2017年に東証一部上場を果たした大手M&A仲介会社 株式会社ストライク。
現在女性の積極採用を行っており、代表の荒井氏からの女性採用の背景についての説明や、実際にご活躍されている2名の女性コンサルタントより働き方や仕事の魅力、やりがいについて、そして採用担当より採用要件や社内制度についてお話しいただきました。
代表取締役社長 荒井邦彦 様
株式会社ストライクの特徴についてお聞かせください。
ストライク 荒井氏(以下、荒井氏):当社はM&Aの仲介を手掛けている会社です。さまざまな事情で会社を売りたい・買いたいというニーズをお持ちのお客様を探索し、マッチングを行っています。
子どもの頃から「起業したい」という思いを実現すべく、公認会計士として勤めていた監査法人から独立し、1997年に創業。
2016年には東京証券取引所第2部に上場、翌17年には一部に市場変更し、現在に至ります。
社員数は2021年2月時点で約160名。そのほとんどがマッチングを担当しているコンサルタントです。
当社の特徴の一つとして、M&A仲介会社の中でも拠点を広く設けている点が挙げられます。
東京本社のほか、全国6箇所に拠点を構え、コンサルタントが日々、お客様のニーズをお伺いしています。
専門的なスキルやノウハウはもとより、お客様に寄り添い、その思いを叶えようという姿勢でM&Aの仲介に携わる。
これが当社のモットーです。
事業戦略については如何でしょうか。
荒井氏:当社は年間約150件のM&A案件を成約させていますが、全く十分とはいえません。
日本国内で1年間に行われるM&Aが1万件程度とすると、当社が手掛けているのは全体のわずか1〜2パーセントに過ぎないからです。
より多くのお客さまの声に応えていくためには、優秀なコンサルタントの力がもっと必要です。
その意味で、人材採用は当社の事業戦略の要なのですね。
M&A仲介は新しい業界なので、経験者はそれほど多くありません。
異業種に携わっている方にも是非、弊社の門を叩いていただきたいと考えています。
ビジネスの特徴について聞かせてください。
荒井氏:お客様の半数以上が事業承継、つまり、「子どもがいない」、「子どもはいるが跡を継いでくれない」など、さまざまな事情で後継者が不在の会社様です。
ただし、M&Aのニーズは事業承継だけではありません。
今後は事業の「選択と集中」、すなわち中核事業の買収及び非中核事業の売却のためのマッチングや、ベンチャー企業と大企業とのマッチングにも力を入れていきます。
ベンチャー企業の成長を加速させる一方で、大企業に新たな風を吹き込むことにより、ビジネスのイノベーションの創出、さらには新たな産業の育成に寄与していきたいと考えています。
今回の募集職種について聞かせてください。
荒井氏:二つの部署の営業職を募集しています。
一つは企業情報部(現在はコンサルティング本部)の営業職で、M&Aのマッチングを行うコンサルタントです。
売り手企業、買い手企業の探索や条件交渉などに携わります。
もう一つは業務推進部(現在はコンサルティング本部・コンサルティング部会計サポート担当)の営業職です。
当社では売り買いのニーズに関する情報を、提携先の金融機関や会計事務所の士業の先生(パートナー)からいただくことがあります。
パートナーへの営業活動を通して案件をソーシングすることが、この職種の主な仕事です。
女性採用を強化されていると伺います。その背景について教えてください。
荒井氏:M&A仲介業界は男性中心の職場で、長時間労働が当たり前の世界なのではないかと思われている方が少なくないのではないでしょうか。
こうした指摘は一部当たっているところもありますし、業界として高い報酬の見返りに長時間働くことを容認してきたことは否めませんが、一部に誤解あるいは偏見もあると考えています。
高額な報酬を得ている人が特に長時間働いているかといえば、そんなことはありません。
経営者の意思決定に寄り添った行動ができていれば、無駄な残業は必要ない。成果と労働時間は必ずしも連動しないのです。
経営者にとって会社を買収する、あるいは売却するという意思決定は、極めて重要な決断です。
また、M&Aに関わる意思決定は、売り手企業様の社員をはじめお客様、株主様など、非常に多くの方々に影響を及ぼします。
こうした意思決定を一人で行うのは、大きなストレスがかかります。経営者の隣で意思決定を促す私たちは“コンサルタント”、あるいは”アドバイザー”と呼ばれていますが、お客様の心に寄り添って意思決定を促すという意味では“カウンセラー”に近い存在です。
