このページでは、安定した人気を誇るコンサル業界の中でも、金融コンサルタントに関して解説します。キャリアの実情、転職ノウハウ・事例、具体的な求人情報について記載しますので、今後のキャリア形成の参考にして下さい。
今回の記事は現在コンサル業界に従事する方はもちろん、コンサル業界への転職を考えている方が将来のキャリアを考える上で役に立つ記事を作成することを意識しました。ただし、弊社ヤマトヒューマンキャピタルは転職エージェント会社ですので、業界や個別企業のマイナス面はこのような場では申し上げられません。
より突っ込んだ業界の実情や転職ノウハウ、事例をお知りになりたい方はこちらより無料キャリア相談にお申し込みください。
- 金融コンサルとはどのような業界か
- 金融コンサルに転職するメリットや、転職先・キャリア
- 金融コンサルの採用市場の傾向
- 金融コンサルの採用要件
監修者

ヤマトヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役
一般社団法人日本プロ経営者協会 代表理事
堀江 大介 | Daisuke Horie
野村證券、ITスタートアップ、コンサルティング業界専門の人材紹介会社を経て、ヤマトヒューマンキャピタル創業。
これまで、同領域に200名以上の方を支援した実績をもつ。
事業承継問題の解決には投資資金に加え「経営人材」を輩出するエコシステムが必要であると考え、一般社団法人日本プロ経営者協会をPEファンドパートナーと共同で設立し、代表理事を務める。
【書籍】
ポストコロナのキャリア戦略 経営×ファイナンス (ロギカ書房)
【保有資格】
・証券外務員一種
・FP(ファイナンシャルプランナー)2級

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- 志望業界の非公開&未経験OKの求人をご紹介
- 志望業界転職後のキャリアの選択肢を解説
- 志望業界のマイナス点、個別企業ごとの優劣をご説明
- 志望企業へ社長や幹部経由の特別ルートでの応募も可能
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そもそも金融コンサルタントとは?
金融コンサルタントの種類とは?
金融コンサルタントは以下のように大別することができます。
- 金融関連のコンサル(FAS/財務コンサル、M&A仲介コンサルタントなど)
- 金融機関向けのコンサル(戦略コンサル、業務コンサル、ITコンサル、PMIコンサル)
- 金融機関からコンサルへの転職
金融コンサルタントという言葉の多くは①②を指しており、
稀に③を指すことがあるという実感値のため、
今回は①②に特化した上で金融コンサルタントについて解説していきます。
金融コンサルタントの業務内容/仕事内容は?
金融関連のコンサル
こちらに関してはFAS / 財務コンサルタントとも呼ばれる分野です。
金融・財務領域のプロフェッショナルとして以下のようなコンサルティングサービスを提供しています。
・M&Aアドバイザリー
事業や企業の買収、売却、資本提携のようなM&Aアドバイザリー業務
・事業再生
業績不振に陥っている企業に対しての業務改善、売却、再編に関するアドバイザリー業務
・フォレンジック
不正調査、不祥事などのリスク把握、または防止体制の構築
・財務面における経営コンサルティング
中小規模のファームに多く見られる特徴として、財務を軸とした経営コンサルティングを提供
各企業において多少異なりますが、大きくは上記のようなサービスを提供しています。中小規模のファームに関しては横断的に携わるケースが多く、一方でBIG4を始めとする大手ファームに関しては業務が細分化されており、より専門的にサービスを提供するケースが多いです。
金融機関向けのコンサル
銀行/証券/保険のような金融業界に対してのコンサルティングを提供しています。この場合におけるコンサルティングサービスの内容は幅広い一方で、金融業界に対しての深い専門知識が必要とされるケースが多いということが特徴です。
一例としては以下のような内容です。
- 経営戦略、事業戦略
- ITを活用したサービス支援
- コンプライアンス
- 合併、買収
- 組織人事
- リスク戦略
上記のみならず、金融業界に対してのあらゆるコンサルティングサービスを提供します。
金融コンサルタントの現状と今後
金融関連のコンサル
金融関連のコンサルの仕事は企業の財務会計、管理会計などのコンサルティングからそれに関連する業務オペレーションの改善等、財務領域において多岐に渡ります。
昨今ではグローバル化やIT化によって扱う内容が高度になってきているために、金融関連のコンサルに対してのニーズは大きく高まっています。
また、どのような会社にも必ず必要とされる分野であるために、案件が不足するような光景は一切見ないと言っても過言ではありません。
昨今においてテクノロジーの進化は目覚ましく、金融業界は転換期を迎えています。新たな金融サービスの台頭、業界再編等により大きな構造変化を求められており、各社生き残りをかけて日々激論を繰り広げているような現状です。
金融機関向けのコンサル
そういった業界の変化を深く理解し、企業戦略の構築、新たなシステムの導入など様々な切り口から解決策を提示するのが金融コンサルタントです。
数年で解決するような内容ではないため、現在の活況は長く続くと考えられます。
金融コンサルタントの年収は?
