【M&A・ファンド業界のリアル】20代で年収1億円超は本当か?PEファンド・自己勘定投資・ロールアップM&Aのトッププレイヤーが明かす仕事内容と醍醐味

※本記事は2025年8月21日のキャリナー動画「【未経験も積極採用!】これを見れば日本一年収が高い職業「M&A仲介」に転職できます。」を記事化した内容となります。

「20代で年収1億円」「経営に関われる」と今絶大な人気を誇るM&A・ファンド業界。しかし、PEファンド・自己勘定投資・事業会社(ロールアップM&A)といった各業態の具体的な違いや日常業務の実態は、外部から見えにくいのが現状です。

本記事では、最前線で活躍する3社のトッププレイヤーをゲストに迎え、業界の仕組みから仕事のリアルな醍醐味まで、インタビュー対談形式でありのままにお届けします。

〈番組紹介〉
毎回、各業界に詳しい専門のヘッドハンターが講義
日本一わかりやすい業界解説番組「キャリナー大学」
第4回は「M&A仲介」
日本一年収が高い職業といわれている「M&A仲介」その報酬システムの裏側大公開!
そして、転職者必見!タイプ別におすすめの会社もご紹介します!

〈出演者〉
・中塚 庸仁(NYC株式会社 代表)
・和田 耕太郎(マラトンキャピタルパートナーズ 取締役)
・湯原 伸悟(forest株式会社 代表取締役CEO)
・瀧澤 真衣(ミス慶應2025 ファイナリスト)
・堀江 大介(ヤマトヒューマンキャピタル)

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各社のビジネスモデルと役割の違い

投資家から資金を集めて運用する「PEファンド」の仕組み

堀江大介:様々な業界の仕組みとリアルを学んでいくキャリナー大学。今回は実際に働いている人に聞くのが一番分かりやすいだろうということで、こちらの方々にお越しいただきました。マラトンキャピタルパートナーズの和田さん、NYCの中塚さん、forest株式会社の湯原さんです。皆さんよろしくお願いいたします!

一同:よろしくお願いします!

堀江大介:今回はM&A業界の具体的な仕事内容やリアルのところを聞いていきたいと思います。瀧澤さん、何か気になる質問はありますか?

瀧澤真衣(MC):はい!先ほど大まかな仕組みについては知ったのですが、具体的な仕事内容についてお伺いしたいです。皆さんがどんな仕事をされているのか、自己紹介と合わせて教えていただけますか?

和田耕太郎(マラトンキャピタル):改めまして、マラトンキャピタルパートナーズの和田と申します。私たちの会社は、いわゆるプライベートエクイティファンド(PEファンド)を運営している会社です。投資家からお金を預かり、そのお金を運用して増やしてお返しする仕事をしています。投資対象は「プライベートエクイティ」、つまり未上場企業です。未上場企業に投資して成長させるファンドなので、PEファンドと呼ばれています。

自社資金で投資を行う「自己勘定投資」の強みと特徴

堀江大介:PEファンドに対して、NYCの中塚さんはどんな違いがある投資会社なのか、分かりやすく教えていただけますか?

中塚庸仁(NYC):はい、NYC株式会社の中塚です。弊社も和田さんのところと同じように中小企業に投資をする会社なのですが、違いとしては投資家からお金を集めるかどうかにあります。和田さんのところは投資家からお金を集めてリターンをお返ししますが、我々の場合は投資家からお金を預からず、自分たちのお金(自己勘定)で投資をして、自分たちのためにリターンを出すという違いがあります。

堀江大介:自己勘定投資ですね。最近増えてきましたよね。なぜ増えているんですか?調達環境が良くなってきたからでしょうか?

中塚庸仁:調達環境が良くなったこともありますし、ファンドで疲れて……という場合もありますね(笑)。

堀江大介:ファンドレイズの難しさもありますよね。

中塚庸仁:はい。実際にファンドレイズができるかと言われたら難しくて、自己勘定でやるという人もやっぱりいます。

瀧澤真衣:ファンドレイズというのは何なんですか?

