ベンチャーキャピタル業界への転職のポイントまとめ<br>未経験転職・求人情報・選考対策・平均年収・業務内容などを解説

ベンチャーキャピタル業界への転職のポイントまとめ
未経験転職・求人情報・選考対策・平均年収・業務内容などを解説

昨今非常に人気の高いキャリアとなったVC(ベンチャーキャピタル)業界ですが、採用に関する詳細な情報はほとんど出回らない業界ですのでお困りの転職者も多いのではないでしょうか。

一部の大手を除き多くのVCは投資担当が数名~10名程度しかいない少数精鋭のチームであり、採用人数は年に1,2名程度

採用方法も人脈での採用や一部の懇意にしているエージェントに絞った採用を行われているのがその理由です。

今回は、はじめてVC業界への転職を目指すビジネスパーソンに向けて、業界の求人情報、採用ニーズはもちろん、業界理解を深められるVCの事業構造、業務内容について解説していきます。

ベンチャーキャピタル業界の求人例

弊社の取り扱っているベンチャーキャピタル業界の求人例をいくつかご紹介します。

  • 大手生命保険会社をグループに持つベンチャーキャピタル
    キャピタリストポジション

    • 報酬800-900万円程度
    ベンチャー企業のソーシングからエグゼキューション(投資実行)までの一連の業務及び投資後の育成、バリューアップ
  • 海外企業の日本展開、日本企業の海外展開など、資金面だけでなく事業面での成長を支援するVC
    未経験可キャピタリストポジション

    • 報酬年収600-1200万円(VC未経験者の場合)
    デューデリジェンスの実行及び実行支援
    ・市場・競合分析、財務分析、経営チーム評価、投資仮説構築
    ・資本政策・投資ストラクチャー立案
    ・投資先開拓及びアライアンス構築の為の人脈づくり/産業洞察
    ・投資先社外取締役としての、経営戦略づくり・組織構築・IPO準備支援
  • 徹底したハンズオン支援とグローバルなエコシステムが特徴のベンチャーキャピタル
    キャピタリストポジション

    • 報酬固定給制(経験、能力を考慮の上決定、弊社規定により優遇)
    ・今後成長が見込まれる市場の分析
    ・成長可能性のあるベンチャー企業の発掘及び投資
    ・投資後は、企業価値を高めるためにベンチャー企業の成長加速化のために、日々の経営に深く関与したハンズオン支援の実施
  • 有名起業家が率いる、業界問わず次世代を担うスタートアップ企業に投資活動を行うベンチャーキャピタル
    キャピタリストポジション

    • 報酬600~1,000万円+exitボーナス(ファンド収益の3%をメンバーに分配)
    ・新規投資先開拓、及び既存投資先への経営/事業開発支援
    ・投資先の財務分析及びKPI分析、経営チーム評価
    ・スタートアップ成長市場調査
    ・投資先社外取締役としての、経営戦略づくり・組織構築・IPO準備支援
  • 日本最大のベンチャーキャピタル
    キャピタリストポジション

    • 報酬600-800万円(現在年収考慮し応相談)+賞与+エグジットボーナス
    各種DD、条件交渉、投資実行、経営支援、exitまで一気通貫で担当

2021年スタートアップの資金調達環境

2021年上半期は、COVID-19により実体経済が大きなダメージを受ける中においても多くのスタートアップは成長を続けています。

資金調達合計額と調達社数は減少したものの、一社当たりの平均調達額は上昇傾向にあります。

M&A仲介業界は、大手金融機関や商社、メーカーなどで活躍された20代~30歳中盤までの方が未経験で転職されることが多く、非常に活気のある社風の会社が多い傾向にあります。

SmartHRのLight Street Capitalをリード投資家とした156億円の資金調達、TBMが発表したSK Japan Investmentとの間の135億円の資本提携などの大型調達が注目を集めました。

調達社数
2020年上半期 1,012社
2021年上半期 841社

1社あたりの平均調達額
2019年上半期 374億円
2020年上半期 423億円
2021年上半期 580億円

※2021年8月26日時点
※STARTUP DB 調べ

2021年のベンチャーキャピタル業界の採用ニーズは

近年、産業のDXニーズの高まりやスタートアップ環境の整備促進により多くの起業家が誕生し、ベンチャーキャピタルによる資金調達が盛んに行われております。

SmartHRのLight Street Capitalをリード投資家とした156億円の資金調達やキャディのシリーズBラウンド総額80.3億円の資金調達など話題を集める大型調達も発表されました。

