【マザーズ上場CFO】CFOに求められる意外な能力【Youtube対談文字起こし】

※経営×ファイナンスの転職情報を発信するYoutubeチャンネル「キャリアDD」の動画内容を文字起こしした記事です。

みなさんこんにちは。ヤマトヒューマンキャピタルの堀江です。

今回ははマザーズに上場している企業のCFOにお越しいただき、お話を伺いました。

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堀江

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【グロース市場CFOが語る】上場できる会社の条件【転職/中途/キャリアDD】

【転職】CFOになるために必要なキャリアは?【中途/キャリアDD】

目次

これまでのご経歴

堀江

ではXさん、よろしくお願いします。

X氏

よろしくお願いします。

堀江

最初にこれまでのご経歴の概要をお聞きしてもよろしいでしょうか?

X氏

私は証券会社からキャリアをスタートしまして、その後コンサルティングファームや事業会社で、一貫してM&A畑でキャリアを積んでまいりました。

直近は起業してM&Aの仲介会社を経営していたんですけれども、一旦資本政策などが落ち着いたタイミングで、次のキャリアを考えていた際に、現在の会社のCFOが上場準備のプロセスの中で責任者がいないということで、たまたま経営トップの代表者の方が知人だったということもあってお声かけをいただいて、ご縁をいただいたという形になります。

堀江

上場前に会社に入られたということですよね?

X氏

そうですね。上場のNマイナス1のタイミングで。

堀江

そのときはCFO的な人はいなかったということですか?

X氏

管理責任者みたいな方がいらっしゃったんですけれども、なかなか上場準備が進んでいないと言いますか、うまくワークしていない中で責任者を新たに採用するというフェーズでした。

堀江

CFOの方のスタートアップに入るタイミングって色々なパターンがあると思うんですけれども、Xさんの場合はかなり遅めというか、上場の直前に入ったような感覚なんですね。

X氏

おっしゃる通りですね。
通常はやはり上場の準備を始めるNマイナス3とか「上場を3年後にするぞ」「じゃあCFOも必要だよね」というタイミングで入るケースが一般的だと思うんですけれども、私の場合は前任がいまして、その方がNマイナス3とか2のタイミングを進めておられて直前でバトンタッチしたという形になります。

堀江

それで上場を無事にCFOとして実現されて今に至るということですね。

X氏

おっしゃる通りですね。

上場の流れや費用

堀江

弊社にもCFOになって上場をさせたい、IPOを経験したいというご相談がすごく多いんですけど、実勢に上場までの流れがどういう準備をして業績的にはどういう状態になったら許可が下りるのかとかわかっている人が少ないんじゃないかなと思いますので、その辺の流れをお聞きしたいと思います。

「上場を目指すぞ」となってから実際に上場できるまでの流れをお聞きしてもいいですか?

X氏

一般的に申し上げますと、やはり大体3年くらいは上々の準備に時間がかかります。「3年前から何をそんなにするの」という話なんですけれども、まずは監査法人を選定するというところですね。
 
やはり監査法人の先生方も非常にお忙しくて、上場するかしないかみたいなフェーズの会社だとなかなか受けてくれない。なので、まずは監査法人が決まらないことには上場準備が進まないというところが実態です。監査法人が決まると、ショートレビューといったものが行われます。M&Aの世界でいうとデューデリジェンスみたいなものですね。
 
それで、この会社の業績はどうなのか、管理体制はどうなっているのかとか、会計処理はどういう風にやっているのか、みたいなところの質問票が飛んでヒアリングを受けて、監査法人の先生としても「この会社だったら行けるよね」とOKが出れば監査契約締結で具体的に進んでいく。

同時かちょっと後くらいで、主幹事証券の方も選定をして決めていくというところがNマイナス3くらいのタイミングかなと思います。
 
Nマイナス3は、Nマイナス2、Nマイナス1になりますと、実際に上場するための準備がスタートします。上場するにあたっては大きく2つですね。

1つは業績をとにかく上げる、これがないことには始まらない。

もう1つは上場企業としてふさわしい、内部管理体制がしっかり整っているかどうか、内部統制が効いているよねとか、ガバナンスが効いているよねというところをお示しするために規程を用意したり、色々な内部統制の文書化を行ったり、色々なところを準備して実際に運用していきます。
 
ある程度外側が整ったら、証券会社の審査を受けて、その審査もOKが出たら東証に申請をして、東証の審査を受けて、東証のOKが出たら上場承認という形で晴れて上場をしていく。

ざっくりですけれども一般論的にはこんな流れになるかなとは思います。

上場できる会社とは

堀江

採用企業側からは「弊社はNマイナス2です」とか「〇年〇月に上場します」「つきましてはこういう採用戦略なのでこういった人が欲しい、CFOが欲しい」というご要望を沢山いただくのですが、それが流れるケースが弊社は結構多いんですね。

実際に言った通りのタイミングで上場し切る上で何が一番難しいですか?

