就職や転職する際、簿記2級の資格を考えている方もいるでしょう。
簿記2級の資格は経理のスキルを図る基準であると同時に、会社の健康状態を知るためのスキルでもあり、採用の際に有利になる可能性があります。
本記事では、簿記2級の資格取得で就職・転職にどのような影響があるのかを紹介します。
- 簿記2級が就職・転職に有利な理由
- 簿記2級がキャリアや給与に与える影響
- 簿記2級の内容
- 簿記2級の求人例や仕事内容
監修者
ヤマトヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役
一般社団法人日本プロ経営者協会 代表理事
堀江 大介 | Daisuke Horie
野村證券、ITスタートアップ、コンサルティング業界専門の人材紹介会社を経て、ヤマトヒューマンキャピタル創業。
これまで、同領域に200名以上の方を支援した実績をもつ。
事業承継問題の解決には投資資金に加え「経営人材」を輩出するエコシステムが必要であると考え、一般社団法人日本プロ経営者協会をPEファンドパートナーと共同で設立し、代表理事を務める。
【書籍】
ポストコロナのキャリア戦略 経営×ファイナンス (ロギカ書房)
【保有資格】
・証券外務員一種
・FP(ファイナンシャルプランナー)2級
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簿記2級は就職活動で有利?
簿記のスキルを判定する簿記検定は、日商簿記・全経簿記・全商簿記の3種類があります。
このうち、転職や就活への影響が高いのは、日本商工会議所が主催する日商簿記です。
日商簿記は1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級の5種類があります。そのなかでも2級は企業からの評価が高く、転職に有利だと言われる資格です。
簿記2級は本当に転職に有利なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
結論
結論から先に言えば、簿記2級は転職に有利です。
高度な商業簿記・工業簿記を修得していることを証明し、企業から最も求められる資格のひとつとされています。
転職ではまず書類選考が行われますが、資格欄に日商簿記2級の記載があれば、選考を通過する確率は高くなるでしょう。
ほかにレベルの高い応募者がいる可能性もあるため必ず通るとはいえませんが、選考に際して有利に働くことは確かです。
評価されるポイントは?
簿記2級が転職の際に評価されるポイントは、あらゆるビジネスシーンで役立ち、未経験でも経理の仕事を任せることができるからです。
簿記2級は基本的な商業簿記を修得する3級の知識を前提とし、商業簿記のほかに工業簿記も学びます。
財務諸表の数字から経営内容を把握するなど、会計実務における適切な処理や分析を行うために必要なレベルを身につけることができます。
実際の企業活動に近い知識を取得するため、企業からの評価も高まります。
近年は経理部門の人材不足により採用枠を未経験者に広げる企業も増えていますが、その際に選考の基準となるのが簿記2級です。キャリアがなくても経理を担当できる人材として、高い評価を受けることができるでしょう。
また、経理担当以外であっても、簿記2級の資格は幅広い職種で歓迎されます。経営管理に役立つ知識であるため、特に営業職やマーケティングの仕事に転職する際には評価のポイントになるでしょう。
簿記2級合格に必要とされる会計知識レベルとは?
簿記2級の試験では、商業簿記と原価計算を含む工業簿記の知識が問われます。
商業簿記では外部との取引を記録・計算する技能が問われるもので、決算書を作成し、経営管理者や取引先などに適切かつ正確な報告ができるスキルが問われます。
このスキルは社内のマネジメントやコンサルを行う際に重宝されるスキルです。
工業簿記は、企業内部で材料・燃料など資源の投入を記録・計算する技能が問われます。
商品が完成するまでに使われたコストをチェックするためのものです。
簿記3級は小規模会社の経理を前提とした知識レベルですが、簿記2級はより大規模な会社の実務レベルで使える会計知識を身につけることができます。
簿記を取得してから転職を行う男性、女性の割合と傾向は?