一方、ベンチャーキャピタルに投資をする資金の出し手である金融系機関投資家に目を移すと、世界的な過剰流動性による金余りや本業の収益力低下によりベンチャーキャピタルやバイアウトなどファンドへの投資意欲は旺盛です。

そのため、新規ベンチャーキャピタルの立ち上げや既存ベンチャーキャピタルの追加ファンド立ち上げにより業界全体の採用人数は増加傾向にあります。

しかしながら、各ベンチャーキャピタルの採用人数は年間1~2名程度までのファンドが多く、やはり狭き門であることに変わりありません

これは全てのファンドに言えますが転職活動を行うタイミングが合わなければそもそも採用していないという時期がありますので、我々のような人材エージェントと密にコミュニケーションを取りながら転職活動時期を見誤らないよう注意が必要です。

ベンチャーキャピタル業界で求められる経験・スキルは?

VC業界で働く上で求められる経験やスキルは、大きく分けて4つ存在します。

  • スタートアップ経営者とのネットワーキング能力
  • スタートアップの事業分析能力
  • スタートアップのIPO、財務分析能力
  • 投資実行後の経営支援能力

スタートアップ経営者とのネットワーキング能力

ベンチャーキャピタルに入社するとキャピタリストとして投資先企業を探し出す必要があります。


そのために、日々スタートアップ起業家と出会えるコミュニティに顔を出し、「ここは!」と思う会社の社長にテレアポや人脈を使ったアプローチにより面談機会を獲得し、投資をさせて頂く必要があります。

ここで「投資をさせて頂く」という表現を使ったのは、世の中のベンチャーキャピタルの数よりも、大型IPOを目指せるような起業家の数の方が少ないためです。

つまり、有力な事業アイディアと実行能力をもつ起業家には自ずとベンチャーキャピタルも集まりますので、ベンチャーキャピタル側が有利な需給環境ではないということです。

スタートアップ事業分析能力

ベンチャーキャピタルは大量のスタートアップの投資検討を行いますので、スピーディーに事業を分析し、投資判断を行う必要があります。

若手の重要な仕事は起業家とのネットワーキングに加え、スタートアップの事業性を分析(事業DD)し、上司に報告する仕事があります。

この仕事は経営コンサルや事業会社の経営企画出身者はキャッチアップが早いでしょう。

またできればスタートアップやIT業界の知見がある方が好まれます。

スタートアップのIPO、財務分析能力

IPOや売却価格を想定したバリエーション能力や事業の財務シュミレーション能力は投資検討時に役に立つ能力の一つです。

投資銀行や金融機関のプロジェクトファイナンス経験者でこのような能力をお持ちの方はベンチャーキャピタル業界で評価される傾向にあります。

投資実行後の経営支援能力

この能力や経験をお持ちの方は多くはありませんが、過去スタートアップのCXO経験があったり、スタートアップやIT業界の経営コンサル経験者で実務能力の高い方などが該当します。

ベンチャーキャピタルで評価される4つの能力について触れてきましたが、実際はこれらの能力を必ずしもお持ちでない方も業界へ転職されています。

ベンチャーキャピタルは他のファンドに比べるとポテンシャル採用(未経験者採用)の多い業界です。

特殊な業界ですのでぴったりの経験をお持ちの方がそもそも少ないため、近しい経験があったり人物面からこの業界に合っている方がポテンシャル枠で採用されることも多い業界です。

ベンチャーキャピタル業界で求められる人物タイプは?