こうした考え方に共感していただける女性の皆さまに是非、ご活躍いただきたいと思っています。
コンサルティング本部コンサルティング部会計サポート担当 池上恵 様
株式会社ストライクへの入社を決められた経緯について聞かせてください。
ストライク 池上氏(以下、池上氏):前職は生命保険会社で代理店営業をしていました。
生命保険の販売に携わるなかで後継者不在という課題を抱えている企業の多さに気づき、自らの営業力を活かしながら、この問題の解決に貢献したいと思い、転職を決めました。
転職に当たってはヤマトヒューマンキャピタルさんの転職支援サービスを利用しました。
数あるM&A仲介会社のなかでも当社を選んだのは、既に活躍している女性社員が数名いて、入社前に実際の仕事内容について聞くことができたからです。
他社の面接では「あなたが女性社員第一号ですよ」といった話を聞くことが少なくなかったのに対し、ストライクなら安心して働くことができると思ったのです。
現在の業務内容と1日のスケジュールを教えてください。
池上氏:現在は業務推進部 会計事務所担当(現在はコンサルティング本部・コンサルティング部会計サポート担当)として、会計事務所の先生のもとを訪ね、関与先様の買収ニーズ及び譲渡ニーズの掘り起こしを行なっています。
1日のスケジュールについて申し上げますと、まず8時半頃に出社して、前日夜に届いたメールに対応します。
10時頃から外出し、会計事務所を訪問。
午後も会計事務所を2件ほど訪問して、16時頃に帰社します。
その後は事務作業や架電営業などを行い、18時半頃に退社する日が多いですね。
年間を通して繁閑の差はありますか?
池上氏:私は会計事務所の担当ですので、先生方がお忙しい時期が私にとっての閑散期、お時間に余裕のある時期が私にとっての繁忙期になります。
例年6月〜8、9月は先生方に比較的余裕がありますので、この時期に合わせて活動量を増やしていくイメージです。
休日、休暇の取りやすさについては如何でしょうか。
池上氏:先生方から土・日曜日にご連絡をいただくこともありますが、メールや電話でご質問にお答えする程度で十分対応できています。
長期休暇について申し上げますと、前職ではお盆や年末年始など取得できる期間が決められていたのに対し、当社では自分の好きな時期に取得することができます。
私は海外旅行が大好きで、コロナ禍以前は海外に安く行くことのできる時期に休暇を取得していました。
案件受託までの流れについて聞かせてください。
池上氏:営業手法としては2つあります。
一つは会計事務所の新規開拓で、具体的には電話やダイレクトメール、もしくは会計事務所の先生方にご紹介いただいて新規開拓を行ないます。
もう一つは、既に接点のある会計事務所の定例訪問で、先生のもとを定期的にお伺いして情報提供をします。
ちなみに、具体的な譲渡価格や候補先を提示する場合は、企業情報部(現在はコンサルティング本部)の社員に同行してもらうようにしています。
業務推進部(現在はコンサルティング本部・コンサルティング部会計サポート担当)の仕事のやりがいについて聞かせてください。
池上氏:やりがいを感じるのは、時間や手間をかけて信頼関係を築いた先生方から案件をご紹介いただけたときですね。
土地を探し、耕して種を植え、定期的に水をやって何年後かに花が咲くイメージです。
すぐに成果が出るわけではありませんが、時間をかけて、ゆっくり着実に取り組むことで必ず成果に結びつく仕事だと思っています。
仕事を通して身につく能力については、どのように見ていらっしゃいますか。
池上氏:人を動かす能力だと思います。
私たちの仕事は間接営業で、先生方に動いてもらわなくてはなかなか成果に結び付きません。
先生方に動いていただくために、私たちに何かできることはないかということを日々考えながら活動しています。
今、課題に感じていることは何でしょうか。
池上氏:1000人以上の先生をフォローさせていただいておりますが、今、一番意識しているのは、銀行を含めて同業他社が数多く存在する中で、どうしたら私を選んでいただけるか。
いかにして最初にご相談いただける存在になるかということです。
こうしたことを念頭に置きながら、効率よく活動することを心掛けています。
今後の目標について聞かせてください。
池上氏:自分で直接営業しなくても、良い評判や成功事例が勝手に営業してくれるようにすることです。
「M&Aに関する相談だったら池上さんだよ」というように、会計事務所の先生方の話題に上るようになれば、新たなパートナーをご紹介いただくチャンスももっと増えていくはずです。