日商簿記検定は年3回行われますが、2021年11月に行われた試験では、受験者数が22,626名で合格者は6,932名と、30.6%の合格率です。
合格率は行われる回により変動が大きく、2021年2月の試験ではわずか8.6%でした。全体平均は20%程度です。
ここでは、資格を取得する男女の割合や、資格取得のよくある理由について紹介します。
資格取得の男女比
簿記2級の資格取得をする男女の割合は、公表されていません。
転職サービスの会社において経理職に登録している男女比はほぼ同数であることから、簿記検定の受験者も同じ程度の比率と予測されています。
受験者の年齢層も基本的に公表されていませんが、過去のデータからは20代が最も多く、ついで30代が多いという数字となっています。
よくある資格取得の理由
簿記2級の資格を取るよくある理由は、以下の通りです。
- 昇給や昇格が期待できる
- 就職・転職が有利になる
- 他の資格取得に役立つ
- コストがかからない
- 資格を取る機会が多い
簿記2級の資格を取ることで評価が高まり、昇給や昇格につながる可能性があります。資格手当を設けている企業も少なくありません。
また、採用時に簿記2級の資格取得者を優遇する企業も多く、ライバルに差をつけることができます。
さらに、簿記2級の知識は汎用性があり、ほかの資格を取得しやすくなります。
特に中小企業診断士や税理士、公認会計士、ファイナンシャルプランナーなど、経営やファイナンス領域の資格を取得する足がかりになるでしょう。
コストがかからないのも、よくある理由です。受験料は4,720円で、独学なら1万円程度のテキスト代で済みます。講義を受ける場合も、通信やWeb専門学校であれば2万〜4万円程度と格安です。
年3回の試験やネット試験があり資格取得の機会が多く、気軽に挑戦しやすいのも、取得する理由といえるでしょう。
未経験30代でも遅くない?簿記2級を取得したい年齢は?
簿記検定を受検する年齢は20代〜30代が主流ですが、全体的に受検生の年齢は幅広いのが特徴です。
これから経理の仕事に転職したい場合には、30代以降で取得するのも遅くはありません。
近年は経理分野の人材不足で未経験の募集も多い傾向があり、簿記2級の資格を取得しておけば30代でも転職は可能です。
また、簿記2級は経理以外の業務でも役立つ知識であり、特に営業や販売の管理職には必要となります。
30代以降の年代でも簿記2級を取得しておくことは、今後のために十分役立つでしょう。
簿記2級でスキルアップ、キャリアアップは可能?
簿記2級は、スキルアップとキャリアの幅を広げるために役立ちます。
すでに経理の仕事に就いている場合は、決算など、より高度な知識が必要な業務を担当することが可能です。
経理の業務に就いていない場合は、簿記2級を取得したことを会社に伝えて経理部門への異動を願い出てみることもできます。
異動が無理な場合は、簿記2級の資格取得が優遇される仕事に転職を検討してみるとよいでしょう。
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よくある転職先は?
簿記2級の資格を取得した人のよくある転職先は、企業の経理や総務、人事の労務管理です。
これらの業務は簿記2級で身につける仕訳の知識が必要であり、簿記2級を持つ人は即戦力となります。
ほかにも、簿記2級の資格を持つことで評価が高くなる職場はたくさんあります。特によくある転職先は、以下の通りです。
- 会計事務所・税理士事務所
- コンサルティングファーム
- 金融関係
- 営業職
会計事務所や税理士事務所では、記帳代行や決算業務、経営コンサルティングなどの仕事を行います。
簿記2級の資格があれば経理会計の基礎や経営管理に役立つ知識が身についており、これらの仕事をこなすことができます。
コンサルティングファームではクライアントの経営状況を数字で確認しなければならず、その際に必要なのが簿記2級で習得する知識です。
貸借対照表など決算書類の内容を正しく理解し、会社経営の課題を読み解かなければなりません。
また、簿記2級では原価計算など経営分析に必要な基礎知識も身につくため、クライアントの経営分析に役立ちます。
簿記には金融職で必要な知識も多く含まれており、銀行など金融関係は簿記2級の資格があると転職しやすい職場です。
営業職でも簿記の知識が役立ちます。営業先の経営状況を把握しておけば、財政状況に合わせたプランの提案が可能です。
新規の取引先に営業する際は相手企業の支払い能力を見極める「与信管理」という手続きが必要ですが、与信管理では企業の財務諸表を読むスキルが必要です。
簿記2級で給与待遇は変わる?
簿記2級を取得すると、給与待遇を変えることも可能です。
転職をしない場合でも自社内で給与の高いポジションに異動できる可能性があるでしょう。
経理部に在籍している場合、簿記2級をとることでより高度な業務に携わり、昇給を目指すこともできます。
資格手当を支給している企業もあり、簿記2級の場合は月に1,000〜5,000円程度の手当が支給されています。
転職する場合でも、実務経験の有無で年収は異なりますが、前職よりは高い水準の職場に転職することが可能です。
簿記2級は管理職への昇格に効果がある?
