中小・中堅企業で求められるプロ経営者のリーダーシップ ~人を動かす本当の影響力~【イベントアーカイブ】

※こちらは2021年4月6日に視聴希望者限定で行われたイベントのアーカイブ記事です。

目次

リーダーシップといわれる能力は性格のような先天的特性なのか、はたまた身に着けるべきスキルなのか。

事業承継社長、中堅・中小企業におけるプロ経営者に求められるリーダーシップをテーマに、現在はYouTuberプロダクション事業を展開する株式会社VAZ代表取締役社長を務める小松裕介氏より「現場で使える」プロ経営者のリーダーシップについてお話しいただきました。

講師

現役プロ経営者 | 小松裕介氏
株式会社スーツ 代表取締役
株式会社VAZ  代表取締役社長

 2004年4月に、新卒で、映画「リング・らせん」や「アナザヘヴン」などを製作したオメガ・プロジェクト株式会社(JASDAQ上場企業、現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社)に入社。同社の社長室長・取締役として、M&A、投資先の企業価値向上や主要子会社の伊豆シャボテン公園グループの企業再生を行う。役員に就任して担当した会社がそれぞれ属する業界は、金融(FX、商品先物)、通信、システム、エンターテイメント、レジャー(ホテル、動植物園、テーマパーク、ダイビングセンター及びドライブイン)。
 2013年3月に、前述の上場企業のオメガ・プロジェクト株式会社(当時社名:ソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。
 2014年12月に経営コンサルティング会社の株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。
 2016年4月より、総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師登録。
 2019年6月より、国土交通省PPPサポーター。
 2020年10月より、YouTuberプロダクションの株式会社VAZの代表取締役社長に就任。

パネリスト

小野俊法氏
一般社団法人日本プロ経営者協会 代表理事
マラトンキャピタルパートナーズ(株) 代表取締役 共同パートナー

一兆円以上を運用するファンド運用会社にて約400億円程度の運用を担い独立、海外にてファンドマネジメント等を行う会社を設立(後に売却)。その後M&Aアドバイザリー業務経験を経て現職の出自となるバイアウトファンドであるACAに入社。過去の自身の投資も含め、中小企業のバイアウト投資を過去40件近く実行した経験を有し、現場経験を持つ個人におけるバイアウト投資としては日本でトップの経験数を誇る。投資の現場経験やM&Aアドバイザー経営者との関わりの中で、プロ経営者を輩出する仕組みの必要性を感じ、当協会設立に至る。

リーダーシップとは何か?

小野氏:日本プロ経営者協会の代表理事を務めている小野と申します。

今回私がプロ経営者の協会としてリーダーシップについてのイベントがしたかったのですが、実はここ最近「トップMBA」を出て、例えば某トップ外資系コンサルの戦略コンサル出身の方々がおそらく戦略的に正しいであろうことを投資先に行った結果、本当に会社がボロボロになった案件をいくつか見ております。

この事業承継の時代に、皆さんがこれからプロ経営者となった場合に同じ間違いを起こす方々が増えてくるだろうなと思いまして、今回こういったイベントを開催することになりました。