X氏

やはり業績だと思います。

予実の管理と言いますか、しっかり予算を立ててそれ通りに事業を進捗させていくというところが、事業環境の変化も非常に昨今は激しいですし、組織運営という観点で途中で幹部クラスの仲たがい的なこともあるでしょうし、色々な理由があるとは思うんですけれども、業績が思ったより進捗をしていかないということは非常に大きいのではないかと思います。

堀江

内部体制と管理体制色々とあるけれども、想定通りの業績を上げるのが一番難しいということですか?

X氏

おっしゃる通りです。

堀江

上場までにかかる費用というのは、どんな費用があって幾らくらいかかるのか、ざっくりどんなイメージでしょうか?

X氏

先ほど申し上げた、監査法人の先生たちにお支払いする費用主幹事証券のコンサルティング費用、あとはもろもろ諸費用がかかりますけど、やはり一番かかるのは管理部門の人件費じゃないですかね。

結局上場準備前だと管理部門が一人しかいられない、社長が片手間でやっています。
 
管理部門はプロフィットを生まないので、お金をかけないんですけれども、それをCFOクラスで堀江さんのところにたくさん相談に来ている、千何百万円とかそういう水準感の方だと、部長クラス課長クラスで5人から10人くらいのイメージですかね。

そうすると、平気で下手したら10人だったら億行っちゃうよねみたいな費用感にはなるのかなと思いますけ。

堀江

そのくらいのコストを払ってでも営業利益をちゃんと出せる会社じゃないとそもそも難しいですね。

X氏

おっしゃる通りです。

上場に向けてのCFO業務

堀江

Xさんの場合はNマイナス1で入られたということですけれども、上場に向けてCFOとして特にどんな業務に注力されていたんですか?

X氏

私の場合はNマイナス3、2のフェーズというのは、ある程度側を前任が整えてくれていたので、最後の仕上げのところですね。

管理部門の人数は私が入ってから増やしたところもありまして、その前まではもうかつかつでやっていました。管理部門の業務の自動化だったり、効率化を意識して取り組んできましたね。
 
例えば会計システムで、当社はfreeeを使っていたんですけれど、freeeを使ったプログラムを書いて、ワンクリックである程度手作業がない状態で自動化したり、色々なところで省力化の取り組みをして、かつ採用を行いました。

幹部陣といいますか、経営陣でしっかり協議をして、上場を目指すのであれば必要な人員をしっかりコンセンサスを取ったうえで採用をして、安定的に管理部門がしっかり回る体制を整えるという部分が一つ大きな役割でした。

その上で、他社もそうだと思うんですが、管理部門は色々なルールを作ったり、場合によっては営業部門サイドにとってはちょっと煩わしい、今まで自由にやって口頭で承認をもらっていたものが稟議がいる、手続きを踏まないとダメだということが入ってくるので、それをどう事業部門の皆さんに共感をしながら順守してもらえるような体制、文化づくりをしていくのか非常に私自身も留意していました。

管理部門がいきなり「IPOのためにやれ」みたいな偉そうになってしまうとうまくいきませんよね。結局それはそれで衝突を招いて対立構造になってしまうので、そうではなくて、「一つの目標に向かって一緒にやっているよね」と。

事業部門はやはり業績ですね。
先ほど申し上げた、進捗をしていかない限りは上場はないので、そこに変なブレーキになったりしないように意識をしながらどう浸透させていくか、といったところはかなり工夫しながらやっていました。

堀江

初めて経営幹部をやった方とか、今まで監査法人の経験しかなくてタフなネゴシエーションとか理屈だけでは通らない人間関係で、意外とできる人とできない人とで分かれてしまうかもしれませんね。

X氏

そうですね。

でもCFOの最大の役割ってそこだと思うんですよね。
事業以外はすべてCFOが干渉していく期待感は会社としてはどこの会社もあると思うので、管理部門に「べき」だけを押し通すようだとうまくいくものもいかないので、どう浸透をさせていくかというのはその会社のカルチャーもあるでしょうし、考え方もあるでしょうし。

相当工夫をして調整、コミュニケーションを密にやらないと難しいんじゃないかなと実際やってみて強く感じましたね。

堀江

創業メンバーじゃないXさんのようなCFOならではの苦労って多分ありますよね?

