IT業界は成長著しく、常に新しい技術やサービスが生まれています。IT業界に興味を持ち、未経験から転職を考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、IT業界の概要と転職市場を解説します。また、未経験者におすすめの職種や転職に役立つ資格、転職を成功させるためのポイントを詳しく解説しています。IT業界未経験の方も安心して転職活動をスタートできるよう情報をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
- IT業界における人手不足の現状と転職市場
- IT関連の職種とその仕事内容
- 未経験者が挑戦しやすいIT業界の職種
- 未経験者がIT業界への転職を成功させるコツとおすすめの資
未経験でも転職可能!IT業界の転職市場とは
未経験であっても、IT業界への転職のチャンスはあります。ここでは、IT業界の転職市場について解説します。
IT業界は人手不足に陥っている
IT業界は市場規模を拡大し続けている一方で、少子高齢化の影響もあって人手不足の状態に陥っています。
経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査」によると、2025年には36万人、2030年には45万人(最大で79万人)の人材不足が予想されています。
実際、日本人だけで人手不足を解消できず、外国人を雇用している状況です。厚生労働省の「外国人雇用状況の届出状況まとめ」によると、2023年には情報通信業で働く外国人労働者は85,401人でした。対前年増加率は12.4%で年々増加しており、今後も増えると予想されます。
IT業界の人材不足問題は、年々深刻化しています。そのため、職種はある程度限られますが、未経験であってもIT業界への転職のチャンスはあるでしょう。
出典:
経済産業省「IT人材需給に関する調査」
厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)
年代別IT業界への未経験転職の可能性
20代:ポテンシャル採用のチャンスがある
20代であれば、ポテンシャル採用を狙えます。
ポテンシャル採用とは、経験やスキルではなく、求職者の人柄や資質といった潜在能力を重視して採用を行うことです。
特に20代前半は社会人経験が少なく、特定の会社の社風に染まっていません。柔軟に変化に適応できることは、採用する企業にとって大きな魅力です。また、社会人経験は少ないながらも新卒とは異なるので、人材育成に係る手間やコストを削減できます。意欲が高く、伸びしろのある20代の採用は、企業にとって大きなメリットがあるのです。
30代:難易度は高いが経験を活かせる職種であれば◎
30代は一般的に中堅社員の立場であり、即戦力を期待されます。なかには、マネジメントスキルを求める企業もあるでしょう。そのため、未経験での転職は20代に比べて難しいのが現状です。
とはいえ、30代だからといって未経験での転職ができないわけではありません。IT業界は未経験であっても同職種であれば、これまでの経験やスキルを活かせるので転職できる可能性は十分にあります。
IT業界は主に5つに分類される
IT業界といってもサービスの幅が広く、主に5つの業界に分類されます。
- ハードウェア業界
- ソフトウェア業界
- インターネット・Web業界
- 情報処理サービス(SI)業界
- 通信業界
転職を希望している人のなかには、IT業界がどのようなサービスを提供しているか詳しく知らない人もいるでしょう。そこで、以下では5つの業界の特色と主な企業を解説します。
ハードウェア業界
ハードウェア業界は、コンピューターやスマートフォンなどのデバイスを製造しています。主な製品はパソコン、サーバー、ネットワーク機器、ストレージデバイスなどです。
ハードウェア業界の企業は、最新の技術を駆使して高性能な製品を開発し、企業や消費者のニーズに応えています。
企業例:Apple、SONY、Dell、HP、NEC、Lenovoなど
ソフトウェア業界
ソフトウェア業界は、コンピュータープログラムやアプリケーションの開発・販売を行っています。主な商品・サービスは、オペレーティングシステム(OS)、ビジネスアプリケーション、セキュリティソフトウェア、ゲームソフトウェアなどです。
ソフトウェア業界は日々進化するユーザーのニーズに対応しながら、より使いやすく効率的なソフトウェアの提供を行っています。
企業例:Microsoft、Adobe、Oracle、トレンドマイクロなど
インターネット・Web業界
インターネット・Web業界は、オンラインサービスやWebアプリケーションを提供しています。主なサービスは検索エンジン、ソーシャルメディア、電子商取引、クラウドサービスなどです。
インターネット・Web業界は、情報の収集や共有、ビジネスの効率化、コミュニケーションの促進に大きく貢献しています。
企業例:Google、Facebook、Yahoo、楽天、LINEなど
情報処理サービス(SI)業界
情報処理サービス(SI)業界は、企業や組織のITシステムの設計、開発、運用を支援しています。システムインテグレーション(SI)サービスを提供し、クライアントのニーズに合わせたITソリューションを構築します。