今回まずは事業承継における「一番必要なスキル」について、まずはお話ししたいと思います。

プロ経営者のスキルとして、4つのスキルがあると思っています。

ビジネススキル、財務スキル、業界経験・知見、そして4つ目の一番重要なスキルとしてリーダーシップがあります。

このリーダーシップがない人は、プロ経営者として会社には入っていけないと考えております。

「リーダーシップ」の定義として、「目標達成能力」集団維持能力」に分かれております。

目標達成能力は、「どれをすべきでどれを後回しにするべき(優先順位)」「適切な指示をし、評価をする」「正しい仕事に誘導する」などの能力が必要となります。

一方で集団維持能力とは、「人を引っ張る能力」となります。

人に見えているところでズルい事をしない、人間関係に関して好き嫌いで判断しない、チームの心境を理解するなどの能力となります。

リーダーシップとはこの2つの能力で出来ていると私は考えております。

中小企業の事業承継になぜリーダーシップが重要なのかというと、事業承継の背景はオーナー社長が高齢で引継ぎが必要なだけで、必ずしも事業再生が必要なわけではありません

これまで上手くいっていたという会社も存在するため、まずは現状維持だけでも最低限はしなければなりません。

そのため、まずは社員の信頼を勝ち得ないことには、自分がやりたい事もできなければ、現状維持さえもできません。

今日はその辺りを皆さんにわかっていただきたいなと思っております。

プロ経営者のスキルとして最も重要なスキルが「リーダーシップ」。
そのリーダーシップの定義は「目標達成能力」「集団維持能力」

YHC堀江

ここから小松さん、よろしくお願いします。

小松氏:「中小・中堅企業における『プロ経営者』のリーダーシップ」と題してお話しさせていただきます。

自己紹介ですが、私はちょっと変わった経歴になっていまして、新卒でホラー映画の「リング」や「らせん」を作っている上場会社の映画会社に入社しました。

ちょうど入社当時、映画業界全体が業績不振な時代で「会社がつぶれそうだ」ということで、私が入社した会社はなけなしのお金で投資事業を始めました。

お金がないので、投資先はボロボロな会社ばかり。私はそのボロボロの会社に、落下傘で1人ポーンと送り込まれて立て直しをするというのを、20代前半からひたすら繰り返すという、普通の人ではなかなかないような経験をさせていただきました。

伊豆シャボテン公園というレジャー施設の再生で行った「カピバラの露天風呂」施策などが、代表的な私のトラックレコードです。

その後、新卒で入った先ほどの上場会社の社長もやらせていただき、黒字化もさせて、そこからは株式会社スーツという経営コンサルタント会社を創業し、時価総額100億円以下の中小・中堅企業やベンチャー企業に対してハンズオンでバリューアップをする仕事をやらせていただいています。

2020年の10月から、YouTuberプロダクションの「VAZ」という、業界内では大手に位置するYouTuberプロダクションのバリューアップを、プロ経営者という立ち位置でやらせていただいています。

今回は、これからプロ経営者というキャリアを歩まれる方向けに、お話をさせていただこうと思っています。

一番お話ししたいことは「社長という肩書があれど、社長ではない」ここがポイントだと思っています。

普通に大企業で働いていると、肩書があれば人が動きます。

ただ急に落下傘で、その会社にポーンと1人で乗り込んで行って、みんなが言うことを聞いてくれるかというとなかなか聞いてくれません。

実際、最初に従業員の皆さんからどういうふうに見られるかと言うと、「お手並み拝見」です。

皆さんも普通にサラリーマンをやっていたら、新しく上司が来た場合に「どんな人なのかな?」「仕事はできるのかな?」って思いますよね。これが社長であればなおのことです。

この最初の時期に、小さな成功、ヒットを重ねないと、部下は言うことを聞かなくなります

いきなりぶん回してホームランを狙ってとなれば、当たり前ですが、どんなに優秀な人でも三振する可能性もあるわけです。

そこでもし失敗でもしようものなら「新しい社長、駄目なんじゃないの?」という社内の雰囲気になります。

そのため、やはり最初のうちはどれだけヒットを積み重ねるかが求められており、「なんだ、こいつちゃんとやってるじゃん」「この人について行ったら将来俺らも安泰だよね」という信頼関係の構築が求められます。

あと「社長の指示でも、人は動かない」というところですね。

この後もお話ししますが、地位や肩書が関係ない世界がリーダーシップです。

正しいことを言って、これが世のため人のためになり、会社のためになり、それで相対する「フォロワー(リーダーについて来てくれる人たち)」が、「そうだな、これは本当にやらなきゃいけないな」と心から思わなければ人は動きません。

新社長から指示が来たけど、「なんかコイツいけ好かない奴だから、指示を放置しようかな」と指示を受けてもやらない、放置する。

多くの場合、社員は、面と向かって新しい上司に逆らいはしませんが、納得度や信頼度が低いと仕事をやらないで放置して先延ばししてきます。

このような光景は様々な会社で見てきていて、どれだけ正しい指示を明確に出すのか、もっと言うと、ぐうの音も出ないぐらい正しい指示を出して、それで「一緒にやろうよ」と言わないと人は動きません。

