今回は、専門性・スキルアップのため事業会社の個人事業主から事業会社のCxOポジションへと転職されたD.Aさんにお話を伺いました。
D.Aさん(35)
事業会社の個人事業主から事業会社のCxOポジションに転職。
年収3,000万円→3,000万円に。
転職の目的は専門性・スキルアップ。
堀江 大介 |Daisuke Horie
野村證券、ITスタートアップ、コンサルティング業界専門の人材紹介会社を経て、ヤマトヒューマンキャピタル創業。これまで、同領域に200名以上の方を支援した実績をもつ。
事業承継問題の解決には投資資金に加え「経営人材」を輩出するエコシステムが必要であると考え、一般社団法人日本プロ経営者協会をPEファンドパートナーと共同で設立し、代表理事を務める。
仕事内容について
現在の業務内容を教えていただけますか。
現在の受託内容は大きく分けて3つあります。
まず1つ目はM&Aやジョイントベンチャーなどを最初の入り口の部分から支援しています。
そして2つ目が最もウエイトが大きいのですが、実際にM&Aやジョイントベンチャーが完了、もしくは頓挫した際のPMIと後処理、3つ目は簡単に言うとリストラです。この3つが主な業務です。
今回参画した企業では、採算事業の課題を抱えており、その点を専任でやらせていただいておりましたが、最近は目途が付いてきたので参画の頻度を減らしています。
経歴について
これまでのご経歴を教えてください。
大学卒業後、メガバンク系列のリース会社に入社し法人営業を経験した後、経営企画部でM&Aに携わり、それからは約5年弱はM&A関連の仕事をしてきました。
さらにM&Aの知見を極めるため、そして異なる刺激を求めて事業会社に転職し、海外に単身赴任をしました。そこではM&A自体というよりもPMIに係るリストラが主な業務で、この経験は非常に勉強になりましたし大きな糧となっています。
その後もM&Aという一貫性は持っておきたかったため、大手証券会社のM&AアドバイザリーとしてM&A戦略や潜在案件の提案を行いました。その後、元上司から上場企業である老舗メーカーの経営改革に参画してもらえないかと誘われました。
当時は転職して間もなかったので躊躇しましたが、これは一つのチャンスであると考え、転職ではなく思い切ってフリーランスという形で独立しました。
参画理由
当該企業に参画するという決断に至った理由を教えてください。
今までM&Aの仕事をしてきましたが、業種やスキルセットに偏りがあることに課題を感じていました。自分のキャリアや個人事業主としての幅を持たせるためには、今まで経験したことのない業種や仕事を経験しなければならないと考え、思い切って応募してみました。
仕事のやりがいについて
今のお仕事のやりがいを教えてください。
今まで経験してきた仕事とは業種から仕事内容まで全てが異なるので、ビジネスの進め方や意思決定のプロセスなど、多くの点において大きな刺激になっており、非常に良い経験となっています。
仕事の苦労する点
逆に苦労に感じる部分を教えてください。
他の仕事とのスケジュールの調整です。このご時世ですが、現場に行くことも多いので、時間調整や優先順位を自分の中でつけていくのに苦労します。もちろんそれぞれの会社が最優先だと考えてはおりますが、自分のキャパシティの中でどのようにしたら、よりお客様に期待される成果を作り上げるかという点が大変でした。
身につく能力
今まで多種多様なことを経験されてきましたが、それらを任せられる能力はどういった経験でつきましたか。
社会人をスタートした時点で大きな組織にいたことによって、様々な機能やシステムが備わっていて、あまり努力せずに多くのことができてしまいます。
それが2社目の事業会社に転職してからは、自分で考え自分で動かなければならないことが多く、それに気付くことができた点でも勉強になりました。
工夫した点
自身で工夫した点はありますか。
おそらく皆さんと少し異なってしまうのですが、私が今まで経験したM&Aは大型の案件もありましたが比較的小型の案件が多く、どうしても現場が中心でした。
帳票一つを突き詰める、詳細まで数字を揃えるなど、その現場の感覚が今の自分に最も役に立っていると考えています。
一つ一つ実直に自分の目で見て自分の手でやらないと気が済まないことが、いろんなお仕事を頂戴しているひとつの要因ではないかと思います。
ヤマトヒューマンキャピタルを利用して良かった点
ヤマトヒューマンキャピタルを利用してよかった点を教えてください。
最初は転職案件としてご紹介いただいたにもかかわらず、個人的なキャリアのことまで親身に相談に乗っていただき、最終的に私の叶えたい方向性に繋いでいただいたのが一番大きい理由です。
おそらく他のエージェントさんではここまで柔軟に対応してくださらなかったと思います。
キャリアプランについて
今後のキャリアプランや目標を教えてください。
現時点で2つ考えています。
一つはこのままプロとしてオールラウンドプレーヤーを目指していくこと。
もう一つは、チャンスがあれば今までの20年間で培った経験を活かしてプロの経営者になりたいと考えています。
若手へのメッセージ
プロフェッショナルなスペシャリティのある経歴や、多くの会社から求められるスキルセットを持ちたいという方は多いです。そんな若手へメッセージをお願いします。
繰り返しになりますが、出された資料や情報を鵜吞みにしないことが全てにおいて重要なことだと思います。
例えば資料を作成した方の思い込みや受け止め方で事実と異なる部分も出てきてしまうので、そこからただ一つのゴールへ導くのではなく、様々な可能性を考慮しつつ、なるべく多くの人のニーズを汲み、調整していく感覚で取り組むと仕事の仕方も変わると思います。
会社の置かれた環境や周りの置かれた環境など、全て総合的に考えて仕事に取り組むことが重要であるという事が今まで20年仕事をしてきて唯一言えることです。