株式会社ストライク 採用キャリアウェビナー【イベントアーカイブ】

※2020年12月19日に行われたイベントのアーカイブ記事です。

「M&Aは、人の想いでできている」
上場M&A仲介会社 株式会社ストライクキャリアウェビナー

上場以来、5期連続増収・増益を続け、今期史上最高益を達成した株式会社ストライク。東洋経済オンライン調べによる30代の平均年収ランキングでは1,539万円の堂々5位と高年収企業としても有名です。

プラットフォームモデルの日本M&Aセンター、アウトバウンド営業力のM&Aキャピタルパートナーズ、海外ネットワーク力のGCA、それらに勝るための同社の経営戦略とはー。

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当イベントは、代表取締役を務める荒井氏直々にご登壇いただき、他社M&A仲介会社と異なる数々の”日本初”の取り組み(インターネットM&A市場:SMART、女性採用など)や同社の業界におけるポジショニング、同社が求める人材像についても詳しくお話しいただきました。

  • M&A業界に興味のある方
  • M&A業界にチャレンジしてみたい方
  • 明るく・楽しく・前向きな方
  • 上場会社にてM&Aコンサルタントとして活躍されたい方

は、ぜひご一読ください。

ダイジェスト動画(音声あり)

※後日公開

目次

株式会社ストライク ご紹介

「M&Aは、人の想いでできている」というコーポレートスローガンのもとM&A仲介を行っております。ストライクで働く上で、なによりも大事なことは、「人の役に立つ、人に良い未来を提供できるM&Aを作っていく」という人に対する想いと信念です。弊社の特徴は、代表の荒井を含めた複数名の公認会計士が在籍しているため、未経験で入社された方でも、会計・税務的な見地を活かした明確なアドバイスを受け、業務に取り組める環境にあります。
 また、国内初のM&A仲介サイト「M&A市場SMART」といった広範な情報ネットワークを活用することで、効率的なマッチングを行っております。上限を設けないインセンティブ制度となっており、全力で頑張る社員が仕事をしやすい環境を整備しております。

登壇者

荒井邦彦氏
株式会社ストライク 代表取締役社長

970年生まれ、千葉県出身。大学在学中から起業を志していた。まずはスキルを身に着けてから起業をしようと公認会計士を目指す。1年後に合格を果たし、現在のEY新日本有限責任監査法人に入社。
その後、M&Aビジネスに将来性を感じ、1997年26歳で株式会社ストライクを設立。
翌年、日本初のインターネットM&A市場「SMART」を開設。2016年に上場を果たし、数多くのM&A案件に携わる。事業承継型のM&Aだけにとどまらず、スタートアップのM&Aや生産性向上のためのMA&などにも取り組んでいる。

イントロダクション、登壇者紹介

YHC堀江

本日は株式会社ストライクの荒井邦彦代表取締役社長にお越しいただきました。ストライクさんの事業戦略や働く魅力についてディスカッションしていければと考えております。よろしくお願いします。

荒井氏:よろしくお願いします。

YHC堀江

本題に入る前に荒井社長のご紹介をさせていただきたいと思います。荒井社長は1970年千葉県のご出身で、大学在学中から起業を志し、会計士の資格を取られた後、新卒でEY新日本監査法人に入社。同社では主にIPO系の業務を手掛けられていたと伺います。

荒井氏:そうですね。

YHC堀江

そのなかでM&Aビジネスに将来性を感じ、26歳でストライクを設立されました。今でこそ「M&A×IT」という組み合わせでビジネスを展開している会社は少なくありませんが、当時はストライクさん以外にはなかったのではないでしょうか。その後、日本初のインターネットM&A市場「SMART」を開設されて、2016年に上場。現在は事業承継型のM&Aのほか、スタートアップのイグジット支援や、生産性向上のためのM&A、さらには事業再編、業界再編など、中堅・中小企業に特化しながらM&A仲介業務を幅広く手掛けられています。