簿記2級の取得は管理職への昇格にも効果があります。
営業や製造業をはじめ、多くの職種の管理職では簿記の知識が要求されるからです。
簿記2級では財務諸表を読むスキルが身につきますが、財務諸表が読めることで各部署の課題を数字で読み解くことができます。
経理部門だけでなく、管理職への昇格を目指す場合は簿記2級の取得が必須といえるでしょう。
管理職の募集でも、簿記2級の資格を条件としている企業は少なくありません。
簿記2級を取得すれば、実務未経験でも転職・就職できる?
経理の仕事は実務経験が重視されますが、近年は経理分野の人材不足で未経験者を採用する企業も増えています。
簿記2級の資格は会計の基礎的な知識があることを証明するもので、決算業務や原価計算を伴う工業簿記の知識もあります。
簿記2級は企業の経理・財務部門から最も評価される資格であり、実務経験はなくても転職・就職は十分可能といえるでしょう。
ただし、実務経験者のライバルがいる場合はどうしても不利な状況になりがちです。そのため、簿記2級の資格に加え、仕事への熱意をアピールすることも必要になります。
簿記2級を転職でアピールできる仕事や業種は?
簿記2級の資格取得でよくある転職先については前にお伝えしましたが、ここでは簿記2級がアピールできる仕事や業種について具体的に見てみましょう。
簿記2級の資格が活かせる仕事の代表は経理・財務部門で、ほかにも幅広い分野で役立ちます。
簿記2級を転職でアピールできる仕事や業種について、仕事内容や求人例を紹介します。
簿記2級を活かせる転職:経理・財務の求人
簿記2級の資格を活かせる仕事の代表が、経理・財務です。
経理は日々のお金の流れを管理する仕事で、日常的には帳簿の記帳や伝票作成、入出金の管理などを行います。
月次には取引先への請求や支払業務、給与計算などを行い、決算期には会社の経済状況をまとめた財務諸表の作成が主な仕事です。
財務の仕事は主に会社に必要な資金の調達で、経理が作成した決算書などのデータから資金計画を立て、銀行からの融資などを行い、将来の会社経営を円滑にします。
経理はルーティンワークも多い仕事ですが、簿記2級を取得すると、より高度な業務を担当することが可能です。
- 求人案件:企業の経理事務
- 仕事内容:入力・仕訳、決算書作成、申告書作成
- 雇用形態:正社員
- 勤務時間:8:30~17:30(実働8時間)
- 給与:月給20万円~
- 条件:意欲があれば実務経験は問わない
コンサルティング会社の求人
コンサルティング会社も簿記2級の資格が活かせます。
クライアントとなる企業に対して課題を解決するためのコンサルティングを行う仕事です。
コンサルティング会社は経営をサポートする戦略系や専門知識が必要になる金融系などさまざまなカテゴリーに分かれ、業務内容も異なります。
そのなかでも、簿記2級の資格が活かせるのは以下の分野です。
- M&Aアドバイザリー
- 事業再生コンサル
- 経営コンサル
M&AアドバイザリーはM&A対象の企業を選定し、M&Aの実行に向けて交渉を行う仕事です。
対象企業の調査をするデューデリジェンスには財務調査と法務調査があり、そのうち財務調査では対象企業の企業価値を正確に把握しなければならず、簿記2級以上の会計を分析する能力が求められます。
事業再生コンサルは、資金繰りや収益性、資金繰りに課題のある企業を健全な経営状態へと導く仕事です。
財務状況を好転させることをメインにするコンサルティングでは、金融機関出身者や簿記2級以上のスキルを持つことが要求されます。
経営コンサルは、クライアントの経営戦略についてのコンサルティングを行う仕事です。
企業経営に関する幅広い知識が求められ、経営戦略や財務・会計の知識も必要とされます。簿記2級の資格が活かせる仕事といえるでしょう。
- 求人案件:コンサルティング会社のM&Aアドバイザー
- 仕事内容:企業評価や譲受企業の探索、提携条件の調整、契約書類作成など
- 雇用形態:正社員
- 勤務時間:9:00~18:00(実働8時間)
- 給与:年収370万円~
- 歓迎、日商簿記2級レベル以上の知識をお持ちの方
金融関連の求人
銀行や投資銀行など、法人向け金融関連の仕事も簿記2級の資格を活かせます。
簿記2級は金融の仕事で必要なお金の基礎知識がまとまっており、金融関連業界への転職には必須の資格ともいえるでしょう。