和田耕太郎:ファンドレイズとは、投資家からお金(ファンド)を集めることです。投資家に対して「こういうコンセプトで投資を行っていくので、ぜひ預けてください」と提案・営業活動を行います。過去の成績や「お預かりできればこれくらい増やしてお返しできます」という提案をしてお金を集める一連の活動をファンドレイズと言います。

M&Aを成長戦略として活用する「ロールアップ型事業会社」の狙い

堀江大介:そしてフォレストの湯原さんは、また少し毛色が違うカテゴリーですよね。ロールアップM&Aの会社に見えますが、いかがでしょうか?

湯原伸悟(フォレスト):僕らはM&Aや投資を事業戦略として使っている事業会社です。事業の大切な要素を見つける時にM&Aをしてグループになってもらい、みんなで持ち寄って伸ばしていくスタイルです。和田さんのところはプライベートエクイティの中の「バイアウト」と言って、会社を100%子会社化して経営し成長させていく。一方で、ベンチャーキャピタル(VC)は出来立ての若い会社に対して100%の株は取らず、数%〜数十%の株を取って資金を入れます。創業間もない会社はお金がないので外から入れてもらい、会社が成長した時にその価値が上がった分を売却や上場で回収するのがベンチャーキャピタルです。

プロの日常業務と買収・投資のリアル

案件の探し方から買収後の経営支援までのプロセス

堀江大介:皆さんが毎日何をしているのか、作業ベースだとどんなことをされているのでしょうか?和田さん、いかがですか?

和田耕太郎:まず投資先を探してくる必要があります。勝手に向こうから来ることはないので、M&A仲介会社さんや証券会社さんから紹介をもらいます。VCと少し違うのは、我々は基本的に株を100%買わせていただくので、リターンも取りますがリスクも全部請け負う点です。会社が潰れたら出したお金がゼロになってしまうので、しっかり調べる(デューデリジェンス)仕事をします。また、例えば5億円で買った会社を何もしなければ5億円のままなので、自分たちで経営支援をして10億円にして売却する活動もします。日常的には営業の打ち合わせやZoom、投資先の経営会議に1日中出ることもあります。

月1件から3ヶ月に1件まで――各社で異なる投資ペースと担当体制

堀江大介:今、マラトンさんの投資先は何社ですか?

和田耕太郎:今は37社です。それぞれの社員担当だと、1人当たり平均4〜5社を見ている形になります。投資ペースとしては毎月買収しています。

中塚庸仁:弊社の仕事もほぼ一緒ですね。投資ペースは2ヶ月に1回くらいです。PEファンドだと投資担当者がそのままバリューアップ(企業価値向上)活動に入り込んで時間を使いますが、うちの場合は投資担当が買った後、事業側の人たちが基本的に引き継ぐ形をとっています。

湯原伸悟:うちは社員が今50人ほどいますが、投資の仕事をしているのは3人くらいです。M&Aのペースは3ヶ月に1件ほどですね。僕の仕事のうちM&Aは2割程度で、7〜8割は「どういう組織を作るか」「みんながどう楽しくやりがいを持って仕事できるか」という組織づくりに時間を使っています。

和田耕太郎:ファンドによってもスタイルは違って、ソーシング・投資実行(エグゼキューション)のメンバーとバリューアップのメンバーが分かれているファンドもありますが、うちは一気通貫で担当者が1件ずつ全部見ていくスタイルです。

M&A・ファンド業務で「一番興奮する瞬間」とは?

イグジット(売却)で想定以上の結果が出た時のアドレナリン

堀江大介:この仕事で「一番興奮する時」はどこですか?

和田耕太郎:やっぱりイグジットして大きなリターンが出た時ですね。ファンドマネージャーという仕事をやる以上、一番のクライアントは投資家です。投資家に対して適切なリターンを返せた日は、良い成績が出せた瞬間です。自分への報酬も返ってきますしね。売却プロセスの中で、いろんな買いたい人たちが集まって入札してくれるのですが、その金額が想定より高かったりすると「よし!」と一番アドレナリンが出ます。

買収先の社長が再びワクワクを取り戻す「心の開通」

湯原伸悟:僕はM&Aをしてグループ会社になった後、経営者の方に残っていただくパターンが多いのですが、その方と一緒になって事業戦略を練って実行し、それが正解だった瞬間ですね。一緒になった経営者と新しいことをやって想定通りの成果が出た時、青臭いですけど本当に心が通じ合った瞬間は気持ちいいです。