情報処理サービス(SI)業界の企業は、プロジェクトマネジメント、ソフトウェア開発、ネットワーク構築、データセンター運用など幅広いサービスを提供しています。
企業例:NTTデータ、富士通、日立製作所、NEC、野村総合研究所など
通信業界
通信業界は、情報を伝達するためのインフラを提供しています。固定電話、携帯電話、インターネット接続サービス、データ通信サービスなどが含まれます。
通信業界は、高速で安定した通信ネットワークを構築し、個人や企業のコミュニケーションを支えています。
企業例:NTT、ソフトバンク、KDDIなど
IT業界における主な職種と仕事内容
IT業界では多種多様な職種が活躍しています。以下は主な職種とその仕事内容です。
ITコンサルタント
企業や組織のIT戦略を立案し、効率的なシステムの導入や運用を支援するのがITコンサルタントです。クライアントのビジネス課題を解決するために、技術的なアドバイスを提供し、プロジェクトの成功に貢献しています。
ITコンサルタントについては以下の記事で詳しく紹介しています。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトの全体的な管理を担当しているのがプロジェクトマネージャーです。プロジェクトの計画立案や進捗管理、リソース配分、リスク管理などを行い、プロジェクトが予定通りに進行するように監督します。
プロジェクトリーダー
特定のプロジェクトチームを指導し、プロジェクトの目標達成に向けてメンバーを統率するのがプロジェクトリーダーです。具体的なタスクの割り当てや進捗確認、問題解決などを行い、プロジェクトマネージャーと協力してプロジェクトを成功に導きます。
Webデザイナー
ウェブサイトのデザインを担当しているのがWebデザイナーです。ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)を考慮しながら、視覚的に魅力的で使いやすいウェブサイトを作成します。グラフィックデザイン、レイアウト設計、色彩選定などが主な業務です。
Webディレクター
Webプロジェクト全体の企画・運営を担当するのが、Webディレクターです。クライアントの要求をもとにサイトの構成を決定し、デザインやコンテンツ制作の進行管理を行います。Webデザイナーや開発チームと連携し、プロジェクトの品質と納期を管理します。
営業
IT業界の営業は、自社のIT製品やサービスを企業や個人に提案・販売する役割を担います。顧客のニーズを理解し、最適なソリューションを提供するための提案書作成やプレゼンテーションの実施、交渉などが主な仕事です。
プログラマー
プログラマーは、ソフトウェアの設計・開発を行います。プログラミング言語を使用してコードを記述し、システムやアプリケーションの機能を実装。バグ修正やコードの最適化を行うのもプログラマーの役割です。
システムエンジニア
システムの設計・構築・運用を行うのが、システムエンジニアです。要件定義やシステム設計、プログラミング、テスト、運用管理などを行い、システムが安定して稼働するようにサポートします。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、サーバーの設計・構築・運用・保守を行います。サーバーのハードウェアおよびソフトウェアのインストール、設定、管理を行い、システムの安定稼働を維持するのが仕事です。
ネットワークエンジニア
ネットワークの設計・構築・運用・保守を行うのが、ネットワークエンジニアです。ネットワークの構成設計、ルーター・スイッチの設定、ネットワークトラフィックの監視・管理を行い、安全で効率的なネットワーク環境を提供しています。
セキュリティエンジニア
システムやネットワークのセキュリティを強化するための業務を担当するのが、セキュリティエンジニアです。セキュリティ対策の設計・実装、脆弱性の評価・修正、インシデント対応などを行い、情報資産を保護しています。
インフラエンジニア
ITインフラの設計・構築・運用を行うのが、インフラエンジニアです。サーバー、ストレージ、ネットワークなどのインフラストラクチャを整備し、システムの安定稼働を支えています。
ハードウェアエンジニア
コンピューターや電子機器のハードウェアの設計・開発を行うのが、ハードウェアエンジニアです。回路設計や部品選定、プロトタイプ製作、性能評価などを行い、高性能なデバイスの開発を実現しています。
組み込みエンジニア
ハードウェアを動かすソフトウェアの設計・開発を担当するのが、組み込みエンジニアです。マイクロコントローラやプロセッサにソフトウェアを組み込み、家電製品や自動車などに搭載されるシステムを開発しています。
テクニカルサポート
IT製品やシステムの利用者に対して技術的なサポートを行うのがテクニカルサポートです。トラブルシューティングやユーザー教育などを行い、利用者が製品やシステムを効果的に活用できるよう支援しています。
弊社ヤマトヒューマンキャピタルでは、IT業界への転職支援が可能です。同業界の未公開求人のご紹介や、業界未経験者の方へのアドバイスを含め、専門のアドバイザーがサポートさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
転職相談頂いた方にはメディア記事では書けない下記情報をお伝えします!
