本章では、スタートアップ企業への転職について解説していきます。
スタートアップの魅力、メリット、デメリット、転職時のポイントなど知っておいた方が良いと思われる内容を挙げていきますので、ぜひご覧ください。
- スタートアップとはどのような業界か
- スタートアップに転職するメリットや、転職先・キャリア
- スタートアップの採用市場の傾向
- スタートアップの採用要件
監修者
ヤマトヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役
一般社団法人日本プロ経営者協会 代表理事
堀江 大介 | Daisuke Horie
野村證券、ITスタートアップ、コンサルティング業界専門の人材紹介会社を経て、ヤマトヒューマンキャピタル創業。
これまで、同領域に200名以上の方を支援した実績をもつ。
事業承継問題の解決には投資資金に加え「経営人材」を輩出するエコシステムが必要であると考え、一般社団法人日本プロ経営者協会をPEファンドパートナーと共同で設立し、代表理事を務める。
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スタートアップ企業とは?
そもそもスタートアップって何? ベンチャー企業との違いは?
そもそもスタートアップという言葉は「アメリカのシリコンバレーで使われ始めた言葉」で、元々は「新しく設立されたばかりの企業」を意味する言葉でしたが、現在は今までなかった革新的なアイデア(AI、ブロックチェーン、NFTなど)で短期的に成長する創業して間もない企業をスタートアップと呼んでいます。
ベンチャー企業は厳密に区切っているわけではないですが、短期的というよりは中長期的に成長し黒字化を目指していく企業のことを指すことがあります。
スタートアップ企業に向いている人、向いていない人とは?
スタートアップは大企業のように組織体制が確立していないため、キャッチアップの観点では、待っていても研修が受けられるようなものはないケースが多く、ご自身で情報を取りにいきキャッチアップしていくことが求められます。そのため、そのような行動が取れる方が向いていると言えるでしょう。業務範囲においてもまだ明確に分業できる組織とは言えないケースが多いため、個人の業務範囲が広くなる傾向があります。
スタートアップに向いていない人を挙げるなら、業務はしっかり縦割りに区切られていて研修制度も充実しているような環境を望む人は向いていないと言えるかもしれません。
もちろんそのスタートアップのその時のステータスによっても変わるため、一概に言えない部分もありますが、上記傾向はそのスタートアップにも部分的に当てはまる傾向があります。
スタートアップの年収は?
入社時にどのタイトルで入社するかにもよりますが、仮に入社時の年収が低かったとしても実力次第で大企業よりも比較的短期間に上昇する傾向が強いと言えます。
入社時に800万円だった報酬が1年後には1,200万円に上がったようなこともあります。
業務範囲も広くなる傾向があるため、経験を積むという観点では様々な業務も経験でき、ポジションアップも早期に見込めることもあり、それにつれて年収もさらに上昇することがあります。
年収の相場はポジションにもよりますが、800万円-2,000万円程度が多いように思います。
まだ存在しないポジションを作っていくことも可能になるケースもあり、その醍醐味もあると言えるでしょう。
スタートアップ企業からの転職先、キャリアパスは?
スタートアップ企業からの転職先、キャリアパスにおいては採用企業の状況と求職者の方のご意向にもよるため、さまざまなケースがあります。
以下のような例が挙げられます。
- 現スタートアップで長く働くことでポジションアップを狙う
- 経営層においては、企業価値向上に貢献しストックオプションの価値を向上させる
- 他スタートアップ企業への転職でポジションアップや報酬を上げる
- スタートアップ企業での事業側から、コンサルティング会社やベンチャーキャピタルのようなアドバイザリー、投資側に転職する
- スタートアップでの経験を活かして、自身の会社を創業する
ご自身の考えるキャリアビジョンに対して、スタートアップでのキャリアがマッチするかどうかを判断することが重要と言えます。
スタートアップへ転職するには?
未経験でもスタートアップに転職できる?
募集ポジションにもよりますが、未経験から転職できるポジションが増えてきました。例えば、SaaS企業の営業ポジションなどは直接的なSaaS営業の経験者ではなくてもトライできる企業もあります。
もちろん、専門的な知識や経験が必要な職種などは経験者を採用する傾向はありますので、未経験からどの職種で応募していくのかといった観点も重要なファクターになると言えるでしょう。
スタートアップに転職するのに年齢は関係ある?