ここではベンチャーキャピタルに向いている人物タイプを3点に絞り解説したいと思います。

スタートアップへの関心、思い入れの強さ

なんといっても、スタートアップ業界への関心が強く、想い入れがあることが重要です。

日々スタートアップ関係者とコミュニケーションを取りながら、業界リサーチ、営業、投資先で起こる課題に頭を悩ます仕事ですので、やはり好きでないと続きませんし成果もでないでしょう。

注目しているスタートアップやビジネスモデルを言語化し、ディスカッションできる程度の関心と調査能力は必要です。

誠実であり、人から信頼されること

ベンチャーキャピタルは一癖も二癖もあるスタートアップ経営者や幹部と強い信頼関係を築く人間関係構築力が必要な仕事です。

投資される側からすると人生をかけて経営をしている会社の株主として迎え入れるわけですから期待と同じだけの恐怖もあるでしょう。

そのような場面で「このベンチャーキャピタルのこの人は信頼に足る」と思われる人間性は、重要な採用要件です。

またベンチャーキャピタルの第一のお客様は投資家であり、お預かりした資金を投資により増やしお返しする仕事であるという観点でも、誠実さ、信頼に足る人物かという観点は重要でしょう。

長期コミット性

ベンチャーキャピタル投資は、投資検討からEXIT(売却、IPO)までも相応の年数がかかり、また非常に変化の激しい業界ですので良い時もあれば悪い時もあります。

どんな状況でも投資先企業や経営陣の成果に長期でコミットし続けられる人材を求める傾向にありますので、いわゆるジョブホッパー的志向の方は好まれません。

ファンドビジネスの観点で考えてみますと通常一つのファンドの運用期間は5年~10年と長期目線での事業であることが分かります。

またファンドビジネスは1号ファンドの投資が完了すると2号、3号と継続的にファンドを立ち上げ運用を継続することを目指しますのでやはり長期就労性は採用における重要な要素と考える会社が多いように感じます。

そもそもベンチャーキャピタル業界とは?

ベンチャーキャピタル業界の構造


VCはベンチャーキャピタルの略で、上記図のように広義の意味ではPEファンドに分類されます。

プライベート・エクイティとは日本語で「未公開株」と訳します。

よってVCも狭義のPEファンド同様に未公開株に投資をするファンドとなります。

ファンドと聞いて、皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか?

最も有名なイメージとしては真山仁さんの小説『ハゲタカ』に描かれているような、外資系ファンドが日本の破綻企業を買収し、その企業の資産を切り売りして利益を出し、その際従業員や取引先のことなど知ったことではないー。

ファンドに対して、今でもこうしたイメージを抱いていらっしゃる方も多いと思います(なお、こうしたファンドをディストレスファンドと呼びます)。

しかし現在、国内において活動しているファンドで、このようなハゲタカ的な投資活動を行っているところは皆無といっていいでしょう。

また、VCの投資先としてはこれから発展していきそうな企業に対して出資という形で企業成長の一助を担います

企業価値を高めない限りキャピタルゲインが得られず、その企業におけるさまざまなステークホルダーを無視することはできないのです。

ベンチャーキャピタル業界のビジネスモデル


PEファンドは、企業価値が100倍になることはないが安定して2年-4年で2倍程度に安定成長することが見込まれる企業に投資を行うのが一般的です。

VCは一般的にリスクはあるが急成長可能性のある数多くの企業に投資を行い、そのうち数社がIPOしてくれることで利益の確保ができるというビジネスモデルです。

そのため、上記の図のように設立年数が浅く、企業価値もまだまだ伸び白が大きい企業に対して投資を行うことになります。

PEファンドと同様に、あくまでお客さま=投資家であり、投資家から預かった資金を運用して、キャピタルゲインを生み出すことを目的として事業を行っています。

ベンチャーキャピタル業界の採用職種

下記3つの採用ポジションがあります。

  • キャピタリスト
  • 投資先経営支援
  • ファンドレイズ、ファンド管理

キャピタリスト

最もポピュラーなベンチャーキャピタルの職種です。

投資先の開拓、投資検討、投資後の経営支援、投資後のEXITまで一気通貫で担当するベンチャーキャピタルが多いですが大手ベンチャーキャピタルでは業務を分業しているケースもあります。

投資先経営支援

投資担当とは別に、投資先の採用支援や事業推進支援などをハンズオンで支援しているベンチャーキャピタルもあります。

事業推進において大手企業との業務提携や販路開拓支援など、採用支援においては我々のような採用支援会社と提携し共同でCXOやエンジニアなど重要ポジションの人材サーチ活動を行うケースもあります。

