Aさんは新卒でメガバンクに入行。法人営業を経て、傘下の証券会社の投資銀行部門に異動してキャリアを積むなかで転職を決意され、2019年に中小企業向け事業承継・事業再生投資ファンドに入社されました。転職を決めた理由について聞かせてください。
Aさん 一言でいえば、意思決定をする側で仕事をしたかったからです。前職のメガバンクの法人営業や証券会社の投資銀行で、お客さまの意思決定や財務面でのアドバイスをしたり、上場をサポートしたりする仕事にはやりがいがありましたが、結局のところは“just adviser”、つまり外野からアドバイスを行うポジションであることには変わりありませんでした。“向こう側”に行って、経営に直接携わりたいと思ったのが、転職を決めたきっかけです。
そうなると起業という選択肢が思い浮かぶわけですが、私には起業アイデアがありませんでしたし、起業する勇気も、成功できるという見通しもありませんでした。そこで、投資先企業の経営権を握り、オーナーの立場でマネジメントに直接関わることができるバイアウトファンドへの転職を志したのです。
また、事業会社への転職も一つの可能性としてはあったのですが、事業会社で大きな意思決定に携わるには、何十年も勤め上げなくてはなりません。また、その会社の事業のことしかわからなくなってしまう可能性もあります。この点、PEファンドは、20代でも会社の意思決定に関わることができますし、業種業態の枠組みにとらわれることなく、じつにさまざまな事業に関わることができます。これも大きな魅力でした。
それから、個の力で勝負することのできる経営人材になりたいと思ったのも、転職を決めた理由の一つです。