今回はリーダーシップがテーマになっておりますので、「リーダーシップとは何か」という話を少しここでしておきたいと思います。

まず、「リーダーシップはスキルである」と言われており、後天的にも身に付けることができると言われています。

今回かいつまんで5つ、「リーダーシップとは」についてご説明します。

まず1番目に、リーダーはパワー、地位や権力で動かすのではなく、夢や共感などの影響力によって、従業員が自ら「俺も動きたい」「私も手伝いたい」と思うように導くこと

次に、「リーダーは目標を達成し成果を出すために、お金、地位、マネジメントスキルや、人間臭い現実的な問題と真摯に対峙すること。

人間臭い現実的な問題ですが、例えばお金の問題や部下の出世争い、創業者の方が引退したにもかかわらず「もう1回後継社長を差し置いて、経営に口出ししたい」と言ってくることもあるかもしれません。

リーダーはそういったドロドロした人間臭いところに真摯に向き合わなければいけません。

3番目は、「リーダーは目標のために、最も良い選択肢を選ぶ」こと。

「目標のために一番良い選択肢はなんだろう?」ということを考えて、時には部下にトップの座を譲るというのも含めて、みんなのために何ができるかを考えるのがリーダーシップです。

4番目は、「リーダーはフォロワーを信じ、支えて、成長させる」こと。

やはりリーダーっていうのは、フォロワーがいるからリーダーなんです。

そのフォロワーの人たちをどんなふうに信じて、支えて、成長させるか。これがまさにリーダーシップです。

5番目は、「リーダーの意思が伝わった結果、フォロワーがいる」こと。これは1~4番目の結果となります。

~リーダーシップにおける5つの要素~
①リーダーはパワー、地位や権力で動かすのではなく、夢や共感などの影響力によって、従業員が自ら「俺も動きたい」「私も手伝いたい」と思うように導くこと
②「リーダーは目標を達成し成果を出すために、お金、地位、マネジメントスキルや、人間臭い現実的な問題と真摯に対峙する」こと
リーダーは目標のために、最も良い選択肢を選ぶ」こと
リーダーはフォロワーを信じ、支えて、成長させる」こと
「リーダーの意思が伝わった結果、フォロワーがいる」こと

YHC堀江

「最初はホームランではなくヒットを狙うことが大事」だというお話があったと思うんですが、ヒットを打ちやすい課題とか、ヒットを打ちやすいテーマって、小松さんの中で何かありますか?

小松氏:やはり手堅くコスト削減など、確実に勝てる経営のテーマから入っていますね。

例えばオペレーションの改善が、非常に経営的なインパクトがあるとはいえ、オペレーションを変えるのってそこそこ社員に負荷が掛かるので、抵抗にあって上手くいかない可能性があるんですね。

そのためなるべく軽いテーマで絶対成功するところからやっていきますね。

先ほどシャボテン公園のカピバラの露天風呂の話をさせてもらいましたが、実を言うとあれは仕掛けやすいテーマだったんです。

PRを行って、メディアリレーションズをして、カピバラをスターにして人を呼ぶという施策だったんですが、実を言うと広報部の数名はメディア対応で忙しかったのですが、動物園の多くの現場スタッフには負荷があんまり掛からないテーマでした。

メディアへの露出が増えた結果、お客様がたくさん来るとなれば、現場スタッフをはじめみんなのテンションが上がって「新しい経営者はすごいお客様を呼べるんだな」となって、信頼が高まるというグッドサイクルを作っていきました。

基本はコスト削減など、合理化するところなど確実に勝てるところから入っていって、売上を増やす部分でもほぼ堅いだろうというところから着手します。

大企業と中小・中堅企業の違い

小松氏:今回、「中小・中堅企業」とタイトルに入れていますので、大企業と中小・中堅企業の違いに関しても、少しだけ言及したいと思っています。

基本的に中小・中堅企業と比較して大企業の方々はマネジメントスキル全般が高いと思っています。

また、中小・中堅企業の場合はマネジメントシステムが脆弱です。

社員数が30人程度の会社だと、本来やるべき業務が一切できていない場合まであって、社長が「ちょっとお前これやってくれよ」と伝えると、このコミュニケーションだけで利益が出る会社に生まれ変わる場合もあります。

