コンサルタントの年収は、ほかの職種と比べて高いと言われていますが、実際にはどのくらいなのでしょうか?
この記事では、コンサルタントの年収について種類別・役職別に詳しく解説します。また、年収が高い理由や転職時に収入を上げるポイントも紹介。コンサルティング業界への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
まずコンサルタント業界とは?という部分から知りたい方は、以下の記事から業界の概要をご確認ください。
- コンサルタントの種類や役職による年収の差
- 上場企業におけるコンサルタントの年収
- コンサルタントの年収が高い背景
- コンサルタントに転職した際に、さらに高い年収を目指す方法
コンサルタントの年収
コンサルタントの年収は専門分野や企業の規模、経験年数などによって大きく異なります。ここでは、openworkのデータをもとに各分野のコンサルティングファームの年収を紹介します。
戦略系
戦略系コンサルタントは、企業の経営戦略や事業戦略の立案・実行をサポートする役割を担います。M&A戦略やグループ経営戦略、新規事業戦略など多岐にわたって手がけているのが特徴です。代表的な戦略系コンサルティングファームの年収は以下の通りです。
社名 | 平均年収 | 年収レンジ |
---|---|---|
マッキンゼー・アンド・カンパニー | 1,302万円 | 600万円~2,500万円 |
ボストン コンサルティング グループ | 1,513万円 | 400万円~3,500万円 |
ベイン・アンド・カンパニー | 1,236万円 | 500万円~3,000万円 |
業務・IT系
業務・IT系コンサルタントは、企業の業務プロセス改善やITシステムの導入・最適化を支援しています。扱うテーマはオペレーション改善やプロセス改善、システムの導入など多岐にわたります。代表的な業務・IT系コンサルティングファームの年収は以下の通りです。
社名 | 平均年収 | 年収レンジ |
---|---|---|
日本IBM | 913万円 | 340万円~3,400万円 |
KPMGコンサルティング | 913万円 | 500万円~2,200万円 |
PwCコンサルティング | 972万円 | 400万円~2,500万円 |
財務系(FAS)
財務系コンサルタントは、M&Aや企業の財務に関するコンサルティングなどを行います。FASは、ファイナンシャル・アドバイザリー・サービスの略です。代表的な財務系(FAS)コンサルティングファームの年収は以下の通りです。
社名 | 平均年収 | 年収レンジ |
---|---|---|
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー | 998万円 | 500万円~3,500万円 |
PwCアドバイザリー | 1,060万円 | 460万円~2,700万円 |
KPMG FAS | 1,230万円 | 400万円~3,200万円 |
人事系
人事系コンサルタントは、企業の人材戦略や組織設計、人事制度の見直し、研修プログラムの開発・実行などを行います。代表的な人事系コンサルティングファームの年収は以下の通りです。
社名 | 平均年収 | 年収レンジ |
---|---|---|
マーサージャパン | 950万円 | 450万円~1,500万円 |
コーチ・エィ | 800万円 | 450万円~1,000万円 |
コーン・フェリー・ジャパン | 1,066万円 | 600万円~2,750万円 |
再生系
再生系コンサルタントは、企業の経営再建や事業再生を専門とします。主に経営危機に陥った企業や業績が低迷している企業を対象に、その企業の再生を支援する役割を担っています。代表的な再生系コンサルティングファームの年収は以下の通りです。
社名 | 平均年収 | 年収レンジ |
---|---|---|
経営共創基盤 | 1,081万円 | 410万円~2,500万円 |
山田コンサルティンググループ | 644万円 | 200万円~1,200万円 |
フロンティア・マネジメント | 1,035万円 | 500万円~2,000万円 |
シンクタンク系
シンクタンク系コンサルタントは、政治経済や社会問題、科学技術などについて調査・分析し、政策提言を行います。代表的なシンクタンク系コンサルティングファームの年収は以下の通りです。
社名 | 平均年収 | 年収レンジ |
---|---|---|
野村総合研究所 | 983万円 | 326万円~2,300万円 |
日本総合研究所 | 703万円 | 350万円~3,200万円 |
三菱UFJリサーチ&コンサルティング | 916万円 | 420万円~2,000万円 |
総合系
総合系コンサルタントは、その名の通り総合的な支援を行います。戦略、業務、IT、財務、人事など多岐にわたるサービスを提供しています。代表的な総合系コンサルティングファームの年収は以下の通りです。
社名 | 平均年収 | 年収レンジ |
---|---|---|
デロイトトーマツコンサルティング | 957万円 | 400万円~2,500万円 |
アクセンチュア | 866万円 | 288万円~6,000万円 |
EYストラテジー・アンド・コンサルティング | 901万円 | 450万円~2,400万円 |
【役職別】コンサルタントの年収
コンサルタントの年収は役職によっても異なります。役職別の年収イメージは以下の通りです。
役職 | 年齢 | コンサル経験 | ベース年収 | 業績賞与 |
---|---|---|---|---|
アナリスト | 22~28歳 | 0~3年 | 500万~800万円 | 固定給の20% |