X氏

あると思います。

やはりよそから来て、いきなり私が取締役でCFOで。
ありがたいことに拝命いただきましたけれども、そうであるがゆえに創業メンバーの上で急に偉そうなポジションになってしまうので、コミュニケーションについてはオフラインのコミュニケーションで信頼関係を作りました。

今の時代だと昭和的に捉えられてしまうかもしれませんけれど、やはり重要な要素であったようにも思います。

堀江

その辺は意外と表に出ていないですよね。
資金調達とかM&AばかりCFOの仕事だと思われていますもんね。

X氏

それは本当にCFOの業務のごくごく一部です。
かっこいい、わかりやすい業務ではあると思うんですけれども、上場準備という観点でいくと、本当にごく僅かかなと思いますね。

上場後に注力している業務は

堀江

無事上場を成功されて、その後役割とか業務内容とかXさん自身の心持ちというかマインドで変化はありましたか?
上場会社の役員ということで。

X氏

私自身は冒頭に自己紹介をさせていただいた通り、M&Aがバックグラウンドというのもありまして、私がCFOに入った会社としての期待は、上場後のM&A戦略の推進、IPOの準備ももちろんなんですけれども、私はそこは素人だったというのもありまして、上場後のM&A戦略が非常に期待されておりました。
実際に上場してから既に完全子会社化等を含めて10件程度M&Aのご縁をいただいて今推進しております。
 
管理部門についても上場してから構造化していくところですね。
初めての上場後の株主総会、色々な商事法務、契約法務周り、経理、こういったところを確実にやっていく体制づくりを引き続き管掌しながらやっていく。
 
ただ、メリットだと思うんですけど、「あの会社と一緒になったら面白い展開ができそうですね」とか、信頼関係がないと成就していかないものだと思いますので、上場して一つの資金が得られたというのはもちろんですが、信頼感はビジネスをする上でも得られているというのも実感しています。

堀江

ありがとうございます。
上場をされたあとCFOとして心構え、マインドセット面で何か変化はありましたか?

X氏

上場したからどうというのはないかもしれないですね。

もちろん上場をして株主の皆様にも、何千人の皆様にご期待をいただいて当社の株式を買っていただいておりますので、そういった期待に応えなければならない気持ちはもちろん持つようにはなっています。

しかし、上場前から当然オーナー社長だけのものではなくて、色々な株主の方に入っていただいて、私は責任がある立場でやり取りをしていたということもありますので、そんなに大きくは変わってないかなと思いますね。

ただ責任の重さといいますか、数字の公表もそうですし、進捗の公表、会社が良くも悪くも注目を集めることにはなりますので、緊張感は高まっています。
期待をいただいているからには責任に応えたいという想いもありますので。

堀江

先ほどのお話と重複してしまいますが、上場されて企業経営として特にこういうところのメリットが大きかったなというのはどんなところですか?

X氏

一般的に言われているところは感じていますかね。

「M&Aで上場企業だから話を聞こうか」とか、「上場企業の会社だからこそ一緒になるとメリットがあるよね」と感じていただいているということは、営業についてはそうですよね。
上場している会社のサービスという観点で一段調べなくて良くなるというか、お客様からの信頼が一つあるというのが営業部門も言っていますし。

採用も一緒ですよね。
「上場しているから」というだけで決める人はいないと思いますけども、ある種、安心材料として機能しているというのは新卒、中途採用に関しても少なからずあるのではないかなと思います。

CFOの一番のやりがいは?

堀江

ここからはCFOのキャリアについてお聞きしていきたいんですけども、CFOというポジションに就いたのは初めてでしたか?

X氏

初めてですね。

堀江

CFOという役職を初めてやられて、やりがいってどんなところに感じましたか?