そのため、大企業の人からすると今の会社にあるのが当たり前のマネジメントシステムの整備からやらなければならない場合も多いでしょう。

決めごとがないということは、誰かがリーダーシップを発揮して、部署間のすき間に落ちてしまっている仕事を拾わなければなりません。

また中小・中堅企業だと、社内に適切なリソースがないために、社外にリソースを獲得しにいかなければならないこともあります

例えば「エンジニアがいない、でも1人ぐらい置かなければいけないよね」というシーンや、「社内にマーケティングに詳しい人がいないから、外注で出さなければいけない」などというシーンが発生します。

そのときに自ら率先垂範して外に打って出て、社外に人脈・ネットワークを作るということまでが、リーダーシップとして求められます。

YHC堀江

中小企業だと高卒や中卒の方など、大企業の経歴的なエリートの方と比較すると考え方とか意思のレベルが異なって、意思疎通が難しい状況があるとお聞きしますが、実際そのような場合にはどのようなコミュニケーションを取るのか、小松さんはどうお考えですか?

小松氏:役職に紐づく権限・権力はまず使ってはいけません。

あとは1人の人間としてお互いが真摯に向き合って話をするしかないんですが、小手先のテクニックを紹介すると、大会社の感覚で、カタガナの専門用語を使わないことが大事です。

なるべく簡単な言葉で話して、あとは繰り返し繰り返し、何十回、何百回、何千回と同じ話をします。

それが結局情熱でありリーダーシップなのです。

コミュニケーションも、膝を突き合わせてできるかどうかです。

もし相手が話の中身をすぐに理解してくれなくても、「社長は本気で向き合ってくれているんだ」くらいは絶対伝わりますからね。

中小・中堅企業における経営者のリーダーシップ

小松氏:事業承継で落下傘で皆さんがプロ経営者として入ったときに、一番大事なことは「影響力」ですね。

私の周りにはプロ経営者として企業に入る友人がたくさんいるのですが、やはりプロ経営者として行き着く答えとして、「やわやわと静かに入って行って、信頼を勝ち得て、とにかく負けない戦いをするっていうのが大事だよね」という話をよくしています。

それをやらないと信頼が積み重なりません。

長い間時間をかけて「ミスのない奴だ」と思ってもらうと、「コイツはリーダーとして、後ろについて行くに値するな」「信頼するに値するな」というように思われます。

そのため、先ほどのとおり、とにかく最初はヒットを打ち続けることが大事になります。

次に、「全ての人と対等な関係を築くことができるか」という点も大事です。

リーダーシップに、地位や立場は関係ありません。ちゃんと対等な関係を築くというのが非常に大事になります。

あとは「今までの会社の歴史とスタッフを尊重できるか」

皆さんがプロ経営者としてその会社に入るときに、30年~50年の歴史のある会社を引き継ぐこともあるでしょう。

そういった過去の歴史や、スタッフの皆さんを尊敬しなければなりませんし、尊重しなければなりません。

もし皆さんが逆の立場だったら、急にポッと出のあんちゃんが来て、「俺社長です」って言われたら嫌ですよね。

やはりスタッフの方からすれば、「俺らが今までこんだけ頑張ってきてたところに、今たまたま、社長としてあんたが乗ってるんじゃないか」っていう気持ちがあるわけですから、そういった気持ちもちゃんと考え、会社の歴史やスタッフをちゃんと尊重できるかということが大事だと思っています。

2番目が、「やり方」ではなく「あり方」です。

先ほど「リーダーシップっていうのは、後天的にも身に付けることができるスキルだ」という話をさせていただきましたが、スキルと言えど、小手先のテクニックではありません。

結局リーダーの全人格的なところがフォロワーから見られていまして、やはり「あり方」なんですね。

「社長の肩書がなくても、人が動かせるかどうか」というのを、是非考えていただきたいです。

自分が社長という肩書を持って指示を出すとき、「もし、この肩書がなくても、この人たちって共感して動いてくれるかな」「自分のために動いてくれるかな」「会社のために動いてくれるかな」というのを、是非考えてもらいたいと思います。