中塚庸仁:買った後にお祝いで社長と会食に行くんです。普通なら引退モードになっているはずの社長が、うちの若いメンバー(平均年齢32歳くらい)と話しているうちにワクワクしてきて、「いや、ちょっともうちょっとやりたくなってきたな」と言ってくれた時ですね。そこは若さならではの面白さですし、やりがいを感じるシーンです。

和田耕太郎:100%オーナーとしてずっとプレッシャーを感じて来られた中で、株式としての肩の荷が下りて、「これだったらもっと自分の得意なところに集中してやったら面白いんじゃないか」と思っていただけることは結構ありますね。

M&A・ファンド業界の報酬体系と「キャリー」のリアル

成功報酬「キャリー」の仕組みと業態による還元方法の違い

堀江大介:ファンド、自己勘定投資、ロールアップM&Aの事業会社における報酬体系や稼ぎ方の違いはどう伝えたらいいですか?「キャリー」の違いについて教えてください。

和田耕太郎:まず「キャリー」とは成功報酬のことです。我々には当然固定給もありますが、投資がうまくいって何億円と儲かった際、その一部を成功報酬としてもらえる仕組みになっています。我々は投資家のお金を運用しているため、投資家からお預かりしたお金に対して一定のハードルを超えたところから「何%か成功報酬をもらう」という契約を投資家と結んでいます。

中塚庸仁:自己勘定の場合は、裁量を持って分配できるのかなと想像します。言ってみれば、我々の仕事はシンプルに「会社を買って売る」仕事です。50万円で買った会社を100万円で売ったら50万円儲かりますよね。和田さんの場合は買う時の50万円を人から集めているので、儲かったらリターンを返さなければいけない。我々は自分たちのお金で身銭を切ってやっているという違いです。

堀江大介:イグジットした時にキャリーのように出ると。forest株式会社さんの場合はいかがですか?

湯原伸悟:うちは上場した時のストックオプションですね。将来株に変わる権利を持っていて、上場などのタイミングで動きます。投資会社に比べると通常の報酬(固定給・賞与)は低いですが、事業会社なので上場してでっかい会社を作るぞという夢を追うビジネスです。

華やかさの裏にある「一番辛いこと・苦しい壁」

文化が異なる企業買収での人間関係と現場の抵抗

堀江大介:逆に、この仕事で一番辛いことや苦しいことはどういうところでしょうか?

和田耕太郎:これまで文化も育ってきた環境も全く違う会社を買う点ですね。特に人間関係で、新しい風が入る時の抵抗があったり、「それ嫌だ」と反発されたりします。人間関係の難しいところがこじれると本当に辛いです。

中塚庸仁:そこは3人とも共通ですね。我々が会社を買って新しい考えを浸透させようとすると、会社がすごく良くなる一方で、それを良く思わない人も一定数出てきます。そういった人たちと対応したり、お別れをしなければいけない局面は辛いです。

和田耕太郎:M&Aって上層部だけで決まるんですよ。従業員の方々には決まり切ってから発表になるので、「え?何が起きたの?」となりますし、「誰こいつら?」から始まります。だからこそ、どうコミュニケーションを取って本気の気持ちを伝え、仲良くなれるかという部分は毎回大変ですね。

未経験スタートで1,000万円+成功報酬1.5億円? 提示される年収のリアル

瀧澤真衣:平均年収についてお伺いしたいです!転職したら各社どのくらいもらえるのでしょうか?

和田耕太郎:固定給と成功報酬モデルに分かれています。未経験でうちに入ってきたら、とりあえず固定給として1000万円前後があります。そしてファンドの運用がうまくいった時の成功報酬が、トータル5〜6年かけてちょっとずつもらい続ける感じなのですが、そのトータル額がうちだと未経験で入って1億円〜1億5000万円くらいになります。

堀江大介:プロ野球選手みたいですよね。日本で最も年収が高い業界です。

和田耕太郎:そうですね。ただし、これはファンドがうまくいった前提です。失敗して投資家にリターンを返せなかったら成功報酬は0円になります。個人投資家(トレーダー)のように1人で稼ぐのではなく、チームみんなでリターンを出していく仕事です。大きいファンドだと1〜2年で1〜2件関わる程度ですが、うちのようなスモールキャップだと1〜2年で3〜4件のリーダーとしてクロージングまでやり切るので、経験がどんどん溜まり再現性に繋がっていきます。

湯原伸悟:事業会社側の投資業務で言うと、ある程度経験のある人(2〜3年経験)でベースが800万円前後くらいです。あとは業績連動と、上場時のストックオプションですね。社内にいろんな人がいて、人と触れ合いながら経営に関われる楽しさがあります。

堀江大介:M&A業界・投資会社の魅力は、成功したらめちゃくちゃ稼げる可能性があること、そして若いのに経営の意思決定に関われることですね。

M&Aの最大の魅力とは?