コンサルティング本部 金山奈穂美 様
これまでのご経歴について聞かせてください。
ストライク 金山氏(以下、金山氏):学生時代から日本の中小企業を盛り上げていきたいという思いがありました。
融資というかたちで中小企業をサポートしたいと、大学卒業後は銀行に入行したのですが、お客さまと話をするなかで後継者不在に困っている会社が非常に多いということに気付きました。
こうした企業をサポートできればという思いからM&A仲介業界への転職を志し、2017年10月にストライクに入社。現在は企業情報部(現在はコンサルティング本部)でM&Aアドバイザーとして活動しています。
企業情報部(現在はコンサルティング本部)の仕事について聞かせてください。まず、譲渡案件の開拓はどのように行われていますか
金山氏:大きく分けて、直接営業と紹介営業の2つの方法があります。
直接営業の具体的な手法としては、後継者不在の会社様のリストを作成し、電話を掛けたり、DMを送付したり、当社が定期的に開催しているセミナーにご参加いただいた方をフォローしたりしながら案件開拓を進めています。
一方、紹介営業は、金融機関や税理士事務所など、弊社が提携しているパートナー企業に案件をご紹介いただく手法です。
パートナー企業とは、クライアント様を同行訪問させていただいたり、共同セミナーを開催したりして案件発掘を行なっています。
譲渡案件を開拓した後は、どのようなプロセスを踏むのでしょう。
金山氏:譲渡企業様と仲介契約を締結した後は、対象会社様の企業分析や業界分析を行い、ご提案資料の作成を進めていきます。
こうした作業と並行して提案候補先のリストを作成するのですが、弊社はM&A仲介業界で20年以上の実績があり、1万社以上の買収ニーズを蓄積しています。
こうした情報を活用しながらM&Aの提案を行っていくほか、パートナー企業からのご紹介、インターネットを活用したマッチングサービス「SMART」を活用し、効率的にマッチング活動を進めます。
マッチングから成約までの流れについて教えてください。
金山氏:買い手の探索に特化して動いている「提携推進室(現在はコンサルティング本部・成長戦略部)」、パートナー企業の開拓を行なっている「業務推進部(現在はコンサルティング本部・コンサルティング部会計サポート担当)」と連携しながらマッチング活動を展開していきます。
買い手が決まると「基本合意」と呼ばれる独占交渉権を付与する契約を締結。
買収監査を経て、最終契約という形になります。
その過程では税務や財務、法務などの専門的かつ高度な知識が必要になりますが、社内の「業務支援部」と連携し、弁護士や公認会計士等の資格を持っている社員にアドバイスをもらいながら案件を進めていきます。
これまでのご経歴について聞かせてください。
金山氏:学生時代から日本の中小企業を盛り上げていきたいという思いがありました。
融資というかたちで中小企業をサポートしたいと、大学卒業後は銀行に入行したのですが、お客さまと話をするなかで後継者不在に困っている会社が非常に多いということに気付きました。
こうした企業をサポートできればという思いからM&A仲介業界への転職を志し、2017年10月にストライクに入社。現在は企業情報部でM&Aアドバイザーとして活動しています。
1日のスケジュールについて聞かせてください。
金山氏:定時は9時から17時45分です。日によってスケジュールは異なりますが、9時に出社して1時間ほどチームでの打ち合わせや架電営業を行った後、外回りをするパターンが多いですね。
外回りでは、譲渡ニーズをお持ちのお客様と面談したり、受託済みの譲渡案件を買い手候補の企業様にご提案したりと、一人でも多くのお客様にお会いするのが私たちのミッションです。
夕方前に帰社した後は、株価算定資料や企業概要書、アタックリスト、契約書の草案の作成など、事務作業に取り組みます。
ときには休日出勤もあるのでしょうか。
金山氏:基本的には月曜から金曜までが出社日で、土・日曜日は休日です。
ただ、M&Aの案件は売り手企業の従業員さんには内密で進められることが少なくありません。
そのため買い手企業から「工場見学をしたい」といたリクエストをいただいた場合、従業員さんのいない土・日曜日に行うケースがあります。
休日出勤といっても平日に代休を取ることができるので問題ありません。
企業情報部(現在はコンサルティング本部)の仕事の魅力、やりがいについて聞かせてください。