それができないと、やっぱり会社はおかしくなっちゃうんですね。社長の肩書がなくても人を動かせるかどうかっていうのは、チェックポイントになります。

最後に、「全てのステークホルダーを、フォロワーとし、導けるか」

皆さんは社長として会社に入って行きますので、やっぱり「みんなの夢を描けるかどうか」っていうのは大事です。

これが「前任者を否定しろ」みたいなことを時々言う方がいますが、新しい夢を描くというのは、必ずしも過去とか今を否定するということではありません。

過去や現在を正しく捉えた上で、なおかつ、「みんなが共感できるような夢を描けるか」ということが大事になります。

そしてその夢に向かって、新しく来たプロ経営者の人は、「泥臭く、俺らと本当に膝を突き合わせて話をしているか」、取引先に出向いて「一緒にこういうことをやりたいんだ」と言えているか、「その夢に多くの人を巻き込むことができているか」ということが問われます。

株主、金融機関など立場の強い上の人だけを見て経営するのも間違っていますが、一方で、部下だけを見て、社内だけを見て経営するのも間違っています。

もしかすると会社によっては、取引先っていうのが非常に重要なステークホルダーの場合もありますし、地元というところがステークホルダーとして重要な場合もあります。

なので、全てのステークホルダーに対して、感動させて、夢を描いて、導くというのがリーダーがやらなければいけないことです。

僕は皆さんがプロ経営者になるというのを期待しているとともに、プロフェッショナルのリーダーになってもらいたい。

本当に中小・中堅の会社のバリューアップができる人とは、そういった人だと思っていますね。

~プロ経営者として大事にするべき3つのポイント~
「影響力」
「やり方」ではなく「あり方」
「全てのステークホルダーを、フォロワーとし、導けるか」

どのようにしたらプロ経営者の道が開けるのか

YHC堀江

どのようにしたらプロ経営者の道が開けるのかという質問がきています。

プロ経営者の採用支援を行う中で、プロ経営者の道はパターンとしては、PEファンドだったり個人のお金持ちのオーナーからの依頼、株主兼オーナー経営者の方からの依頼で、投資先だったり自分が保有している会社の経営を、「誰かやってくれる人はいないか」という相談が結構ありますので、ここからプロ経営者のキャリアをスタートするケースが多い気がします。

この観点では小松さん、小野さんいかがですかね?

小野氏:私の方から先に話しますと、ちょっと抽象的な表現になるかもしれないですけど、例えば大企業にいる方であれば、できればどんな小さい会社でも子会社でもいいので、自分が相対的に上のポジションに行けるところに、できるだけ行くことが大事ですね。

大企業で、例えば商社の方でも、子会社に出向に行った人と、ずっと中でトレーディングをやっていた人であれば当然ですが、子会社に出向行って潰れそうな子会社をゴチャゴチャやってきた人の方が、当然頼りになるだろうなと思います。

正直戦略コンサルだけの人はちょっと厳しいんじゃないかなと思っています。

現場のことをわかってない、どれだけ現場がグチャグチャになっているか、人を動かすっていうところがどうなっているかなど、少なくとも傍で見えないところに戦略の人だと入れてしまうことになるので、最初にもお伝えしましたが戦略の方が100人の社員の前で上から、「こうして変えるから、この方が良いから、こう変えますよ」みたいなことを言うのがリーダーシップではなくて、例えば少なくとも「全員とサシで飯を食う」、全員の名前を覚えるのは当然のことながら、「必ず全員とサシで話をする機会を作る」とかっていうようなことを意識してやった方がいいんじゃないかなって思っております。

YHC堀江

小松さん、付け加えられることありますか?

小松氏:今回はリーダーシップがテーマなのでそれの絡みで言うと、結局勉強することも含めて僕はリーダーシップだと思っているんですよ

今の世の中って本であったり、インターネットであったり、あとは東京であれば専門家に話を聞くのって、皆さんの学歴や人脈なら、1本電話することが可能なわけですよね。

メールを送付し「会いたい」「教えて欲しい」というのもできますし、そういうのも含めてプロ経営者への道っていうのは、さっき僕は「リーダーシップはやり方ではなくてあり方ですよ」という話をしましたけど、全人格的に磨いていくっていうことだと思いますね。

あんまりセコいことを言わずに、世のため人のため、会社のため、そういった目線で働くと、次のチャンスが回って来ますし、プロ経営者への道というのも開けるのではないかなとは思いますね。

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