コンサルタント | 25~35歳 | 0~6年 | 900万~1300万円 | 固定給の20% |
マネージャー | 28~40歳 | 2~10年 | 1100万~2000万円 | 固定給の30% |
プリンシパル | 32~45歳 | 5~15年 | 1700万円~2500万円 | 固定給の30% |
パートナー | 35歳以上 | 7年以上 | 2500万円~ | 業績次第 |
上場企業のコンサルタントの年収ランキング
有価証券報告書のデータをもとに、上場しているコンサルティングファームの年収をランキング化しました。
順位 | 企業名 | 平均年収 |
---|---|---|
1 | ドリームインキュベータ | 約1,776万円 |
2 | フロンティア・マネジメント | 約1,268万円 |
3 | 野村総合研究所 | 約1,242万円 |
4 | ベイカレント・コンサルティング | 約1,176万円 |
5 | 三菱総合研究所 | 約1,103万円 |
6 | シグマクシス・ホールディングス | 約1,000万円 |
7 | 山田コンサルティンググループ | 約865万円 |
8 | 船井総合研究所 | 約669万円 |
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、日本の労働者全体における平均年収は約507万円です。上記いずれのコンサルティングファームも、日本全体の平均年収を大きく上回っており、1位のドリームインキュベータにおいては3倍以上です。
出典:
有価証券報告書
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
コンサルタントの年収が高い3つの理由
コンサルタントの年収が高い背景には、専門的な知識とスキルの価値、業務の複雑さ、および高い需要が関係しています。以下では、コンサルタントの年収が高い理由を3つに分けて詳しく解説します。
1.案件の単価が高いため
クライアントが抱える課題は企業の成長や戦略に直結する重要な問題が多く、解決には高い価値があります。そのため、コンサルティング案件の単価は非常に高額になる傾向に。特に戦略コンサルティングやM&Aコンサルティングのような高度な専門性が必要な案件では、1件あたりのコンサルフィーが数千万円から数億円に達することもあります。
この高額なコンサルフィーが、コンサルタントの高い年収を支える要因の一つです。高い単価の案件を多くこなすことで、コンサルタントの報酬は大幅に上昇します。
2.利益率が高いため
コンサルティング業界は、ほかの業界と比較して利益率が非常に高いことが特徴です。コンサルティング業務は主に知識やスキルに基づいて提供されるサービスであるため、物理的な製品を製造するための原材料費や製造コストが発生しません。その結果、収益に対するコストが低く、利益率が高くなるのです。
利益率が高いことで、社員に還元される給与やボーナスも相対的に高くなる傾向にあります。
3.高度な専門知識とスキルが必要なため
コンサルタントはクライアント企業の複雑な課題を解決するために、戦略立案や財務分析、リスク管理、データ分析など、多岐にわたる専門分野に精通している必要があります。このようなスキルセットを持つコンサルタントは需要が高く、それに見合った報酬が支払われます。
また、コンサルティング業界では継続的な学習とスキルの向上が求められるため、その努力に対する報酬として高い年収が支払われることも。このような高度な専門性が、コンサルタントが高い年収を得ている理由の一つです。
以下の記事では、コンサルタント業界の仕事内容について詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
コンサルタントに転職して年収を上げるには
コンサルタントに転職し、さらに高い年収を目指すためには、専門性の強化や適切な資格の取得、転職エージェントの活用が効果的です。以下で詳しく解説します。
特定の業界・分野に関する専門性を高めておく
コンサルティング業界では、特定の業界や分野に関する深い知識と経験が高く評価されます。たとえば、金融、IT、医療、製造などの業界に精通しているコンサルタントは、専門性の高さから高額な報酬を得ることができるでしょう。
転職前の業界・分野で経験を積みつつ、最新のトレンドや課題についての知識を深めることで、転職後の年収アップに繋がります。
コンサルティングに役立つ資格を取得する
未経験であっても、専門的な資格を取得していれば年収アップに繋がる可能性があります。たとえば、MBA(経営学修士)やPMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)、中小企業診断士、証券アナリストなどの資格は、コンサルティング業界で高く評価されます。
これらは、専門的な知識とスキルを証明できる資格です。転職時に有利になるうえ、より高い年収を期待できるでしょう。
コンサルティング業界の転職に強いエージェントを活用する
コンサルティング業界に特化した転職エージェントを活用することも、年収を上げるための有効な手段です。
コンサルティング業界に特化した転職エージェントは、業界の最新動向や企業のニーズを把握しており、求職者に最適な求人情報を提供しています。また、履歴書の作成や面接対策のほか条件交渉も行っているため、より良い条件で転職できる可能性が高くなります。
以下の記事では、コンサルタント業界への転職について詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
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