金山氏:私たちの交渉相手は様々な業種・エリアの企業経営者、トップの方がほとんどです。普段は接することのできない方々のお話を直接伺うことができることに魅力を感じています。
また、企業が抱える課題の解決をお手伝いできるのも、大きなやりがいを感じられる部分です。
一つの案件が成約に至るまでには平均8カ月もかかりますし、一筋縄ではいかないことがほとんどですが、苦労の分だけ、成約したときの喜び、達成感には大きなものがあります。
お客様から「ありがとう」というお礼の言葉をいただけたときは本当に嬉しいですし、お客様の安心された姿を見るだけでも頑張ってよかったなと思いますね。
仕事を通して身につく能力については、どのように考えていらっしゃいますか。
金山氏:M&Aに関連する財務・税務・法務の知識のほか、労務関係の知識、自分が携わった企業が属する業界の専門知識など、自分次第で学べることはたくさんあります。
また、仲介者として売り手企業様と買い手企業様の間に立って交渉を行うことを通して、コミュニケーション能力はもちろん、見えないニーズを探索する力も自然と身に付いてくるでしょう。
M&Aコンサルタントの仕事をされていて大変だと思うこと、難しいと思うことは何でしょうか。
金山氏:M&A仲介は、モノを売買するビジネスとは全く異なります。
売り手の会社様にとってみれば、我が子のように育てた会社を第三者にお譲りするという大事な決断を下すわけですから、コンサルタントには専門的な知識はもとより、お客様と信頼関係を築く力が求められます。
買い手探しを任せるパートナーとして選んでいただけるかどうかが非常に難しいポイントです。
単純に売り手と買い手のマッチングを行うのであれば、エリアや業種を絞ることで簡単にお引き合わせできるのですが、弊社は「M&Aは、人の想いでできている」というコーポレートスローガンを掲げています。
人の想いを大切に、いいお相手におつなぎすることを常に心掛けて活動しています。
今後の目標について聞かせてください。
金山氏:一社でも多く、良いご縁をおつなぎし、M&A業界での女性のトップアドバイザーとなることです。
日本企業を盛り上げ、社会的にも貢献できるコンサルタントを目指して頑張っていきたいと思います。
管理部 採用担当 梅野恵里名 様
梅野さんは中途採用の担当として、面接の日程調整や求人の管理等を行われています。株式会社ストライクで仕事をするうえで必要なスキルについて聞かせてください。定量的なスキルについては如何でしょうか。
ストライク 梅野氏(以下、梅野氏):業務に必要なスキルとしては事業会社の財務三表を読み解く「財務・会計知識」、売り手企業の商流を理解し、最適な買い手企業を探索する「構想力」、M&Aに先立って実施されるデューディリジェンスのサポートに必要な「財務・会計及び法務知識」等が挙げられます。
なお、業界未経験の方には、コンサルタントの支援を行う「業務支援部」所属の公認会計士と弁護士が入社後に実務研修を行います。
また、先輩コンサルタントによるOJTを通した必要スキルの習得機会もご用意していますが、何れにしても主体的に学ぶ姿勢を持ってスキルを身に付けていっていただきたいと思います。
定性的なスキルについては如何でしょうか。
梅野氏:企業経営者にとって、M&Aは企業そのものの譲渡・譲受に関わる、極めて重要な意思決定です。
また、成約に至るまでには大小さまざまな課題が生じます。
したがって、M&A仲介のコンサルタント職には、関係者の利害を調整しながら課題解決を図る「調整能力」、そして交渉相手である企業経営者の信頼を得るだけの「人間性」が求められます。
御社の営業職に向いているのは、どのような人材でしょうか。
梅野氏:案件受託から成約に至るまでに要する期間は平均8・5カ月です。また、仲介に関わる関係者は、譲渡企業、譲受企業に加えて、会計事務所、弁護士など多岐に渡ります。
したがって、案件について関係者にわかりやすく説明する能力に長けた方、限られた時間の中で複数の業務を同時並行的に管理しながら、段取りよく進めることが得意な方に向いている職種だと思います。
採用要件について聞かせてください。
梅野氏:大卒以上かつ、法人営業において企業経営者への提案・営業の経験を有する方を採用対象としています。
一般事業法人、金融機関といった経験業種、性別は問いません。
女性活躍事例、社内制度について聞かせてください。
梅野氏:当社は男女平等をモットーとしています。
したがって、女性社員のための特別な制度等は設けておりませんが、産休・育休等の福利厚生制度はしっかりと整備しています。実際、産休・育休を利用しているM&Aコンサルタントもいます。