金融コンサルタントは高い専門性が求められる分、一定の採用ハードルがあります。しかしその分、入社後に関しては高年収が期待できる分野でもあります。
具体的な年収は各ファームによって異なりますが、概ね以下のような年収帯のファームが多いです。
コンサルタント:年収600~1000万円
マネージャー:年収900~1500万円
シニアマネージャー:年収1400~2000万円
実力主義的な文化が強いファームも多く、20代にしてマネージャーに昇格する方も珍しくありません。
金融コンサルタントへの転職
未経験の転職
金融関連のコンサル
金融関連のコンサルは財務、会計領域の高い専門性が求められ、USCPA含む会計士資格や税理士資格を有する方は優先的に求められています。
資格取得に至っていない方に関しても、科目試験合格者、簿記1級や簿記2級の合格者は選考が有利に進みます。
更にそういった資格を取得していない方に関しても、事業会社で経営企画や財務経理の経験を有する方も積極的に採用する傾向にあります。それ以外の方に関しては一部ポテンシャルを見て採用するファームもありますので、悩む方は気軽にご相談くださいませ。
金融機関向けのコンサル
最も採用ターゲットとなりやすいのは、金融機関において上記に記載したような実務経験を持つ方、業務系もしくはIT系の実務経験を持つ方です。高い専門性を有しており、業界内の事情にも精通しているという観点から、即戦力に近い人材として優先的に求められています。
更にはクロスボーダー案件も増えているため、高い英語力を有する方は更に採用優先度が上がります。
年齢別の転職難易度
専門性が高い業界であるため、少しでも若いタイミングの方が採用可能性は高く、選択肢も多くなります。
以下の内容を参考にされて下さい。
20代:学歴、現所属企業の社格、業務内容の合致度、保有資格を見て総合的に判断されます。キャッチアップが必要な部分が多いためにポテンシャル採用をするファームは多く存在します。積極的にチャレンジすることをお勧めします。
30代:学歴も然ることながら、現職での業務内容の合致度はよりシビアに見られるようになります。M&Aに何らか関わっている方はより好まれる傾向です。
40代以降:金融関連に対して何らかの高い専門性を保有する方に絞られます。同業界へチャレンジを考えている方は、より若いタイミングに動き始めることをお勧めします。
金融コンサルタントへの転職をしているのはどんな人?
金融コンサルタントへの転職を果たした方の実例を参考として以下の通り記載します。
金融関連のコンサル
- 事業会社の経営企画、財務等のポジションでの実務経験を持つ方
- 監査法人での会計監査もしくは各種アドバイザリー業務の経験を持つ方
- 損害保険会社、証券会社、銀行の営業もしくは企画経験者
- 簿記2級に相当する財務会計の知識を保有する方
金融機関向けのコンサル
- 損害保険会社、証券会社、銀行の営業もしくは企画経験者
- SIerで金融系プロジェクトの実務経験者
- 事業会社でのシステム営業経験者
上記は実例であり、且つ多くのファームが採用ターゲットとして挙げるような方々です。上記以外の方に関してもキャリアを作ることは出来ますので、どんな可能性があるか気軽にご相談ください。
金融コンサルタントのキャリアパスは?