荒井社長による会社紹介プレゼン

ストライクの4つの特徴

YHC堀江

ここからは荒井社長にバトンタッチして、ストライクの特徴についてお伺いできればと思います。では、荒井社長お願いいたします。

荒井氏:ストライクの荒井でございます。よろしくお願いいたします。
ストライクはM&A仲介の会社です。今、堀江さんからご紹介いただきました通り、1997年設立。今年で24年目を迎えました。ストライクの特徴について①「卓越した専門性」、②「最先端のマッチング手法」、③「日本最大級の拠点網」、④「想いをかなえる組織力」の4点を挙げさせていただきたいと思います。

まずは①の「卓越した専門性」。当社は日本M&AセンターさんやM&Aキャピタルパートナーズさんと比較されることが多いのですが、他2社の経営者は営業畑出身。一方、私は会計士出身です。会計士ならではの専門性を重視する点は当社の特徴の一つとして挙げられると思っています。②の「最先端のマッチング手法」については、インターネットの活用を他社に先駆けて進めてきたということですね。③「日本最大級の拠点網」に関しては、日本全国に7つの拠点を設置しています。地域に根ざした活動をしようということで動き出したのも、M&A仲介業界の中では最も早い部類に入ると自負しています。最後に④「想いをかなえる組織力」ですが、近年、M&A仲介を手掛ける会社が次々と設立されている中で、当社は現在150人くらいの体制になっております。こうした組織力も特徴の一つとして挙げられます。

M&A仲介の成約件数に関して触れておきたいと思います。2019年は成約件数が約260件。ディール数は134組でした。弊社の決算期は2019年度までは8月、2020年度から9月になりますけれども、2020年度はディール数で191組を目標にしています。

会計士でなくとも活躍できる

荒井氏:本日は転職をお考えの方向けのウェビナーということでお話をさせていただきますが、ぜひ強調して申し上げたいのは、会計士の資格を持っていなくても大丈夫だということです。代表の私が会計士ということが影響しているのかもしれませんが、会計士の資格を持っていなければストライクには入社できないという誤解をされている方が少なからずいらっしゃいます。しかし、当社の社員の出身母体をご覧ください。前職は銀行・信用金庫、証券会社に務めていらっしゃった方が多く、会計士や弁護士などプロフェッショナルの資格を持っている社員は1割もいません。また、新卒で入社した社員が全体の8%を占めており、2022年3月卒の学生から毎年採用していく方針です。さらに最近は広告代理店など、事業会社出身の方も増えてきています。会計士出身でなくとも十分に活躍できるということを、ご理解いただければと思います。

事業承継だけではない

荒井氏:次にお客さまや案件の特徴についてお話ししたいと思います。ここで強調したいのは、事業承継案件ばかりを手掛けているわけではないということです。実際、当社のM&A事例のうち後継者不在を理由とする案件は、半分を少々上回る程度です。残りの半分近くは、「事業の選択と集中」や「事業の成長と発展」、「業績不振」からの復活、「株主利潤の獲得」などの理由で実施するM&Aがあります。ちなみに、「事業の選択と集中」のためのM&Aとは、大企業が戦略的な再編を行うときにしばしば実施される、中核事業の買収と非中核事業の売却です。また、「事業の成長と発展」は、若手経営者が運営するベンチャー企業やスタートアップが大企業の傘下に入って成長資金の確保や市場開拓を目指すケース。一方、「業績不振」からの復活のためのM&Aは、金融機関等からの依頼を受けて実施するケースが多いですね。いずれにしても一定数の専門家がいるということが強みとなって、こうした仕事につながっていると思っています。

活躍中の2人の社員

荒井氏:次に、当社ではどのような人が活躍しているかというお話をさせていただきたいと思います。本日は2人の社員をご紹介させていただきます。一人目はマネージャーの廣田尚登君です。白髪になっていますが入社4年目です。前職の第一地銀から業界未経験で入社したのですが、いまや常時トップの売り上げを上げています。年齢的には決して若くないですが、持ち前の営業力を武器に頑張ってくれている社員です。

