今回は、起業・独立を目指してメーカーの経営企画からメガベンチャーの経営企画へと転職されたA.Yさんにお話を伺いました。
A.Yさん(41)
メーカーの経営企画からメガベンチャーの経営企画に転職。
年収1,000万円→1,100万円に。
転職の目的は独立・起業を目指して。
堀江 大介 |Daisuke Horie
野村證券、ITスタートアップ、コンサルティング業界専門の人材紹介会社を経て、ヤマトヒューマンキャピタル創業。これまで、同領域に200名以上の方を支援した実績をもつ。
事業承継問題の解決には投資資金に加え「経営人材」を輩出するエコシステムが必要であると考え、一般社団法人日本プロ経営者協会をPEファンドパートナーと共同で設立し、代表理事を務める。
経歴と転職理由
これまでのご経歴と、転職までの流れについて教えてください。
新卒で入社した建材メーカーの研究部門において10年過ごした後に、新規事業開発に2年従事しました。
新規事業開発では主に、アクセラレーター(事業を支援し加速させる)プログラムの企画や社内事業のカーブアウト(特定事業を分離し独立させる)案件などを手がけました。その後、介護部門の事業に出向して事業再生および売却に携わりました。
現在の会社では過去の経験を生かし、新規事業の立ちあげについて、経営面や組織作りから支援することを主な業務としています。さらに社内で「BizDev人材」を発掘するプログラムの企画推進も行っています。ベルが2人から3人付き進めています。
仕事の面白さやりがいについて
現在の仕事で面白さ、やり甲斐はどのようなところにありますか。
ちょうど入社から4カ月ほどが経ちました。
そもそも当社はスピード感があり、事業の成長や成果を出すことに純粋で前向きな会社です。何をしていても面白くやりがいがあると感じています。
業務については、新規事業の立ち上げ支援を行っており、新規事業や投資先にハンズオン(経営先への深い関与)という形で支援していくことが特徴。新しいモノを生み出すプロセスに関わることができ、新規事業についても、初期段階から支援先と二人三脚で歩みつつ、成長のお手伝いをさせて頂く。
こうしたところが、とてもやり甲斐を感じているところです。私自身は現在、オンラインイベント事業の立ち上げに携わっています。
仕事の大変な点
今の仕事でここは大変だ、と思われるところは。
社内の人的ネットワークが、まだ構築途上にあるというところでしょうか。ただし、周りの方々からはフラットに接して頂いており、人的なつながりの少なさは、そこまで大きな問題となっている訳ではありません。
当社はとてもフランクに話せる社員が多いため、人づてに分からないことを聞いていくことによって、スムーズに仕事を進めることができると言えます。
勉強すべき点
これから勉強しなければいけない、という部分はありますか。
入社してからは、日々ひたすら勉強をしているという生活を送っております。
当社の場合は関わる事業分野が多岐にわたるため、幅広い情報や知識が求められます。例えば、一般的なビジネス知識だけではなく、アニメや芸能関係などに関する知識も必要になってきます。最近話題のアイドルや商品について、そもそも「今、なぜこれが売れているのだろうか」といったことを真剣に考えることが多くなりました。
日頃から、テレビやネットなど幅広い情報媒体に触れ、アンテナをはって情報の感度を研ぎ澄ませていく必要があると考えています。
ヤマトヒューマンキャピタルを利用して良かった点
ヤマトヒューマンキャピタル利用されてみて、良かったという点があれば教えてください。
一番印象に残ったのが初回の面談ですね。
ヤマトヒューマンキャピタルさまにはその場で直接、候補先の企業さまを一緒に探して頂いたと記憶しています。
自分では想像もつかないような会社をご提案頂きました。そこは、相談をしてみて良かったと思った点でもあります。
あとは御社からのレスポンスが、とても早かったですね。
キャリアプランについて
ご自身のキャリアプランのイメージはありますか。
将来的には自分自身で経営をしたいと考えています。具体的なプランとしては、自らM&Aによって会社を買収する、あるいは自分で一から創業するといった方法が考えられます。
当社で今経験していることは、起業にも役立つだと感じています。伝統的な企業で働いていたとすれば、今の仕事の延長線上として、経営者になることは難しいでしょう。
経営層や新規事業開発を目指す方へのメッセージ
経営層を目指したり、新規事業開発に挑戦したりする方に向けて、アドバイスやメッセージはありますか。
アドバイスとしては、皆さんの素晴らしい経験だけでなく、具体的な成果を分かりやすく伝えることはとても大事だと思います。せっかく素晴らしい経歴をお持ちのはずなのに、何を実行したのかを具体的に示さなければ、相手には伝わりません。採用企業の担当者は、新しいことに挑戦する意欲のある人を見極める場合に、過去の実績について「その人なりのロジックや型があるかどうか」に着目していると感じています。
また、当社に限らず他社も同様であると思いますが、最初の3カ月が勝負でしょう。転職直後は目立ちますから。誰かが入社した直後には、新入社員がどういう人間なのかが社内で話題になりがちです。実際、当社においても「最近入ったあの人はどう?」と聞かれることがあります。そこで「あの人はいいよ」と言われるために、どう振る舞うかを入社1日目から考えておいた方が良いと思います。
私の場合は、新型コロナウイルス感染症の影響により、入社して3日で突如リモート勤務になりました。これまでコミュニケーションの積み上げがないため、待ちの姿勢になってしまったことがありました。
そこで、「これではいかん」と思い直し、この先1カ月の働き方のスタンスを文書に落としました。「こういうアウトプットを出す」と具体的に決めたため、転職直後のフルリモート状態でも、心が楽になったという経験があります。
会社の働きやすさ
会社の働きやすさについてはどう感じていますか。
当社は事業成長に純粋にフォーカスするカルチャーが醸成されているため、非常に働きやすいと感じています。伝統的な会社のように、様々な人や組織の思惑といったものが、当社では限りなく少ないと感じています。
大企業に限らず、中小企業でも同様であると思うのですが、どうしても誰かの思惑が働くような場面でも、当社ではよけいな思惑や経営層に対する忖度(そんたく)が、限りなくゼロに近いと感じています。社内政治的なものに振り回されることがない点は、非常にプラスだと思います。