今回は、スキルアップをするため人材企業のIR担当からM&A仲介業者コンサルタントへと転職されたI.Kさんにお話を伺いました。
I.Kさん(29)
人材企業のIR担当からM&A仲介会社のコンサルタントに転職。
年収410万円→480万円に。
転職の目的は専門性・スキルアップ。
樋口 一成 | Kazunari Higuchi
野村證券にて、経営者・事業法人へのコンサルティング営業に従事。経営者とのコミュニケーションから、経営の悩みは資金面以上に人材面にあると感じたこと、また自分自身を含めキャリアに悩むビジネスパーソンが非常に増えていることを痛感したことがきっかけとなり、当社にジョイン。
仕事内容について
現在の仕事内容を教えてください。
M&A仲介において、譲渡を希望される企業様のソーシング・探索をしています。
インバウンド案件は少なく、DMやお電話で初回面談のオファーをしますが、弊社のWebからお問い合わせを頂くケースもあります。
訪問の予定が無い日は一日に60件から70件ほどお電話しますが、アポイントはそのうち1件入るか入らないかという程度です。
初回面談の際には、譲渡理由を必ずお伺いし、帰社してからどういったM&Aスキームで対応すれば良いかをディスカッションします。
その後、企業価値算定をしてご契約、売り手となる企業様の魅力をヒアリングし、買い手となるスポンサーを探すという流れですが、その後も買い手となる企業様との面談で売り手となる企業様のご紹介をするなど、クロージングまで関わることができます。
業務の遂行について
前職でご経験がある分野では業務を難なく遂行できましたか?
企業価値算定やエグゼキューションは前職のIR業務でも関わりがある分野でしたが、意外とできませんでした。
やはり理解していることと実際に行うことは別ですので、5ヶ月間ノウハウを実践してできるようになったと感じています。
現職では研修制度も整っていますが、本を読む、中小企業診断士の資格を取るなど、自分で勉強をしてキャッチアップするようにしています。
経歴と転職理由
これまでの経歴と、なぜM&A業界に転職しようと思ったか教えてください。
新卒で人材企業に入社し3年間営業を経験した後、4年目から経営企画ポジションに移動し、株主向け広報や決算発表の資料準備など、IR業務を2年半経験しました。
転職しようと決めた理由は経営を学びたいという理由です。前職の経営企画の仕事で経営者様と共同で業務を進めた際に、金融や経営について学ぶことができたので、M&A業界に転職できれば、より経営者様と密に仕事ができ、より多くの知識や考えやスキルを学ぶことができるだろうと考えました。
また、M&Aは会社を経営する上で重要な経営戦略の一つですので、それを身を持って体験できる点が魅力であると感じました。
生きた経験とやりがいについて
前職の経験で活きているポイントと現職でのやりがいを教えてください。
投資家との対話が多かったことは現職でも活きていると感じます。
ビジネスに関する質問から財務に関する質問まで幅広い質問に対応していた経験は、現職で経営者様と対話する際にも通じるものがあります。
やりがいであると感じる点は、日本全国の様々な業界の経営者様と出会い、密に仕事ができる点です。
先ほど転職理由でもお伝えした、今後活きるであろうM&Aや経営に付いて学ぶことができているという実感があります。
仕事の大変な点
現在の仕事の大変な点を教えてください。
大変だと感じる点は情報管理の徹底です。経営者様のお話しの一つ一つが秘密を厳守しなければならないインサイダー情報ですので、日々神経を使う必要があります。
身につく能力
現在の仕事で身に付く能力を教えてください。
定量的な面でお伝えすると、アカウンティング、ファイナンススキルなど、財務面や法務、税務の能力が身に付きます。
定性的な面では対話術です。経営者様との対話が多いので、コミュニケーション能力や交渉能力、業界知識が付きます。
M&Aは総合格闘技であるとよく言われますが、経営に対する知見も含めて全ての要素をバランスよく能力として身に付けることができると感じます。
ヤマトヒューマンキャピタルを利用して良かった点
ヤマトヒューマンキャピタルを利用して良かった点を教えて下さい。
2点あります。
担当の方がM&A業界に精通していた点です。
M&A業界に転職すると決めていたので、業界や各企業の情報を詳細に教えていただくことができました。
2点目はいつでも対応していただいた点です。面談やその他対応など、朝でも夜でも時間を調整して融通を利かせていただきました。
キャリアプランについて
今後のキャリアプランや目標を教えてください。
まず短期的には、現職で結果を残したいと考えています。その後は現在対応している承継型や成長型だけでなく、大型案件やクロスボーダー案件なども手掛けてM&Aを極めたいと考える一方で、最近ではM&Aの経験がある人材が企業のM&A担当のポジションに抜擢されるケースも増えていると聞いたので、事業会社でM&Aに携わりたいという気持ちもあります。
ただ、自分で会社経営をしたいと考えているので、そこにたどり着くことが最終的な目標です。
まだどのような事業を始めたいのかが見つかっていない状況ですので、多くの経営者様とお会いして幅広く知見を深めたいという思いもありますし、先ほどお話ししたとおり幅広い能力も身に付いている実感があるので、M&Aの仕事を続けていけば、この目標は達成できると思います。
M&A業界を目指す方へのメッセージ
最後にM&A業界を目指す方へメッセージをお願いします。
転職期間中はじっくりと自分と向き合い、何をしたいのか、そして今後どうしていきたいのかを考え、本当に転職するのか、M&A業界に転職するのか別の業界に転職するのか等考える必要があると思います。
私は前職と比較して、能力面でも今後のキャリアを考えても、M&A業界へ転職して良かったと入社1ヶ月目から感じました。この業界では、多くの経営者様から会社を運営するための重要なスキルを学ぶことができるので、特に私のように自身で起業したいと考えている方には是非挑戦していただきたいです。