
転職活動のひとつのトレンドとして「1day選考会」や「休日選考会」という言葉を目にする機会が増えてきました。
通常の選考プロセスとは異なり、土日祝日などのわずか1日で1次選考から最終面接まで完結するこの選考形式は、忙しい転職希望者にとって魅力的な選択肢となっています。
本記事では、1day選考会の基本から参加のメリット・デメリット、成功のための対策まで、1ヶ月に100名以上の1day選考会参加のサポートを行うヤマトヒューマンキャピタルが解説します。
監修者

ヤマトヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役
一般社団法人日本プロ経営者協会 代表理事
堀江 大介 | Daisuke Horie
野村證券、ITスタートアップ、コンサルティング業界専門の人材紹介会社を経て、ヤマトヒューマンキャピタル創業。
これまで、同領域に200名以上の方を支援した実績をもつ。
事業承継問題の解決には投資資金に加え「経営人材」を輩出するエコシステムが必要であると考え、一般社団法人日本プロ経営者協会をPEファンドパートナーと共同で設立し、代表理事を務める。
【書籍】
ポストコロナのキャリア戦略 経営×ファイナンス (ロギカ書房)
【保有資格】
・証券外務員一種
・FP(ファイナンシャルプランナー)2級
1day選考会とは
1day選考会とは、1次選考から最終面接までのすべての選考プロセスを1日で完結させる採用形式です。
通常であれば数週間から1ヶ月以上かかる選考が、わずか数時間で終了するため、「1日選考会」や「休日選考会」とも呼ばれています。
1day選考会の主な特徴
- 選考結果が早くわかる:企業によっては当日中に内定が出るケースもあります。
- 書類選考・適性検査は事前実施:参加前にWeb適性検査などを済ませる場合も多いです。
- 複数回の面接を1日で実施:一次面接から最終面接まで段階的に進行します。
- 土日開催が多い:現職で働きながら転職活動をする方に配慮した日程設定です。
1day選考会が増えている背景
現在、日本国内では慢性的な人手不足が深刻化しています。
優秀な人材は複数の企業から内定を得るケースが多く、企業側も選考スピードを上げて他社に先駆けて採用を決める必要があります。
また、働き方改革の推進により、転職希望者が平日に何度も面接のために休暇を取ることが難しくなっている現状も、1day選考会が注目される理由の一つです。
企業が1day選考会を開催する理由
優秀な人材を早期確保したい
通常の選考では、良い人材ほど他社からも早く内定が出てしまいます。
1day選考会は、企業が「この候補者を逃したくない」という強い採用意欲の表れです。
選考期間が短いほど、応募者の内定承諾率も上がる傾向があるため、企業にとって効率的な採用手法となっています。
採用コストと時間を削減できる
面接官の拘束時間や会議室の確保、日程調整にかかる工数など、採用活動には多くのコストがかかります。
1day選考会では、これらを1日に集約することで、大幅なコスト削減が可能になります。
1day選考会に参加するメリット
1. 転職活動期間を大幅に短縮できる
通常の選考では、書類選考から内定まで1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
1day選考会なら、最短で当日中に内定を獲得できる可能性があります。
早期に転職先を決めたい方や、退職時期が決まっている方にとって、この時間短縮は大きなメリットです。
2. 交通費と時間的コストを削減
何度も企業に足を運ぶ必要がないため、交通費や移動時間を大幅に削減できます。
特に遠方の企業への応募や、複数企業の選考を同時進行している場合、経済的・時間的メリットは非常に大きくなります。
企業によっては交通費を支給してくれるケースもあります。
3. 現職を続けながら効率的に転職活動
土日開催が多いため、平日は仕事で忙しい方でも参加しやすい形式です。
有給休暇を何度も取得する必要がないため、現職に影響を与えずに転職活動を進められます。
4. 企業の採用意欲が高く内定率が上がる
1day選考会を開催する企業は、積極的に人材を募集している傾向があります。
採用目標人数が設定されていることも多く、しっかりと準備をして臨めば、通常選考よりも内定を獲得しやすい可能性があります。
5. 企業の雰囲気を直接感じられる
1日で複数の社員や面接官と話す機会があるため、企業の雰囲気や社風を短時間で深く知ることができます。
オフィス訪問型の選考会なら、実際の職場環境も確認できます。
1day選考会のデメリットと注意点
1. 事前準備の時間が限られる
説明会の後すぐに選考が始まるため、当日の情報だけで判断しなければなりません。