湯原伸悟:M&Aの仕事もできるし、事業会社の仕事にも深く関われる。

中塚庸仁:飽き性な人には向いている仕事だなと思います。いろんな業界に接することができるんですよね。アパレルや建築や動物病院なんてのもあります。本当にいろんな業界の経営に関与することができる。M&Aの仕事は面白い。

堀江大介:アドバイザーとしてではなく、自分で買って経営する面白さがあるっていうことなんですね。

なぜこの業界を選んだのか? トッププレイヤーのキャリア史

投資銀行・ファンドを経て事業会社へ向かった理由(湯原氏)

堀江大介:皆さん、なぜこの業界に転職してきたのでしょうか?まず湯原さんから伺えますか?

湯原伸悟:僕は大学に入った頃から「自分の腕で飯を食わなきゃいけない」と思って公認会計士を取りました。ただ起業するには特別な武器がなかったので、まずは修行しようと投資銀行に行きました。そこで色々な業界に触れる中で見つけたのが、今の事業会社×M&Aというスタイルです。

証券・GEキャピタルの売却劇を機にファンドへ(和田氏)

堀江大介:和田さんはなぜファンド業界へ?

和田耕太郎:私は新卒で野村證券に入り(堀江さんと一緒です)、2社目でGEキャピタルに入りました。ずっと金融業界にいる中で、最終キャリアとしてプライベートエクイティファンドに憧れがありました。GEキャピタル在籍時、当時のCEO(ジェフ・イメルト)が「全世界の金融部門を売却する」と発表し、そのダイナミックな世界を目の当たりにして「なんてすごい世界なんだ」と。その後、堀江さんにも相談させていただき、ご縁があってこの世界に飛び込みました。

大規模ベンチャー投資から地に足ついた中小企業投資へ(中塚氏)

中塚庸仁:僕の場合は行き当たりばったりで、目の前の機会に飛びついてきたキャリアです。新卒でソフトバンクに入り、国内外のベンチャー投資をやっていました。ベンチャー投資は壮大な夢があって大成功もあれば大外れもあります。それを見ているうちに「もう少し地に足のついたビジネスがしたい」と思い、正反対の中小企業投資の世界を志望して今に至ります。

活躍する人材の共通点と求める人物像

ハードスキルだけではない「好かれる力(チャーム)」と価値観

堀江大介:若手でファンド業界に入る時、スキルフィルターがあると思いますが、最終的に活躍しきる人にはどういう特徴がありますか?

和田耕太郎:業界ではよく「ハードスキル+チャーム」と言われますが、人に好かれる能力や、人に対して関心・興味を持てる力がある人ですね。

湯原伸悟:僕は「価値観」という言い方を面接でよくしますが、価値観が合っているかどうかが一番大きいです。部活の監督やキャプテンのように、チームを引っ張るリーダーシップが求められます。

未経験・20代〜30代から挑戦したい人へのメッセージ

堀江大介:キャリナーでは8月を投資会社集中月間として、スカウトを強化しています。最後に各社が求めている人物像を一言ずつお願いします!

和田耕太郎:私たちはスモールキャップPEファンドとして本気で成功したい方を求めています。素直で元気のある方であれば未経験でも大丈夫ですので、ぜひ挑戦してください!

中塚庸仁:弊社は自己勘定投資ですので、柔軟な中小企業経営ができます。「中小企業を良くしたい」という思いがあり、泥臭いことができる人を募集しています。

湯原伸悟:うちも投資担当や買収後のグループ会社経営に携わりたい若手を募集しています。20代・30代で10億〜20億円規模の会社経営ができるチャンスはそうありません。スタートアップの熱量で経営に挑戦したい方はぜひお越しください。

堀江大介:皆さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!

一同:ありがとうございました!

堀江大介:Go go go!

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