X氏

管掌範囲が事業以外だったら何でも全部CFOの管掌みたいなところもありますので、私自身もM&Aをやってきていましたけど、会計部門の実務みたいなところは初めての経験ばかりでして、予算を作って中計を作って、上場後のIR、M&A、いわゆる経営企画的な部門と管理部門の業務と非常に多岐にわたる業務に就いています。

私自身は全部をやる必要はもちろんないんですけれども、外部のプロフェッショナルの方とのやり取り、社内での専門家の方とのやり取りといったところは非常に大変でもあり面白いところですね。

堀江

より会社経営の全体観が見えたというのはあるんですかね?

X氏

そうですね。

経営企画的管理部門の側面、結構横串な色々な部門がありますので、営業もあれば開発もあれば、他新規事業のチームもいたり、色々なチームをどうやって管理部門的に経営企画的にうまくワークさせていくかみたいなところの役割も求められていくかなと思いますね。

CFOの一番大変なところは?

堀江

逆に一番ここが大変だったなというポイントはどんなところですか?

X氏

ありがたいことに、当社は今非常に業績が良いということもありまして、予実で苦労している会社さんも多い中でも、苦労はありませんでした。

一方で、文化の醸成といいますか、規定を作って終わりではなくて、それをしっかり運用に落としていくプロセスが、非常にコミュニケーションを密にやらなければならなかったり、時にはかなり厳しく指導しなければいけなかったり、部長から落としてもらうとか、色々なことを考えて試行錯誤しながら内部管理の体制づくりは発信してきたかなと思いますね。

堀江

それをしっかりやってくれるCFOがいると社長は相当助かるでしょうね。

X氏

うまくいかないケースというのも耳にする機会があるんですが、繰り返しですけど「管理部門のあるべき姿」を強くCFOが発信し過ぎてしまうと、ある種正しいんですけれども、組織的に正しくない。

ここはかなり難しいといいますか、役員ももちろんですが、幹部の皆さんとの信頼関係をいかに落としていくかの工夫をしないといけないんじゃないか、CFOの大きな役割の一つなんじゃないかなと思いますね。

堀江

Xさんの場合、キャリアの中で自分で売上を上げるというご経験も豊富にされているので、売上を上げることの大変さとか事業部の苦労が分かった上で管理側もできるというのは強みですよね。

X氏

それは確かにおっしゃる通りだと思いますね。

M&Aなのでどちらの要素もあるんですが、どちらかというと私は営業というか事業サイドの方がやりがいを感じるタイプであります。だからこそうまく調整できた面もやはりあるかなと思います。

堀江

CFOというと会計士出身とか投資銀行をやった人みたいな、何となく業界の中でこの人じゃないとダメみたいなのがあると思うんですけど、意外とそんなこともないような気がしますね。

X氏

まったくないですね。

堀江

営業経験ある人でそこからCFOの業務を覚えていくのが僕は面白いと思うんです。

X氏

おっしゃる通りです。

そういう方も実際上場してからですね。
上場企業のCFOの方と繋がり、交流の機会というのもありがたいことに増えてきまして、証券会社出身と会計士出身が多いのは間違いないですけれども、全然古くから営業・色々な部門をやって「CFOいないからもうお前がやれ」みたいな人でもやられているケースも全然あります。

私もM&Aをやっていましたけど、管理部門の実務がほとんどわからない中でもちろんキャッチアップを最大限しなくてはいけないと思っていましたし、IPOコンサルタントの方とかフリーの会計士の方とか、私の持っていない専門的な機能を持っていて助けていただける方は山ほどいらっしゃるので、そういった方々と協業しながら進めていける方であれば全然IBD出身とか会計士出身ではなくても良いかなというのは個人的には思いますね。

堀江

採用側も意外とそこのフィルターを外してみて考えるといい人が採用できるかもしれませんね。

X氏

おっしゃる通りですね。

社長をはじめ幹部の皆さんとの相性というのが何よりも重要といいますか、信頼関係があまり上手に築き上げられない方が入ってしまうとコミュニケーションコストが相当高くなってしまいます。

堀江

それが一番ストレスですからね。

X氏

「こいつが言ってることって本当か?」みたいなこととか、「なんかちょっと…」とお互いになってしまうと進むものも進まないですよね。

堀江

そのストレスほど辛いものはないですよね。

X氏

ないですね。そうなっちゃうと結局組織にとっても痛いというか、ネガティブワードも出てきちゃうと思いますので、避けなければいけないかなと思いますね。

堀江

ありがとうございます。

CFOに向いている人、向いていない人はどんな人?

堀江

改めてCFOという役職のポジションに向いている人と向いていない人ってXさんがやられてみてどう思われますか?