企業研究や業界分析、志望動機の準備などは、事前にしっかりと行っておく必要があります。
2. 企業の実態を深く知る時間が少ない
通常の選考では、複数回の訪問を通じて企業文化や働き方の相性を確認できます。
しかし1day選考会では、限られた時間での判断となるため、入社後のミスマッチが起こりやすいリスクがあります。
3. 他社との比較検討が難しい
即日または数日以内に内定承諾の返答を求められることが多いため、複数企業を比較検討する時間が取れない可能性があります。
特に第一志望の企業が別にある場合は要注意です。
本命企業の選考を受ける前に、1day選考会で内定を承諾するかどうか判断を迫られる状況になりかねません。
4. 待ち時間が長くなる可能性
多くの応募者が同時に選考を受けるため、面接や適性検査の間に待ち時間が発生することがあります。
1日がかりのイベントになることも珍しくありません。
- 1day選考会前に一度面談を行い、企業との強い関係性を活かした独自情報を共有
- 事前面談時に、選考企業に特化した面接対策を実施
- 内定後の連絡や条件交渉などを間に立って行うため、企業と直接やりとりする必要なし
1day選考会の一般的な流れ

事前準備段階
- 応募・エントリー:企業の採用サイトや転職エージェント経由で申し込み
- 書類選考:履歴書・職務経歴書の提出
- 選考会参加の案内:通過者のみに日程と詳細が通知される
当日の流れ(一般的な例)
※企業によって流れは大きく異なります。事前に送られてくる案内を必ず確認しましょう。
遅刻は厳禁です。余裕を持って到着しましょう。
事業内容、企業理念、募集ポジション、働き方などの説明があります。質疑応答の時間も設けられることが多いです。
自己紹介、志望動機、職務経歴などについて質問されます。参加人数が多い場合は集団面接形式になることもあります。
企業によっては昼食が提供される場合もあります。
より具体的な業務内容やキャリアプラン、条件面の確認が行われます。
役員や部門責任者との面接。入社意思の確認や、より踏み込んだ質問がされます。
当日中に結果が伝えられる企業もあれば、後日連絡という場合もあります。
1day選考会で成功するための事前準備
1. 徹底的な企業研究
当日の説明会だけでは企業理解が不十分になりがちです。以下の情報を事前に調査しておきましょう。
- 企業の事業内容と業界でのポジション
- 企業理念とビジョン
- 主要な製品・サービス
- 競合企業との違い
- 最近のニュースやプレスリリース
- 企業の強みと課題
- 社員の口コミや評判
2. 自己分析と転職軸の明確化
1day選考会では即断即決が求められることもあります。自分の「これだけは譲れない」という転職の軸を明確にしておきましょう。
- なぜ転職するのか
- 何を実現したいのか
- 優先順位は何か(年収・やりがい・ワークライフバランスなど)
- 5年後、10年後のキャリアビジョン
3. 志望動機と自己PRの準備
限られた時間で効果的にアピールするため、以下を1分程度で話せるように準備しましょう。
- 自己紹介(経歴の要約)
- 志望動機(なぜこの企業なのか)
- 自己PR(自分の強みと実績)
- 転職理由(ポジティブな表現で)
4. 想定質問への回答準備
1day選考会でよく聞かれる質問への回答を準備しておきましょう。
- 自己紹介をお願いします
- 当社を志望した理由は何ですか
- これまでの職務経歴を教えてください
- あなたの強みと弱みは何ですか
- 転職を考えた理由を教えてください
- 入社後にやりたいことは何ですか
- 他社の選考状況を教えてください
- いつから勤務開始できますか
5. 逆質問の準備
面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれることがほとんどです。企業への関心の高さを示すチャンスですので、3~5個は質問を用意しておきましょう。
- 入社後の具体的な業務内容について
- チームの構成や雰囲気について
- キャリアパスや評価制度について
- 活躍している社員の共通点
- 今後の事業展開について
- ホームページに載っている基本情報
- 給与や休日など待遇面ばかり
- 調べればわかることや企業研究不足が露呈する質問
6. 服装と持ち物の確認
服装
- 特に指定がない場合はスーツが無難
- 「オフィスカジュアル可」の場合も、きちんとした印象の服装を
- 清潔感を最優先に
持ち物チェックリスト
- 履歴書・職務経歴書(複数部)
- 筆記用具(黒のボールペン、メモ帳)
- 印鑑
- 身分証明書
- 企業からの案内メールのコピー
- スケジュール帳
- 腕時計(スマホを見るのは印象が悪い)
- クリアファイル
7. 体調管理
1day選考会は長時間に及ぶため、体調管理が重要です。