- 志望業界の非公開&未経験OKの求人をご紹介
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☆志望業界に直接転職できない方も、1社挟んで業界にたどり着ける最短ルートを伝授
\転職意思が固まる前の情報収集も歓迎/
未経験でも転職しやすいIT業界の職種
「未経験でも転職しやすいIT業界の職種」として、以下の4つが挙げられます。
- 営業
- 事務
- テクニカルサポート・ヘルプデスク
- プログラマー
これらの職種は未経験者が転職しやすく、IT業界でのキャリアの第一歩として適しています。以下では、それぞれの職種が未経験者に向いている理由を含めて説明します。
営業
IT業界では常に新しい製品やサービスが開発されています。そのため、それらを市場に広めるための営業職の需要は高い傾向にあります。
営業職ではITの専門知識以上に、顧客と良好な関係を築くためのコミュニケーション力や製品・サービスを売り込む営業力が重視されます。前職で営業経験や接客経験がある場合は、そのスキルを活かせるので未経験でも転職しやすいでしょう。
事務
事務職はどの業界でも共通するスキルが多いため、異業種からの転職でも比較的スムーズに業務に適応できます。ITに関する深い知識が必ずしも必要というわけではなく、基本的なPC操作やデータ入力、書類作成などの一般的なオフィススキルがあれば、転職は可能でしょう。
ヘルプデスク
ヘルプデスクは、主にユーザーのITに関する問題を解決する職種です。基本的なITの知識は必要ですが、それよりも利用者の問題を理解し、わかりやすく説明するコミュニケーション能力が重視されます。そのため、異業種でヘルプデスクの経験がある人はスキルを活かせるでしょう。
プログラマー
近年はプログラミングを学べるスクールやオンライン教材が充実しており、知識・技術を身につける機会が豊富にあります。基礎知識・スキルを習得すれば、未経験であっても転職は夢ではないでしょう。
また、IT業界では常に新しいソフトウェアやアプリケーションが開発されており、プログラマーの需要は増加し続けています。未経験者向けのポジションも多くあるため、チャレンジしやすいといえます。
IT業界未経験の方におすすめの転職に役立つ資格
IT業界未経験の方におすすめの転職に役立つ資格として、以下の3つが挙げられます。
ITパスポート
ITパスポートは、ITの基本知識を有していることを証明できる国家試験です。情報処理技術者試験の中で最も入門的なレベルで、ITの基礎理論、マネジメント、ストラテジ系の知識を問われます。
IT業界全体に必要な基礎知識を広くカバーでき、未経験者がITの基本を理解するのに最適な試験です。
出典:IPA独立行政法人 情報処理推進機構「ITパスポート試験」
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、情報処理技術者試験の中級レベルの国家試験です。プログラミングやデータベース、ネットワークなどの技術的な知識と、IT管理に関する知識が問われます。
ITパスポートよりもさらに専門的かつ技術的な知識が求められる試験です。エンジニアや開発職など、多様なIT業務に対応できる基礎的な力を証明できます。
出典:IPA独立行政法人 情報処理推進機構「基本情報技術者試験」
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)は、Microsoft Officeの各アプリケーション(Word、Excel、PowerPointなど)の利用スキルを証明する資格です。
Officeアプリケーションのスキルは、IT業界だけでなく、あらゆるビジネスシーンで必要とされます。比較的短期間で取得が可能なので未経験者でも挑戦しやすいうえ、取得すると実務で役立つスキルを証明できます。
未経験者がIT業界への転職を成功させるポイント
未経験でIT業界への転職を考えている方は、以下のポイントを押さえることでスムーズに転職活動を進められるでしょう。
- 転職に有利なIT関連の資格を取得する
- 未経験OKで教育体制が整っている企業を選ぶ
- 転職エージェントを活用する
以下で、それぞれのポイントについて詳しく説明します。
転職に有利なIT関連の資格を取得する
IT業界への転職を目指す場合、まずは基本的なIT知識を身につけることが重要です。
転職に有利な資格として、前述した「ITパスポート」「基本情報技術者試験」「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)」などが挙げられます。これらの資格を取得することで、未経験であってもITに関する基礎的な知識やスキルを証明可能です。なかでも、基本情報技術者試験はプログラミングやデータベース、ネットワークに関する知識を身につけることができるので、幅広い職種に対応できます。
未経験OKで教育体制が整っている企業を選ぶ
未経験者にとって、転職先の企業がどの程度の教育体制を整えているかは非常に重要です。
未経験OKの求人のなかでも、社内での研修プログラムやOJTが充実している企業を選びましょう。これにより、実務を通じてスキルを身につけることができ、IT業界でのキャリアをスムーズにスタートさせることができます。社員のスキルアップをサポートする企業文化があるかどうかも、転職先を選ぶ際にチェックしておきましょう。
転職エージェントを活用する
IT業界への転職を成功させるためには、転職エージェントの活用も効果的です。
転職エージェントは、求職者の希望や適性に合った求人を紹介するだけでなく、履歴書や職務経歴書の作成支援、面接対策なども行っています。未経験者がIT業界に挑戦する際のアドバイスやサポートを受けられるため、自分に適した企業を見つけやすくなります。エージェントを利用することで、転職活動を効率的に進め、成功率を高めることができるでしょう。
弊社ヤマトヒューマンキャピタルでは、IT業界への転職支援が可能です。同業界の未公開求人のご紹介や、業界未経験者の方へのアドバイスを含め、専門のアドバイザーがサポートさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
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