もう一人は、シニアアドバイザーの小林尚希君。彼は札幌オフィスの一号社員です。もともと広告代理店や地元北海道のリフォーム会社で営業マンをしていたのですが、M&A業界に興味を持って一念発起。未経験ながら当社の門を叩き、飛び込んできました。先ほどの廣田くんは前職が銀行員でしたから財務の知識をそれなりに身に付けていましたが、小林君は知識ゼロ。入社当初はすごく苦労したようです。しかし、“日本一のコンサルタント”になるんだと言って一生懸命頑張った結果、小林くんは今や札幌の不動のエースとなりました。誰だって頑張れば可能性を拓くことができる。そう感じさせてくれる、希望の光のような存在です。

モットーは「M&Aは、人の想いでできている。」

荒井氏:最後に、私たちのモットー「M&Aは、人の想いでできている。」についてお話ししたいと思います。M&Aというとお金の話になりがちですし、それを避けることができませんが、会社は人で成り立っているということを忘れてはなりません。当然のことながら、M&Aを決めるのは人間。その影響を受けるのも人間なのですね。だからこそ、私たちはお客さまの気持ちに寄り添い、人の思いを大事にしたM&Aを支えていきたいと考えています。私からのご説明はここまでにさせていただこうと思います。ありがとうございました。

YHC堀江

活躍されている方のパターンとしては、大きな案件を決める方が多いのでしょうか。数を決める方が多いのでしょうか。

荒井氏:数が大事だと思います。もっぱら大きい案件ばかり狙っている人は、“一発屋”みたいになってしまって長続きしません。数をきちんとこなすことができる人が大きな案件も手掛けているという印象です。

荒井社長へのインタビュー

創業のきっかけと、ミッションの再認識

YHC堀江

ここからは荒井社長にインタビューをさせていただきながら、ストライクさんの特徴や荒井社長の想いについて深掘りをさせていただければと思います。先ほども少しお話いただきましたが、創業の経緯についてあらためて聞かせてください。

荒井氏:起業したいという思いは、学生時代から持っていました。ただ、何をやればいいかわからなかったし、自信もありませんでしたので、とりあえず会計士をやってみようと思ったんですね。数字を理解する力は経営に不可欠ですし、ビジネスを始めるときにプラスになると考えたわけですね。M&A仲介会社を起業することになったのは、会計士時代に、毎年1、2社のペースでM&Aを行なっていた会社を担当したのがきっかけです。デューデリジェンスに関わる程度だったのですが、「ビジネスとしてマッチングをしている人がいるんだ」と思うと、胸がときめいた。「面白い。自分でもやってみたい」と思いました。

YHC堀江

1997年の創業から20余年。ストライクさんの時価総額は今や1000億を超えています。数あるM&A会社のなかで、これほどまでに成長を遂げることができたのはなぜでしょうか。

荒井氏:どうでしょうね。私としては、まだまだ途上という認識です。昔に比べれば確かに成長しているが、先を見ればまだまだやるべきことがあるという感じです。ただ、成長の要因を敢えて挙げるとすれば、2016年に上場したときに、われわれの使命や役割について見つめ直したことが大きいと思っています。M&Aというと“売った”“買った”というような、やや乱暴と言える考え方をする方もおられますが、本来の目的は、世の中を経済的に豊かにしていく点にあります。シナジー効果によって、企業の生産性が上がり、収益性が高くなる。それを通じて社員に高い給料をもたらしたり、お客さまに安い価格で商品を提供したり、あるいは、株主に高い配当を払ったりといったことができるようになる。こうしたことを支援し、実現させていくのが、われわれの使命だということを、上場を機に再認識しました。

YHC堀江

どこに視座を置くかによって、全く違った世界が見えてきますね。

荒井氏:おっしゃる通りだと思います。

アフターコロナのM&A市況

YHC堀江

アフターコロナのM&A市況と今後の予測について聞かせてください。

荒井氏:件数ベースで増えてはいるものの、あくまで微増。これが足元の状況ですね。当社が運営しているオンラインメディア「M&A Online」で上場企業の公表M&Aの集計を行なっているのですが、2020年1月〜12月15日のM&A実施件数は前年同日比プラス9件の809件でした。ソフトバンクによる英国アーム社の売却、セブン&アイ・ホールディングスによる米国スピードウェイ社の買収、シンガポールの塗料大手ウットラムによる日本ペイントの買収の3つ案件だけで7兆円に上りますので、金額ベースでは圧倒的に増えていますが、件数ベースでは1%の微増に過ぎません。