転職される先のポジションによって年齢はさまざまですが、主に経営層(CFO、COOなど)ということになると第2新卒のご年代よりは20代後半以降のご年代の方々がご転職されていることが多いと言えるでしょう。以下にそれぞれのご年代で転職されることが多いポジションやその魅力を記載します。
第二新卒:インサイドセールス、フィールドセールス、エンジニアなどのポジションでご転職されるケースが多く、柔軟性のある組織で縦割りの業務内容というよりは、成長過程の組織ですので、ある程度幅広い業務を求められるケースもあり、成長するためにそのようなスキルは必要とお考えの方にフィットするケースが多く、そのあたりが魅力と言えるでしょう。
20代後半:社会人経験3年-5年程度になり、今までのスキルセットの中でどの部分を伸ばしていくかをお考えの方は多いのではないでしょうか。御多分に洩れず、このご年代でのスタートアップへの転職は一番多いと言えます。
経営層においても、CFOやCOOといったポジションでご転職されるケースもあり、現場サイドから経営層までポジションに振り幅があるご年代となります。経営層に早めにトライされたいというお考えの方には魅力となるかもしれません。
30代:30代となりますと、スタートアップ経営者(CEO)と同年代となるケースもあり、経営層としての転職が多くなります。早い方ですとスタートアップでのご転職は2回目という方も出始めるご年代です。経営層で本格的にIPOを狙う企業でCEOと共にIPOを目指したいという方々が増えるご年代とも言えます。SOの付与も行われることがあり、報酬面でも魅力となるご年代とも言えるでしょう。
40代以降:40代以降は転職する企業の社長や従業員の方々のご年代によっても色々考え方があるご年代となりますが、経営層としてのご転職が中心となります。今までのスキルセットをスタートアップでフルに発揮され、貢献されたいという方が多いのではないでしょうか。SOも付与されることが多くなり、企業価値向上への貢献度がダイレクトに反映することも少なくありませんので、経営層としての魅力を感じられることが多くなります。
ポジション別の転職のしやすさは?
ポジション別の難易度というのは一概には判断できません。
フェイズ毎にポジションごとに採用の要件が変わる為、企業毎にタイムリーな情報収集が必要となります。
気になる企業やポジションがある場合は早めにエージェントに相談してみることをお勧めします。
またスタートアップは、成長過程にあり教育体制などがまだ未成熟な場合も多く、これまでのご経験を活かした即戦力ポジションでのご転職が多い傾向があります。
採用ポジションに限らず、この傾向は強いですが、一方で企業によっては状況により、未経験を採用することもありますので、企業の採用ニーズをキャッチアップすることが重要なファクターとなります。
スタートアップで評価されやすいスキル・経験は?
評価されやすいスキル・経験はポジションによっても変わって来ますが、前述した即戦力としてご活躍頂けるスキル・経験を持たれているかという点が焦点となるケースが多いと言えます。
例えば、経営層の「COO」であれば、経験として新規事業開発や顧客とのアライアンス構築、営業組織の構築経験、KPI構築・管理経験などが挙げられますし、「CFO」であれば、IPOを目指す上での重要なポジションとなりますので、エクイティストーリー構築経験、証券会社投資銀行部門でのM&Aアドバイザリー経験、エクイティによる資金調達経験、スタートアップにおけるIPO支援経験などが挙げられます。
それ以外にもポジションによって評価される部分が異なりますので、その企業の求人情報の「求める経験」を確認するだけでなく、その「求める経験」に至った背景なども理解されるとより面接でアピールできる部分を認識でき、合格の可能性も高まると言えます。
スタートアップ企業へ転職するメリット・デメリットとは?
スタートアップ企業に転職する魅力・メリット
そもそもスタートアップ企業に転職する際の魅力・メリットはどのようなものがあるでしょうか。皆さんの中にはまだ創業したばかりの企業への転職はリスクが多く、どのような魅力があるのかを聞いたことがないといった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以下に魅力・メリットを記載していきます。
- 幅広い仕事を経験でき、個人の成長(スキルセット向上も含む)につながる
- 経営陣との距離が近く、大企業よりも経営に近い位置で仕事ができる
- 成果次第で早期昇格・昇給を狙える
- 独立・起業を検討している人には目の前でそのやり方を学べて、良い経験が得られる
- 同じような志向の人と働ける
- ストックオプションなどの権利が得られることがある
スタートアップ企業に転職するデメリットは?リスクは?
メリットは上記に記載しましたが、デメリット・リスクはどのようなものがあるでしょうか。以下に記載していきます。
- まだ体制も整っている訳ではないスタートアップ企業は経営資源が少ないことが多い
- 待遇面が安定しないことがある
- 基本的にハードワーク
- 福利厚生が充実していない
- マルチタスクで業務を遂行することが多く、一つの業務にコミットすることが難しい
- 倒産リスクも抱えている
上記のデメリット、リスクはこれから転職活動を控えている方にとっては、一概にデメリットとは言い切れないものもあると思います。
これからキャリアを構築する上では、一般的にはデメリットと言われていることでもメリットになることもあるので、その判断は大切と言えるでしょう
スタートアップへの転職事例は?
スタートアップへの転職での失敗事例や後悔したことは?
失敗というよりは、期待しすぎた結果、そのような結果にはならなかったというようなことはよくあります。
例えば、IPOを目指す企業でストックオプションを期待したが、期待した数値に満たなかったもしくは付与されなかった、IPOを期待して入社したが、数年経ってもまだIPOに至っていないなど、大企業のように組織が整っていてアセットを持っている企業への転職とは異なり、スタートアップはより自身で活躍し、企業を成長させていくベクトルとなるため、企業の何かを頼ったり期待したりすることはお門違いとなるケースが多く見受けられます。
そのため、ご自身の力でこの企業に貢献し企業と共にご自身のスキルを向上させ成長していく場所がスタートアップ企業であり、そもそも企業が自動的にご自身に利益を与えてくれる訳ではないということをご理解頂くと良いかと思います。
スタートアップに転職した成功例は?