- 前日は十分な睡眠を取る
- 朝食をしっかり食べる
- 疲労が蓄積しないよう、前日のスケジュールにも余裕を持つ
- 1day選考会前に一度面談を行い、企業との強い関係性を活かした独自情報を共有
- 事前面談時に、選考企業に特化した面接対策を実施
- 内定後の連絡や条件交渉などを間に立って行うため、企業と直接やりとりする必要なし
1day選考会当日の心構え
時間に余裕を持つ
遅刻は絶対に避けましょう。
交通機関の遅延も考慮して、30分前には会場近くに到着するのが理想です。
第一印象を大切に
受付から退出まで、すべてが選考の一部だと考えましょう。
待ち時間の態度や他の応募者との会話も見られている可能性があります。
複数の面接官に対応する準備
1日で複数の面接官と話すため、同じ質問をされることもあります。
一貫性を持ちつつ、毎回新鮮な気持ちで答えましょう。
集中力を保つ工夫
長時間の選考では集中力が途切れがちです。
緊張や疲れが積み重なると、後半の面接で本来の力を発揮できないこともあります。
- 待ち時間に軽くストレッチ
- 水分補給を忘れずに
- 深呼吸でリラックス
柔軟な対応を心がける
当日の流れが予定と変わることもあります。臨機応変に対応できる柔軟性も評価されます。
1day選考会に向いている人・向いていない人
向いている人
転職の軸が明確で決断が早い人
「年収600万円以上」「○○のスキルを磨ける環境」など、譲れない条件が明確で、その場で判断できる人は1day選考会に向いています。
現職が忙しく時間が取れない人
平日に何度も休みを取るのが難しい方にとって、1日で完結する選考は理想的です。
スピード重視で転職したい人
退職時期が決まっている、すぐに転職先を決めたいという方には最適な選考形式です。
コミュニケーション能力に自信がある人
短時間で自分をアピールできる、初対面でも話しやすい方は有利です。
向いていない人
じっくり企業を比較検討したい人
複数企業を時間をかけて比較したい方には、通常選考の方が適しています。
企業の雰囲気や人間関係を重視する人
職場の雰囲気や上司との相性を重視する方は、通常選考で何度か訪問した方が良いでしょう。
第一志望が別にある人
本命企業の選考前に1day選考会で内定が出ると、判断に迷うことになります。選考のタイミングを調整しましょう。
転職の方向性が定まっていない人
「とりあえず受けてみる」という姿勢では、準備不足で落ちる可能性が高くなります。
1day選考会を開催している主な業界・企業

IT・テクノロジー業界
新しい取り組みに積極的なIT企業やスタートアップでは、1day選考会の導入が進んでいます。エンジニア職、営業職、マーケティング職など幅広いポジションで実施されています。
コンサルティング業界
戦略コンサル、ITコンサル、総合コンサルなど、多くのコンサルティングファームが1day選考会を実施しています。ケース面接やグループディスカッションが含まれることが特徴です。
急成長業界
AI/DX領域やM&A仲介、SaaSなど、スピード感を重視する成長企業やベンチャー企業では、1day選考会を積極的に活用しています。
1day選考会後のフォロー
お礼メールは送るべき?
1day選考会後のお礼メールは、基本的には必須ではありません。ただし、面接で十分に伝えきれなかったことがある場合や、特に入社意欲を示したい場合は、簡潔なお礼メールを送ると良いでしょう。
- 選考会当日の夜または翌日までに送る
- 簡潔に(3~4段落程度)
- 感謝の気持ちと入社意欲を伝える
- 面接で印象に残ったことに触れる
内定後の返答期限
1day選考会では、内定後の返答期限が3日~1週間程度と短く設定されることが多いです。事前に以下を確認しておきましょう。
- 労働条件(給与、勤務時間、休日など)
- 入社日
- 配属先
- 研修制度
疑問点があれば、返答期限内に必ず確認しましょう。
まとめ:1day選考会を賢く活用しよう
1day選考会は、時間とコストを削減しながら効率的に転職活動を進められる画期的な選考形式です。
企業の採用意欲が高いため、しっかりと準備をすれば内定獲得のチャンスも広がります。
一方で、短期間での判断が求められるため、事前準備と自己分析が成功の鍵となります。
本記事で紹介したポイントを押さえて、1day選考会に臨んでください。
- 1day選考会前に一度面談を行い、企業との強い関係性を活かした独自情報を共有
- 事前面談時に、選考企業に特化した面接対策を実施
- 内定後の連絡や条件交渉などを間に立って行うため、企業と直接やりとりする必要なし
転職活動でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
経験豊富なキャリアアドバイザーが、あなたの転職成功を全力でサポートいたします。

