——これまでのご経歴について聞かせてください。
大学卒業後、銀行に就職し、約6年間中小企業への融資業務に携わりました。2箇所目の支店に勤務していた折、私の力不足で取引先の資金繰りが悪化し、会社を売却するという出来事がありました。業績の悪化から立て直しの検討、スポンサー型M&Aの検討、最終的な売却までの一部始終を目の当たりにしたことがきっかけとなり、M&Aというソリューションについて関心を持つようになりました。そもそも、就職活動の際に銀行を志望したのは、ファイナンスの知識に磨きを掛け、厳しい経営状況に追い込まれたお客さまを支援したいという思いがあったからなのですが、銀行ではこうした目標をなかなか実現できず、ある種のわだかまりを感じていました。そこで、思い切ってM&A業界の世界に飛び込むことにしたんです。その中でも中小企業のM&Aに関心が強かったのと、スタートアップで働くことへの関心から当時はまだ創業5年程度のM&A仲介会社に転職しました。
転職1年目は先輩のもとでソーシングからクロージングまで一連の流れを経験し、2年目からは案件を一人で回すようになりました。その後は業務提携先の銀行に出向し、中小企業専門のM&Aチームを立ち上げるサポートや、FA(ファイナンシャル・アドバイザリー)業務に携わりました。このような仕事を手掛けるなかで、より難易度の高いM&A案件のエグゼキューションができる人材になりたいと考え、現在所属している大手証券会社のM&Aチームへの転職を決めました。