成功の定義にもよりますが、仮に成功の定義を「IPO」を挙げるのであれば、以下のような成功例があります。
①IPO準備中(N-2)のスタートアップ企業へ今までのスキルセットを活かしてCFOとしてジョイン。エクティストーリーの構築、事業アライアンス構築を行い資金調達の結果、潤沢な資金を確保し、事業成長、人材採用に投資。そのように貢献した結果、見事そのスタートアップ企業はIPOに到達。
他には「成長」を成功の定義とする場合は以下も挙げられます。
②創業間もないスタートアップ企業へフィールドセールスとしてジョインし、実績を重ねた結果、現在ではポジションもアップしCOOとして企業の経営層としてご活躍。現在IPOを目指す経営層として邁進中。
上記のようにご自身で掲げた目標を達成することが「成功」であれば、そのポテンシャルはスタートアップには多くあることが多いように思います。
転職支援事例
主な支援実績は以下となりますので、ご参考にされてみてください。
- 年齢:40代
- 性別:男性
- 転職先業界:TEC系スタートアップ企業
- ポジション:CFO
- 年収 転職前 2,000万円 転職後 2,300万円+SO
- 年齢:30代
- 性別:男性
- 転職先業界:HRTEC系スタートアップ企業
- ポジション:CFO
- 年収 転職前 2,000万円 転職後 2,000万円+SO
- 年齢:30代
- 性別:男性
- 転職先業界:TEC系スタートアップ企業
- ポジション:COO候補
- 年収 転職前 800万円 転職後 1,200万円+SO
スタートアップへの転職対策
スタートアップへの転職に多い志望動機
一番多い志望動機は、「今までの経験を活かして、ご自身の考える貢献度が高い業種・職種で仕事がしたい」ということが挙げられます。それが一番ご自身を成長させることができるとわかっている方が多いためです。
前述した通り、転職企業の状況にもよりますが、上記の理由にさらにより具体性がある内容を企業側へ伝える努力をされると内定の可能性も高まりますし、入社以降もこの会社に入社すべきではなかったと思ってしまうようなミスマッチもなくなると言えるでしょう。
このあたりは面接対策などでしっかり対策させて頂きますので、詳しくはお問い合わせ頂ければと思います。
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スタートアップへの転職のポイントと注意点
転職のポイントなるのは前述した通り、「求職者側がご自身の今までのご経験をその企業に活かせることがアピールできて、また採用企業側もその経験を求めている」という状況下で、さらに共に働くという観点でも「求職者、企業側双方が共に一緒に働きたい」ということであれば、転職は成就することが多いです。
また転職する上で注意すべきポイントとしては、「転職企業」を選ぶ上でどのような指標を設けるかといった点が挙げられます。
求人例
応募可能な求人例を以下に記載します。
他にもございますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。
報酬:1,200-1,300万円+SO
ポジション:CFO
求める経験:事業会社、投資銀行、ファンドなどで資金調達をされた経験
VCや金融機関からの資金調達、投資家、銀行、証券会社とのコミュニケーション・IR、予算策定、経営目標の推進など
報酬:1,200万円+インセンティブ+SO(検討可)
ポジション:営業部長候補
求める経験:証券会社での営業経験、銀行にてスタートアップへの営業経験がある方
スタートアップ企業に対してのクラウドサービス、コンサルティングサービスの新規開拓
報酬:800-1,200万円
ポジション:管理本部長
求める経験:デットファイナンスの経験、事業会社での財務実務経験がありバックオフィスのリーダー/マネージャー職以上の経験
・ファイナンスに関わる業務
・事業計画策定・人員計画策定
・労務/総務/経理/法務などのコーポレートのチームマネジメント
・IR業務全般
・内部統制、経理規程の整備、社内業務フローの改善・整備
・日常経理業務の承認、月次決算・四半期決算・年次決算業務
・バックオフィス全般のマネジメント
・ファイナンス
・株主(VCや事業会社)や金融機関の対応実績
・IPO業務関係(東証や証券会社との折衝、社内フロー整備、審査資料作成)
・IPOのパートナーの選定(証券会社/監査法人/印刷会社等)
まとめ
スタートアップ企業についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。ご自身の今までの経験を活かして、貢献度高く働ける会社でご活躍されたい方にはオススメですので、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
この記事が貴方にとって有益になりますことを願っております!
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執筆者
小林 賢一郎 | Kenichiro Kobayashi
青山学院大学を卒業後、大日本印刷株式会社にて大手飲料メーカーを担当し、商品の販売促進のための提案型営業に従事。その後、プルデンシャル生命保険株式会社に転職し、企業経営者向けの生命保険の提案営業力を活かし約4,000名中上位4%の成績を残す。経営者との業務経験から事業の盛衰は「人材」による所が大きいと感じ、当社にジョイン。