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投資銀行業界

①投資銀行業界の今

投資銀行業界は、各種規制の強化やテクノロジーの発展などを背景とし、より高付加価値なサービスを提供する必要性が増し、その収益基盤の見直しが求められています。これまでの投資銀行業界の稼ぎ頭と言えば、いわゆるマーケット部門のトレーディングであり、M&Aアドバイザリーや株式・債券の引き受けといったfeeビジネスは2番手といった印象でした。

しかし、リーマンショック以降、特に投資銀行の自己資金で行うトレーディング(プロップトレード)は規制が強化され各社も大幅に部門を縮小しました。また、ビットコインに代表されるブロックチェーン技術の発展や、それに伴うフィンテック改革により、今後金融の仕組み自体が変化していくことが予想されていく中で、投資銀行においても付加価値の低いサービスは淘汰されていくでしょう。

今後はクロスボーダーのM&Aのアドバイザリーや、大型の資金調達など、投資銀行にしか行えない事業に対して再評価が行われるでしょう。ただ、現状では、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー代表される米系投資銀行や、UBS、バークレイズといった欧州系の投資銀行など、世界最大手の投資銀行の業績は概ね好調にあり、採用も優秀な若手を中心に積極であると言えます。これは、資本市場の流動性の高まりや、クロスボーダーM&Aの隆盛が背景にあり、大手投資銀行が案件を取り合う構造にあります。

②投資銀行の業務内容

最も大きな分け方で、フロントオフィス、ミドルオフィス、バックオフィスがあります。(それぞれ、フロント、ミドル、バックと呼びます。)

フロントフィス
投資銀行として収益を稼ぎ出す部門です。顧客と直接コミュニケーションをとり案件を取って来ます。取って来た案件の実行も行い、手数料を稼ぎます。投資銀行部門やマーケット部門などがこの中に含まれます。
ミドルオフィス
フロントオフィスの直接的なサポートを行う部門です。証券管理部門やリスク管理部門、ファイナンス部門、コンプライアンス部門などが含まれます。
バックオフィス
社内的な管理を行う部門です。人事部やテクノロジー部などが含まれます。


次に、フロントオフィスの中で、投資銀行部門とマーケット部門に分かれます。

投資銀行部門
顧客に対しての営業を担当するカバレッジ部隊と、カバレッジが取って来た案件を執行するプロダクト部隊があります。カバレッジ部隊は担当する業界によってチームが分かれています。
<例>
FIG(Financial Institution Group)・・・証券会社や銀行などの金融機関
TMT(Telecom,Media and Technology Group)・・・通信・メディア・テクノロジー
GIG(General Institution Group)・・・上記以外の事業会社

カバレッジ部隊は、顧客の財務部門や企画部門に訪問し、「あの企業を買収しませんか?」「資金調達をしませんか?」と提案をして、案件を取って来ます。プロダクト部隊は、その扱う商品によってチームが分かれています。

<例>
DCM(Debt Capital Market)・・・社債の発行による資金調達
ECM(Equity Capital Market)・・・株式の発行による資金調達行
M&Aアドバイザリー・・・M&Aアドバイザリー業務

プロダクト部隊は、カバレッジが「○○株式会社の資金調達で株式増資の案件を持って来ました!」と報告を受けて、実際のその手続きと執行を行います。

マーケット部門
顧客である機関投資家(保険会社や銀行)の資金運用のサポートを行う部門です。株式部と債券部とそれぞれの調査部に分かれます。

前提として、保険会社や銀行などの「運用部」は、顧客や個人から保険や預金で預かったお金を運用して増やす業務をしています。その運用部に対して投資銀行のマーケット部隊は運用のアドバイスを行い、実際の注文も受けます。注文を受けて執行をした時に投資銀行に手数料が入るわけです。今はネット証券でほとんど手数料がかからずに個人も簡単に株の取引をしていますが、それの超特大バージョンと思って頂ければイメージが湧きやすいと思います。

マーケット部門の株式部と債券部n中には、顧客とコミュニケーションをとるセールス部隊と、実際の注文を執行するトレーダー部隊があります。

セールスは機関投資家の運用部隊に訪問や電話をして、「〇〇の株式を買いましょう。成長が見込まれます。」や「○○の第○回社債があります。いかがでしょうか?」など、営業を行います。実際に受注すると、トレーダーが注文を執行します。

株式部と債券部にそれぞれ含まれる調査部は、証券アナリストが所属し、株式や債券の分析を行うと共に、アナリストレポートを執筆します。セールスはそのレポートをもとに運用提案を作成し、顧客へ営業をします。