金融コンサルタントになった後にどのようなキャリアパスが考えられるか、気になる方も多いと思います。
再現度の高い成功事例を4つ記載します。
- 事業会社の経営企画→金融関連のコンサルタント→CFO
- 監査法人→金融関連のコンサルタント→PEファンド
- 銀行の管理部→金融機関向けのコンサルタント→銀行の中核人材
- 金融系を得意とするSIer→金融機関向けのコンサルタント→大手ファームの金融セクターのディレクター
上記のような形で、その専門性を更に研ぎ澄ませた上で次のステップに進む方が非常に多いです。
学歴フィルターはある?
他コンサルティングファームと比較すると、学歴フィルターはそこまで無いように感じます。より正確にお伝えすると、学歴はそこまで気にしていないものの、日々の勉強が必要とされる世界であるために結果高学歴の方が多いという印象です。
大手ファームの中でも、有名大学出身ではないが一念発起して公認会計士を取得して今活躍している、という方もお見掛けします。
金融コンサルタントに英語は必要?
金融コンサルタントに英語は必須ではありませんが、あった方が好ましいというのが現状です。
ターゲットとなるクライアントが大手企業だからこそ事業のグローバル化、海外M&A案件の増加等、日本という垣根を超えたプロジェクトも多く保有しています。チャンスを最大限掴むためにも英語力が高い方が採用されやすく、入社後も活躍しやすいというのが現状です。
持っていると有利な資格は?
金融コンサルタントになるために、必須となる経験や資格は特段ありません。ただ、以下のような資格を持っていると、その分野における専門性の高さを示しやすくなります。
公認会計士、税理士、簿記検定は金融に関連したスキルを、中小企業診断士はコンサルティングに関連したスキルを示すために有用です。
- 公認会計士またはUSCPA:監査及び会計の専門家であり、経理・財務においての一定の能力を示す。
- 税理士:税務の専門家であり、税法の観点からのコンサルティングを得意とする。
- 簿記検定:高度な会計知識を有することを示す。
転職事例
直近の転職事例を参考として記載いたします。
当然ながらあくまでも一例ですので、自身にどのような可能性があるかはお気軽にご相談ください。
・年齢:26歳
・性別:男性
・転職先業界:BIG4 FAS
・年収(転職前、転職後):転職前540万円→転職後700万円
・補足:大手企業の経理財務として活躍されている方。現職で自社のM&Aに携わっている点を評価され採用に至る。
・年齢:32歳
・性別:男性
・転職先業界:独立系、金融関連コンサルティングファーム
・年収(転職前、転職後):転職前730万円→転職後950万円
・補足:監査法人で活躍されている公認会計士の方、より手触り感があり事業運営にも携わった上でCFOになりたいという思いから転職を決意。
求人例
応募可能な求人例を一例として記載いたします。
弊社求人の中でのほんの一例でございますので、参考としてご確認ください。
報酬:700~1800万円
ポジション:アソシエイト~シニアマネージャー
M&A戦略策定支援、M&Aプロセスにおけるプロジェクトマネジメント、M&A候補先企業との交渉支援、デューディリジェンスの実行支援
報酬:500~1800万円
ポジション:アソシエイト~シニアマネージャー
事業戦略策定支援、BPR、新規事業・ソリューション企画

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選考内容について
選考で何を問われる?
