業活動に専念できる環境がありますね。

堀江

ありがとうございます。他にありますか?

D.Hさん

あとは案件獲得ですね。

前職の場合だとテレアポ中心でした。
しかし、現状はインバウンドです。
たくさんのLPや広告を出して、LPでSEO対策もしているため、譲り渡したいオーナーさんや譲り受けたい企業さんからの問い合わせが非常に多く、DM発送、手紙を送るというプロセスが非常に整っているので、かなりスピード感を持って送付ができます。
予算も結構頂いているので、かなりの数のオーナーさんにアウトバウンドすることができて、プラスアルファテレアポなので、扱える担当数やお客さんとの接点を確保しやすい環境にあるかなと思います。

何が違うかというと、前職の場合は、1アポの重要性が高かったので、アポが取れたら何が何でも案件化する、という感じで仮に業績の悪い企業さんであっても、手厚くフォローして、最終的に決まるかどうか分からないけれど、かなり力をかけていました。
今は本当にたくさんの案件に携われるので、自分自身が本当にここだったら支援して先に進められるな、と思う企業さんを選んで受託することもでき、かなり進めやすくなったかなと思います。

堀江

DM、テレアポは具体的にどのように効率がいいんですか?

D.Hさん

自身が送りたい業種や従業員数、エリアを絞って、抽出したところにワンクリックで外注先に依頼を出すことができます。
手軽に手紙を準備して送れるシステムが社内の環境としてありますね。

堀江

全体の案件のうち何割ぐらいがインバウンドなんですか?

D.Hさん

やっぱりアウトバウンド中心ではあるんですが、1割~2割くらいはインバウンドですね。

1、2割というと少なく感じると思いますが、問い合わせや相談は毎日かなりの数が来ているような状況です。
多い日では1時間に1件くらい社内に電話が掛かってきて譲り渡したというお話をいただきますし、毎日何かしらのサイトだったり、お電話だったりで問い合わせが入っていますね。

堀江

アウトバウンドとインバウンドの案件で質の違いはありますか?

D.Hさん

アウトバウンドの場合は自分で売上規模を絞ったりしているので、ある程度我々がスコープしている範囲の企業さんから返信が来たりするんですが、インバウンドの場合は、本当に小規模の企業さんから問い合わせをいただくことも多く、規模感としてはインバウンドの方が多少売上規模は小さい印象はあります。とはいえ幅広いため、タイミングによっては違ってきますね。

堀江

アポを取ってから成約までの業務の進め方は違いありますか?

D.Hさん

アポを取ってから次に株価算定を行って、そこからアドバイザリー契約を行うところまではほとんど一緒かと思うんですが、他の部分で業務効率化が進んでいるため、企業概要書を作ったりという部分に時間をかけることができています。

他社と比べて企業概要書作成までのスピード感が早く、その後早期にマッチングすることができるため、案件化した後のスピード感というのが他社と比べかなり早いと思います。

M&A仲介/未経験から活躍するためのポイント

堀江

未経験からM&A仲介の業務を始める時の大変さや、何に苦労されたか教えてください。

D.Hさん

自分が企業さんの価値が分からないというところに最初は一番苦労したました。

この企業さんが果たしてどういった業界に興味を持って、決算書を見てこの企業の財務にどこに問題があるのか、みたいなところをスピード感を持って把握するのはなかなか苦労した部分ではありました。

もともと決算書を読み込む仕事でもなかったので、そのあたりはなかなか最初は勉強しながらで、感覚的にぱっと見てここが問題になりそうだなとか、ここは注意してヒアリングした方がいいなみたいな、というポイントを最初は押さえることができなくて、ヒアリングに苦戦しましたね。

堀江

それはどう改善していったんですか?

D.Hさん

受託して数件の間は、決算書を一度上司が見てくれて、問題になりそうな点があったり、確認しておくべきことがあればヒアリング内容をまとめてくれます。

何件か対応していくと、こことここは被ってくる、気になるポイントだな、他の企業でこういうことが質問に上がったなということが分かってきます。

例えば、このあたりは他の企業でも確認してほしいと言われて、そこを確認したら、後からポイントとなりそうな部分が見つかったりしますね。

M&A仲介/仕事の魅力

堀江

M&A仲介のお仕事の魅力はどんなところですか?

D.Hさん

仲介の仕事の魅力は、圧倒的に成長できるフィールドがあるという点かと思います。

いろんな企業の経営の決算書の状況を見ながら、その企業の状況を把握して、事業のビジネスモデルを理解して、それをお相手に提案していくという仕事なので、本当に法務、税務、財務、色んな幅広い金融知識が身に付くというところが魅力の一つかなと思います。

M&A仲介/仕事の苦労、つらい点

堀江

逆に辛いことや、苦労、マイナス面はどんなところがあると思いますか?

D.Hさん

結局、成約が全ての世界なので、どれだけ手厚くフォローしたとしてもどれだけオーナーさんに気に入られても、どれだけ途中まで進捗が良かったとしても、決まらなかったら成果が上がらない。

本当にその結果が出るまで、弊社の場合だと他社と比べると短いですが、それでも半年から1年くらいかかります。
結果が出るまでの期間はやはりなかなかしんどいなって思う時はありますね。

M&A仲介/年収、報酬面の魅力

堀江

仲介業界の年収とかインセンティブや報酬面の魅力はどんなところですか?

D.Hさん

完全に自身の営業結果に応じてインセンティブが支払われる仕組みになっている点です。

当社もですし、他の会社さんも同じところが多いと思いますので、自身の営業活動の結果が報酬として返ってくるという分かりやすさにはすごくやりがいを感じますね。

今、私が目指してるラインは2023年に2000万円~3000万円の範囲を目指しています。

堀江

低く見積もったらこの辺は行くんじゃないかなって水準はどのくらいですか?

D.Hさん

1500万円はいきたいですね。
前職の2倍です。

ヤマトヒューマンキャピタルの利用価値

堀江

二回転職エージェントを使っていただいていると思うんですが、弊社はエージェントとしてどういうところが良かったのでしょうか?

D.Hさん

堀江さんの場合は圧倒的に情報量があるというところと、もう一つそのM&A仲介の経営層との方とのコネクションがあるというところが大きいです。

また、企業を比較して悩む時も結構あったんですが、ありがたいことに複数社内定路線になってどっちにしようというときに「こっちの方がいいよ」というアドバイスではなくて、しっかり論点整理していただいて、その上で私の思いをしっかり聞いてから一緒に結論を出していただいたっていうところも良かったですね。

本当に後悔のない選択ができたのは私としてはすごく感謝してる部分です。

若手金融マンへのメッセージ

堀江

今は銀行や証券会社で働いていて、今後のキャリアをどうしようかと悩んでいる方にキャリア上のアドバイスをするとしたら、どんな言葉になりますか?

D.Hさん

金融業界からチャレンジしたいという方に対しては、本当に勇気がいると思います。

未経験でM&Aの仕事って、幅広く多岐に渡るので、できるんだろうかという不安感だったり、付いていけるかな、みたいな好奇心と不安感が半々ぐらいある状態だと思うんですが、実際にやってみると、一件一件周りに優秀なアドバイザーの方がいる会社であれば、相談しながら一案件ごとに自信ができ、お客さんに話せる内容がどんどん増えていって、本当に日々成長を感じられます。

少しでも早く業界に飛び込んで、成長できる環境に飛び込んでいった方がいいと私は思ってます。

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