銀行は顧客から資金を預かる預金業務、企業や個人に融資する業務、振込や送金、口座振替などで、代金支払や金銭授受を行う為替業務がメインです。
投資銀行は証券業の一種であり、法人の資金調達や企業買収をサポートする仕事です。
これらの仕事では、会社経営や会計、財務面の知識が要求される場面も多く、簿記2級の資格を活かせます。
- 求人案件:証券会社グローバル投資銀行部門
- 仕事内容:顧客カバレッジ業務、M&Aアドバイザリー業務など
- 雇用形態:正社員
- 勤務時間:8:30~17:30(実働8時間)
- 給与:年収400万~500万円
- 条件:簿記2級以上
営業職の求人
営業職は商品やサービスを売り込むだけでなく、会社の業績や利益を上げるために幅広い業務を行います。
顧客の課題を捉え、販売や契約につなげることが具体的な仕事です。
この営業職でも、簿記2級の資格が活かせます。
簿記2級の取得により原価計算を理解できるため、取引先との交渉や提案の場でも効果的な提案ができるようになるからです。
簿記2級を活かせる営業職として、具体的にはM&A仲介会社や会計系SaaSの営業などがあげられます。
- 求人案件:M&A仲介
- 仕事内容:M&A対象企業の探索・提案、企業価値評価の実施、企業分析
- 雇用形態:正社員
- 給与:月給35万円~
- 条件:簿記2級歓迎
会計・税理士事務所の求人
big4と呼ばれる大手税理士法人や、中堅クラスなどの会計・税理士事務所への転職を目指す際も、簿記2級の資格が活かせます。
会計・税理士事務所は法人や個人事業主の委託を受け、経理や税務申告を代行する仕事を行います。公認会計士や税理士の仕事をサポートするため、高度な会計知識が求められる仕事です。
- 求人案件:会計事務所
- 仕事内容:入力、税務会計、経理、財務、総務など
- 雇用形態:正社員
- 給与:年収330万円~ 月給22万円~
- 条件:簿記2級取得者、未経験歓迎
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そもそも簿記とは?
そもそも簿記とはどのようなものなのか、簿記2級はどのような内容なのかについて確認しておきましょう。
日商簿記2級は商業簿記のほかに工業簿記の知識が必要で、日商とほかの検定ではレベルも違います。
ここでは、簿記2級の資格内容について説明するとともに、取得にどのくらいの時間とコストが必要なのか、取得後に目指すべき資格についても紹介します。
簿記2級とは?商業簿記?工業簿記?
簿記とは、企業の日々のお金の出入りや取引を記録し、計算・整理しながら経営成績と財政状態をまとめる作業です。
簿記を理解することで、企業の経理に必要な会計知識や財務諸表を読む能力、経営の分析力が身につきます。
簿記検定はそのような簿記の知識を証明するものです。
簿記検定の3級までは商業簿記の知識が問われますが、2級以上は科目に工業簿記が加わります。
商業簿記とは、商品を売買する企業活動を記録することです。一般的に簿記といえば、商業簿記を指します。
一方、工業簿記とは原材料の仕入れや製品の製造、販売など製造業の活動を記録することです。
商業簿記はすでに完成された商品の仕入れから販売までのお金の流れについて記録するものであるのに対し、工業簿記は製品の製造過程におけるお金の流れを記録します。
すなわち、製品の原価を計算し、製品の製造にいくら費用がかかったのか、その過程や結果を記帳していく方法です。
日商簿記2級の内容と取得難易度は?
求人募集などで簿記2級といえば、基本的に日本商工会議所が実施する日商簿記2級のことです。
日商簿記検定試験は6月、11月、2月の年3回実施され、試験方法は2020年よりネット試験もスタートしています。
簿記2級の試験は第1問〜第3問までが商業簿記、第4問と第5問が工業簿記から出題され、合計100点中、配点は商業簿記60点、工業簿記40点です。
試験時間は90分で、70%以上正解すると合格となります。
簿記2級の合格率は平均約20%で、合格できるのは10人中2人と難易度は高めです。
ただし、年3回受験のチャンスがあり、ネット試験ならほぼ毎日受験できてすぐに結果がわかります。
継続して勉強していけば、それほど長くかからず取得できる可能性はあるでしょう。
簿記3級と2級の違いは?