ファンドレイズ、ファンド管理

ファンドの既存投資家や新規で投資を検討してくれそうな機関投資家や個人富裕層への投資提案活動や、ファンド投資先の事業状況のモニタリングとレポートティングを投資家へ行います。

別の担当が行うことが多いですがファンド自体の経理やマーケティング、採用などコーポレート部門での採用枠も稀にあります。

ベンチャーキャピタル業界の給与水準

ベンチャーキャピタルで得られる年収は、企業ごとによって異なりますが、参考までに目安金額をご紹介します。

VCにおける肩書ごとの目安年収は以下の通りです。

  • マネージングディレクター / ジェネラルパートナー:1,500万円~3000万円+EXITボーナス
  • マネージャー:1,200万円以上~1500万円+EXITボーナス
  • シニアアソシエイト:800万円~1200万円+EXITボーナス
  • アソシエイト:600万円~1000万円+EXITボーナス

ベンチャーキャピタルの業務の流れ


基礎的な内容となりますが、ファンドレイズ~投資リターン回収までは上記図のような流れで行われます。


ファンド組成、ファンドレイズ

VCが企業に出資を行う際、まずはファンドを組成して、資金を募る「ファンドレイズ」が最初の仕事となります。

事業会社や、銀行や保険会社といった機関投資家、個人投資家、他のファンドなどから資金を募ります。

ソーシング

ファンドが組成されると、投資先企業の発掘「ソーシング」を行います。各ファンドとも起業家コミュニティに参加したり、テレアポ、各種人脈からの紹介など、多様な方法で投資先を探しています。

投資実行

投資先候補群の事業性を評価(DD:デューデリジェンス)し、投資実行の有無を検討します。

初期検討を通過した後、さらに詳細に分析及び投資会議が行われ、晴れて投資実行となります。

経営支援

販路拡大や採用支援、重要な意思決定の相談相手など、投資先企業の事業課題に対して、資金面に限らずあらゆる面で支援が実施されます。

Exit(イグジット)

IPO(新規株式公開)やM&Aによって株式を売却し、売買差益「キャピタルゲイン」を得るフェーズです。

このタイミングでやっと一つの投資案件の収益が確定することになります。やはりベンチャーキャピタルという事業は非常に息の長いビジネスと言えるでしょう。

ベンチャーキャピタル業界のネクストキャリア

ベンチャーキャピタルは長期コミットが求められる仕事であり、働く側も一定期間経験を積みませんと分かりやすい実績が出来上がりませんので基本的に長期で就労する方が多い印象です。

その上でその後のキャリアとして目指される方が多いのは、ベンチャーキャピタルの立ち上げによる独立ではないでしょうか。

ァンドビジネス全般に言えることですが、ファンド創業メンバーと途中入社組みですと報酬面にかなりの差がありますので、ファンド立ち上げを目指す方は多いです

ちなみにファンド立ち上げができるかどうかのポイントはとにもかくにもファンドレイズです。

資家から一定の資金が集められるかが一つ目の大きなハードルです。

あとは、事業サイドに行きたいとベンチャーのCFOやコーポレート部門へ転職される方や、30歳くらいまでの方であれば、あらためて経営を再度勉強しなおそうと、戦略ファームなどのコンサルを目指される方もたまにお見かけします。

ベンチャーキャピタル業界の企業一覧

独立系VC


事業会社系VC
大学・政府系VC
金融機関系VC

この記事を監修した人

堀江 大介 | Daisuke Horie

ヤマトヒューマンキャピタル株式会社 代表取締役

一般社団法人日本プロ経営者協会 代表理事 公式HP

野村證券、ITスタートアップ、コンサルティング業界専門の人材紹介会社を経て、ヤマトヒューマンキャピタル創業。
これまで、同領域に200名以上の方を支援した実績をもつ。
事業承継問題の解決には投資資金に加え「経営人材」を輩出するエコシステムが必要であると考え、一般社団法人日本プロ経営者協会をPEファンドパートナーと共同で設立し、代表理事を務める。

【書籍】
ポストコロナのキャリア戦略 経営×ファイナンス(ロギカ書房)
Amazonキャリアデザイン/資格・就職カテゴリー売れ筋NO.1(2021年1月)


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