選考で問われる事に関しては、事業会社の選考と大枠は変わりません。基本的には自分の志向・キャリアの一貫性が見られます。本当にこの人はコンサルタント会社で働きたいのか?という部分を見られますので、上手く回答出来るようにしましょう。
コンサルタント会社特有のモノとしては、既述の通り、ポテンシャルがどれだけ高いか、という部分が見られます。ポテンシャルは、地頭の良さだけではなく、未経験のことに対して泥臭くキャッチアップするやる気や工夫がみられるか、という部分も含みます。
その為、コンサルタント会社に入社したい場合は、どのように未経験部分をキャッチアップするか、という事もイメージしておきましょう。
その他、特殊な選考としては、ケース面接があげられます。具体的な事例をもとに、自分の考えを述べる形です。これも対策すれば可能ですので、ケース面接が出題される会社では、書籍などで対策をしておきましょう。
よくある志望動機
コンサルタント業界に入りたい方の志向としては、企業・経営者の役に立ちたいという部分が根幹にある方です。
事業会社であれば商材を介した価値の提供となりますが、コンサルタントの場合は直接企業・経営者に対してアドバイスをする立場となりますので、より役に立っている感覚を得られます。
その為、アドバイザーとして企業の重要な意思決定に関与したいといった理由を上げる方が多いです。
ケース面接とは何ですか?
ケース面接とは、具体的な事例をもとに自分なりの考え方を述べて、面接官とディスカッションする選考方法を指します。フェルミ推定と呼ばれる計算(市場価値算定や、概算の数量(日本のカフェの数など))や、コンサルタント事例から自分であればどのようなアプローチをするか、といった問題となります。
いずれにしても明確な回答例は無く、ロジックに納得感があるかどうかを見られます。その為、普段から何故こうなるのか?といった理由を考える姿勢を持つことが重要であると言えます。
面接対策として、今すぐにでもできることは?
コンサルタント業界の選考に限らず、自己分析が一番重要となります。そのため、これまでのキャリアを棚卸してして、納得感のあるキャリア設計が出来ているかを検討してみましょう。
それ以外であれば業界理解が重要となります。コンサルタント会社はどのように業務を遂行しているのか、という部分を理解すれば面接対策として大きく役に立ちます。
転職しやすいって本当? コンサルタントからの転職・キャリアパス
コンサルタント業界からの転職としては、既述の通り、コンサルタント業界への転職も多いです。
それ以外であれば、事業会社・ファンド業界・金融等様々です。コンサルタント会社で何を経験したのかが重要です。
ファイナンス系のコンサルタント会社(FASなど)であればファンドや、事業会社投資担当、マーケ系のコンサルタント会社であれば、事業会社経営企画やITベンチャー、事業支援系コンサルタント会社であれば、事業会社経営企画が多くなります。
コンサルタントの転職 失敗・後悔しないために行うべき準備は?
準備としては、各社の特徴をきちんと理解する事となります。既述の通り、コンサルタント会社毎にやり方が違うので、そこに上手く順応出来るかどうかという部分です。
各社の業務スタイルを理解し、ワークライフバランスや年収の推移などもコンサルタント会社毎に違うので、きちんと把握しておきましょう。
あとは面接対策です。内定獲得率も、対策によって大幅に変わってくるので、是非対策の時間を十分に設けましょう。
コンサルタント業界についてもっと詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
コンサルタントへの転職対策まとめ(現状・業界区分・役割・キャリアパス・スキルなど)

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執筆者

松本 健太 | Kenta Matsumoto
大学卒業後、国内最大手のスカウトヘッドハンティングの会社に入社。新規事業立ち上げや海外進出の責任者、経営者の右腕ポジションなど、人材支援からクライアントの成長を牽引する。
その後、自らも事業運営に関わりたいと感じグロース市場のブライダル企業へ新規事業の責任者として転職。3年で事業立ち上げから年商10億円超事業にまで拡大させる。
自身の事業運営の経験と人材領域の経験から、深みのあるキャリアコンサルティングを行う。