日商簿記3級と2級の一番大きな違いは、工業簿記の科目の有無です。
3級は基本的な商業簿記を修得し、小規模会社における経理関連書類の適切な処理を行うために必要なレベルを証明します。
一方、簿記2級は製造業を営む中規模の企業における経理業務について、即戦力となるレベルの資格です。
簿記3級はビジネスに必要な必須の基本知識があることが評価される資格ですが、簿記2級に比べると転職でのアピール力は弱いといえるでしょう。
簿記2級取得に必要な時間とコストは?
簿記2級の取得に必要な時間は、まったくの簿記初心者が始める場合、350〜500時間程度の勉強が必要とされています。
期間にすると、約6〜8ヵ月です。
簿記3級程度の知識がある場合は、250時間〜350時間、期間は4〜6ヵ月程度が目安とされています。
また、通学や通信など講義を受ける場合はこれよりも短い時間で合格が可能です。
必要なコストは受検料のほか、独学で学習する場合はテキスト代がかかります。
参考書と問題集で5,000円程度、過去問題集に2,000円ほど必要です。初心者の場合は、さらに基本的な参考書が必要になるでしょう。合計すると10,000円程度です。
講座を受講する場合は通信と通学があり、コストは以下の通りです。
- 通信:約2万円前後
- 通学:約6万〜10万円
簿記2級を取得したら目指したい資格は?
簿記2級を取得したあと、次のステップに1級を目指す方も多いでしょう。簿記2級のステップアップとして目指したい資格は複数あります。
簿記2級のあとに取得しておきたい資格としては、以下のものがあげられます。
- 小企業診断士
- 公認会計士
- 税理士
簿記1級は極めて高度な会計知識を持ち、経営管理や分析を行う能力を証明します。
2級と比べると学習範囲が広く、合格率は約10%と難易度が高い資格です。
中小企業診断士とは、中小企業の経営に関するコンサルティングを行う仕事です。
企業の実態を調査・分析し、経営者にアドバイスを行います。特にコンサルティング会社に転職する際に有利な資格です。
公認会計士は監査業務を独占業務とする国家資格で、経理業務やコンサルティング業務など幅広い業務を行います。
税理士は税務書類の作成や税務代理、税金についての相談をする仕事です。
公認会計士も税理士も高度な会計・税務の専門知識を持つことを証明する資格であり、簿記2級とのダブルライセンスで転職先の選択肢も広がるでしょう。
日商簿記2級以外に転職に有利な資格は?TOEIC?宅建?
日商簿記2級以外にも、転職に有利な資格は豊富です。目指したい業種ごとに有利な資格は異なります。
簿記2級とダブルライセンスで取得しておくと有利なのが、ファイナンシャルプランナーやマイクロオフィススペシャリスト(MOS)です。
金融業界を目指すのであれば、簿記2級と合わせてファイナンシャルプランナーを持つことでより有利になります。
また、近年は経理部門にITシステムを導入している企業も多く、Microsoft Officeの国際規格であるMOSを取得しておけば、ITシステムを使いこなせる人材として歓迎されるでしょう。
ほかにも、簿記2級以外で有利な資格としてTOEICや宅地建物取引士があげられます。どのような分野に強いのか、見てみましょう。
資格それぞれの転職に強い分野は?
宅地建物取引士は通称「宅建」と呼ばれ、不動産取引の専門知識を証明する資格です。
不動産の売買や賃貸物件のあっせんをする際に、専門的なアドバイスをします。
不動産業界への転職を目指す場合、取得しておけば非常に有利な資格です。
また、近年は完成物件の販売事業まで事業を拡大している建築会社や、不動産を融資の担保とする銀行でも宅地建物取引士のニーズが高まっています。
これらの業界に転職を考えている方は、取得しておくと役立つでしょう。
TOEICは外資系企業や商社、海外営業の求人で求められることの多い資格です。
転職に有利なスコアは700以上とされており、企業によってはTOEFLのスコアが必要なケースもあります。
まとめ
簿記2級を取得しておけば、転職の際に有利です。
経理部門はもちろん、金融関連やコンサルティングファームなど、簿記2級の資格が優遇される分野は少なくありません。
簿記2級の資格を活かした転職を成功させたい方は、転職エージェントを利用してみてはいかがでしょう。
なかでもヤマトヒューマンキャピタルは、経営とファイナンス領域に特化した転職エージェントです。
投資銀行などプロフェッショナル業界出身のスタッフが担当し、転職活動をサポートします。
簿記2級の取得によるステップアップ、キャリアアップを支援するため、ぜひ検討してみてください。
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