今後に関しては、投資に対して及び腰になる会社が増えるとみています。先日、経済学者の講演を聞く機会があったのですが、「経済は危機でつくられる」とおっしゃっていました。そして、過去の歴史を振り返っていえるのは、経済危機の後は上位企業への集約が進んでいくということです。M&A仲介会社としては、こうした前提のもとで動いていく必要があると考えています。この点、当社は2020年の4月から「プレマーケティングサービス」というサービスを導入しました。これまでのM&Aは、売りたいという会社をソーシングした上で買ってくれる会社を探すというやり方が一般的だったのですが、この流れを変えて、買いたいという企業を先に特定して、どのような会社を買いたいかということを伺った上で、売り手を探す取り組みを始めました。2020年6、7月頃から営業活動を本格化し、契約件数も着実に増えてきています。

YHC堀江

M&Aの中身や質については何か変化を感じますか。

荒井氏:とびきりの大型案件を除き、全般的に“小型化”しています。あとは“国策化”が進んでいるという印象を持っています。2020年版の「中小企業白書」をみていると、「生産性」という言葉が2019年版の5倍くらい出てきました。それだけ国も、中小企業の生産性を高めなくてはいけないと考えているということですね。税制に関してもM&Aを促進する仕組みを整備していこうという流れになっています。M&A業界に対してフォローの風が吹いているといっていいでしょう。

M&Aマーケット、事業承継型M&Aのこれから

YHC堀江

近年、M&Aマーケットには数多くの会社が参入し、既にレッドオーシャン化しているという指摘や、事業承継型M&Aはこの数年がピークで、その後は厳しい環境になるのではないかというご指摘を受けることも少なくありません。こうした懸念に関しては、どのようにお考えでしょうか。

荒井氏:年収ランキングを含めて私たちの業界は大きな注目を浴びていますし、許認可も必要ありませんので、新規参入が増えるのは当然だと思います。今後もますます増えていくでしょう。ただ、レッドオーシャンになっているかというと、そんなことはないと思います。私たちの推計では、日本全体で1年間に実施されるM&Aは約1万件。そのなかで私たちが手掛けているのは130件程度なので、シェアでいうと1.5%くらいです。その意味でわれわれにとって未開拓の部分が多いんです。油断すればすぐに逆転されるし、逆に言えば、いつでもチャンスがあるということです。

また、事業承継マーケットが終わるのではないかということですが、これは終わらないですよ。事業承継は次の株主と社長を決めるということです。社長を務めることができるのは自然人だけ、また、オーナー企業の場合、株主は個人ですよね。指摘するまでもなく、個人には必ず寿命があり、どこかでバトンタッチしなければいけません。法人や機関投資家が株主となることで事業承継の問題を解決することができますが、こうした主体への集約はほとんど進んでいません。そうである以上、多少の増減はあるとしても、事業承継型のM&Aがなくなることはありません。

YHC堀江

先ほど挙げられた1年間に実施されるM&Aが約1万件という数字は、実際に成約したM&Aの数ですか?レコフさんの統計で約4,000件という数字もありますが。

荒井氏:1万件というのは当社の推計です。約4,000件という数字に関しては、報道で把捉されているものがそれだけだということで、実際はもっとありますよ。また、4,000件のなかでも支配権が動いているのは1,800件程度。支配権が動いていない契約が半分以上含まれているので注意が必要です。

YHC堀江

それほど多くのM&Aが実施されているなかで、大手仲介会社が手掛けるM&Aの成約件数は年間1000件程度です。そのレベルにとどまっているのには、どのような背景があるのでしょうか。