X氏

専門職の方でそれを志向される方はやはり違うかなと思います。
例えば先ほど言った資金調達をやりたいとか、M&Aをやりたいとかですね。
 
例えば会計士の方であれば、会計のスペシャリストであり続けたいとか色々な方がいらっしゃると思うんですけども、強みとしてその軸があるのは素晴らしいことだと思うんですけども、それはほんの一部で、結局CFOってIPO準備企業のCFOとして求められるので、管理部門の内部統制、内部管理という体制を構築しようとすると、それをいかに浸透させていくかみたいなところになります。
私の経験上、そこが一番重要かなと。コミュニケーションですね。調整といいますか、外部の皆さん、ステークホルダーとのコミュニケーションも増えていくので、証券会社しかり、監査法人しかり、もちろん審査が進めば東証ともコミュニケーションが必要で、ハブになるのがCFOなので、CFOがちゃんとワークしないと皆様の心象形成という観点から「この会社は大丈夫か?」となってしまうと思うんですよ。
 
進むものも進まなくなってしまうので、そういう外部のステークホルダーと中の事業部門や幹部の皆さんとの調整をどうコントロールをしながら落としどころを見つけてあるべきところに落としていくか、というのはやりがいもありますし、それがやりたいと思える人じゃないと厳しいかなと思いますね。

堀江

本当の専門家志向の人はその専門領域のアドバイザリーとかの方がキャリアとして合っているのかもしれませんね。

X氏

私はその方がいいかなと思います。

スタートアップ、ベンチャーのCFOという観点で行きますと、シードでもアーリーでもどのフェーズで入ってもかなり多岐にわたる役割が期待されていると思いますので、「ここだけ」という人はなかなかフィットしにくいんじゃないかなと。
 
先ほど堀江さんからも「営業からのキャリアチェンジもあり得ますかね」というお話があったと思うんですけど、そういうマインドの方のほうが私の中ではワークするイメージがあります。

もちろん、必要最小限の財務とか会計、税務、法務、色々な専門性が高くないとなかなか進まないという現実がありつつ、最低限キャッチアップできればそういう方のほうがむしろうまくいくんじゃないかなという印象を私は持っていますね。

堀江

CFOになるまでのキャリアで経験を積んでいた方がいいとか、こういう会社を経験している人はCFOとして活躍しやすいんじゃないかという肌感はありますか?

X氏

私がM&Aの出身というのもあるのかもしれませんけど、FAでも仲介でも、M&Aって調整の面もあると思うんですよね。

クライアントとか、売手、買手に対してどう落としどころを持っていくか、色々なステークホルダーがいる中でどう調整するか、そういった感覚を私もM&Aの実務の経験で養われてきたかなと思います。

後は、リスクに関する感度といいますか、法務も税務も会計も色々な観点でワークを色々と進めていかなくてはならなくて、交渉もあって調整もあって、というところで多岐にわたっていたので、M&Aは分かりやすく応用ができたかなとは思いますね。

堀江

ありがとうございます。

CFOの採用で困っているスタートアップの経営者が多いと思うんですが、投資銀行か会計士かBIG4・FASくらいに行っている人がほとんどなんです。

候補者側も採用する側もフィルターを外したら意外といいマッチングがあるのかもしれませんね。

X氏

おっしゃる通りですね。

可能性としてはそういう人達の方が結果としてフィットするということが多いのかもしれませんけど、全然それに限らないかなとは思いますね。

まとめ

堀江

今日はCFOキャリアについてかなり細かく多岐にわたり色々なことに回答をいただいてどうもありがとうございました。

皆さんもかなり参考になったのではないかと思います。

弊社では、今日お話ししたCFOポジションはもちろん、M&Aアドバイザリー・投資銀行・コンサル・PEファンドベンチャーキャピタル・事業会社のコーポレート部門、M&A担当や企画経営などの領域の転職支援を行っておりますので、ご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。

弊社のキャリア支援のポイント
堀江

転職相談頂いた方にはメディア記事では書けない下記情報をお伝えします!

  1. 具体的な非公開&未経験OK求人をご紹介
  2. 内定を取り切るマンツーマン面接対策を実施
  3. 応募企業へ社長や幹部経由の特別ルートでの応募も可能
  4. 志望業界に転職できない方も、1社or2社挟んで志望業界にたどり着けるルートを伝授

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