荒井氏:アプローチできていないところがたくさんあるということだと思います。「得意先から言われて買った」、「昔からお世話になっているから決めた」という具合に、仲介会社が入らないM&Aも結構あるんですね。ただ、こうした契約が適切な相手と、適切な価格で行われているかといえば、必ずしもそうではないはずです。M&A仲介会社にご相談いただき、「こういう会社もある」「ああいう会社もある」というなかからお決めになるのが、本来あるべき姿だと思います。この点については、しっかりと啓発していく必要があると思っています。

本質は経営者に寄り添い、意思決定を促すこと

YHC堀江

今後の成長の核となる経営戦略について聞かせてください。

荒井氏:奇をてらったことをするつもりはありません。私たちの仕事の本質は、経営者にしっかりと寄り添い、意思決定を促していくことです。当社にご相談にいらっしゃる経営者の皆さまは、「後継者がいない」「事業の見直しを図りたい」「スタートアップを成長させるためにどこかの傘下に入りたい」といった確かなニーズを抱えているわけですが、いざ契約書にハンコを押す段階になると、「この条件でいいのか……」「この会社が相手でいいのか……」「自分の立場はどうなるのだろう……」と迷ってしまうものなのです。だからこそ、時間や手間をかけて、意思決定に寄り添い、経営者の背中を押すことができなくてはいけません。最近はオンラインマッチングのプラットフォームがもてはやされていますが、機械では解決できない部分がかなり大きいと思っています。中心となる戦略は変わりません。優秀な方々に、「ストライク、面白そうな会社じゃないか」と思っていただき、ご入社、ご活躍いただく。これが一番の根幹であることに変わりはありません。これに尽きると思います。

YHC堀江

ちょっと抽象的な質問ですが、ストライクさんで働く魅力についてあらためて教えてください。

荒井氏:人によって捉え方が違うので何ともいえないところはありますが、僕は楽しんで仕事をしていますよ。活躍している人ほど楽しんで仕事をしている印象がありますね。社内はフラットな雰囲気で、役員も含めて“さん付け”で呼び合っています。変な忖度みたいなものもないですね。

YHC堀江

日本M&AセンターさんやM&Aキャピタルパートナーズさんの経営者が営業ご出身なのに対し、荒井社長は会計士出身という点から経営に違いが生まれていると思いますか?

荒井氏:できるだけきちんと質の高い提案をする、ここは強く意識していますね。提案書やバリュエーションを例にとると、業務支援部という専門のサポートチームでクオリティチェックを行った上でお客さまにお持ちするようにしています。

YHC堀江

IM(インフォメーション・メモランダム)も業務支援部でつくるのでしょうか。

荒井氏:いや、そこまで分業を進めているわけではありません。コンサルタントがつくったIMに対して、業務支援部がチェックしてダメ出しをするという感じですね。いかに優秀な人でも、見落としてしまうことはありますからね。

YHC堀江

最後の質問となりますが、どのような人材に入社してほしいですか。経歴や人柄、物事の考え方を含めて聞かせてください。

荒井氏:弊社では“ATM”と呼んでいるのですが、「明るく・楽しく・前向きに」という考え方を大切にしています。正直な話、専門技能にいかに長けていても、“ATM”でない人はこの業界では活躍できないと思っています。暗い人に説得されたいと思う人はいないでしょうし、前向きな人でなければ障害を突破できませんからね。専門技能に関しては、先ほどの小林君のように、入社してから身につけてもらえればいいと思うんです。

YHC堀江

「お前、最近“ATM”じゃないぞ!」みたいな声が飛び交うんですか(笑)?

荒井氏:あっはっは、そこまではないですよ(笑)。

Q&A

女性コンサルタントも活躍

YHC堀江

ここから視聴者からの質問にお答えいただければと思います。まず、「女性のコンサルタントはいらっしゃいますか」というご質問なのですが。

荒井氏:現時点でコンサルタントの約1割が女性です。M&A仲介というとハードワークで長時間労働、あるいは、給料は高いが激務といったイメージがあると思います。あながち間違いではありませんし、頑張る自由は邪魔しませんが、こうした側面が表に出過ぎて女性が業界に挑戦しづらい雰囲気になっている面はあると思います。
しかし、コンサルタントが男性でなければならない理由はないし、女性の方がうまくいくケースもあります。優秀な女性を採用しないことは会社にとって大きな損失にほかなりません。男性と同じく、明るく、楽しく、前向きな方のご応募をお待ちしています。

YHC堀江

次は、「M&A仲介業界に未経験で転職する場合、どのようなハードスキル、ソフトスキルが求められるのか」というご質問なのですが。

荒井氏:そうですね。まず、人的スキルと技能的スキルのどちらを優先するかといえば、圧倒的に人的スキルです。どれほど高度な技能的スキルを持っている人でも、入社後に人的スキルを伸ばすのは至難の技なんです。しかし、逆は十分に可能です。その意味でも、“ATM”がいちばん大事だということになりますね。

M&A仲介か、FASか

YHC堀江

次の質問に移りたいと思います。「M&A業界に興味があるなかで、FASを目指すか、仲介系の会社を目指すか迷っています。経験豊富な荒井さんのアドバイスを伺いたい」というご質問を頂いています。

荒井氏:M&A仲介とFASとでは、仕事の内容も顧客層も違います。また、求められているものも違います。仲介にご相談にいらっしゃるお客さまは「売却したいので買ってくれる会社を探してほしい」、「買いたい会社があるのでソーシングをお願いしたい」といった具合に、“マッチング”を求めています。一方、FASに来られるお客さまの関心は、マッチングの後の“エグゼキューション”、すなわち実行を確実にしたいという点にあります。また、比較的大規模な案件はFASの方が多いですね。こうした違いを踏まえたうえで、ご自分のやりたい仕事を見極めて、ご判断いただくのがよろしいかと思います。

YHC堀江

案件化からやりたいかどうかというのも一つの決め手になるかもしれませんね。

荒井氏:ええ。ソーシング、マッチングの段階からやりたいかどうかということですね。仲介の場合、中堅中小規模のオーナー社長が相手となるケースが多いので、生きた経営に触れているという実感がほしいという方、強烈な個性を持った経営者と接することでビジネスパーソンとしての反射神経をトレーニングしたいという方には、おすすめかもしれませんね。

転職に営業経験は必要か?必要な勉強とは?

YHC堀江

次は、「営業経験のない方でも採用しているんですか」という質問をいただいているのですが、如何でしょうか。会計士のなかには監査業務しか経験したことがない方も多いと思いますが。

荒井氏:私自身も、取締役で営業トップの金田も営業経験ゼロからのスタートでした。個別的な判断になりますが、一にも二にも熱意でしょうね。

YHC堀江

M&Aの専門性を磨くために、社内では勉強会などを行われていらっしゃるのでしょうか。

荒井氏:社内研修は随時やっていますよ。それからテストも実施しています。合格すると社内システムにマークがつく仕組みなので、不合格になるとかなり恥ずかしいんですよ。ただし、M&A仲介の仕事は奥が深く、20年以上携わってきましたが、いまでも「これはどうすればいいんだろう」と迷うことがあります。難易度の高いM&A案件に悪戦苦闘しながら成長して頂ければと思います。

YHC堀江

最後に、「入社前に勉強しておいた方がいいことはありますか」という質問なのですが。

荒井氏:簿記検定は受けておいたほうがいいですね。当社では2級の取得を推奨しています。あとは色々な業種業界に興味を持って「この業界は動きがありそうだな」といった仮説を立てておく。こうしたトレーニングを積んでおくといいと思います。

YHC堀江

入社したらどの業界に営業をかけようかといった具合に、楽しみながら探しておけば入社後に役立つかもしれませんね。大前研一さんは電車に乗りながら常にフェルミ推定をしていたと聞きますが、M&Aコンサルタントならばマッチング先を常に考えておくと良いですね。

荒井氏:そう思います。世の中の見え方が変わりますし、何よりも楽しいですからね。

YHC堀江

本日はお忙しい中、ご登壇頂き本当にありがとうございました。ご視聴の皆さんもありがとうございました。

荒井氏:ありがとうございました。

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