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M&A仲介会社を経て、FA専業のM&Aブティックに転職されたAさん

——これまでのご経歴について聞かせてください。

2015年に大学を卒業し、まずは中堅の経営コンサルティングファームに入社しました。入社3年目にM&A仲介の部署に配属になり、ソーシング業務に従事したのをきっかけに、M&Aを専門的に手掛ける会社で仕事がしたいとの思いが募り、M&A仲介会社に転職。ただ、M&A仲介会社で仕事をするうちに、売り手と買い手のどちらか一方と契約を結び、全面的にコミットしながらM&AをサポートするFA(ファイナンシャル・アドバイザリー)業務への興味がどんどん強くなってきました。そこで、現在所属しているFA専業のM&Aブティックに転職することにしたのです。

——現在の仕事内容については如何でしょうか。

入社から日が浅いのでサポートというかたちがメインですが、売り手案件のソーシングのほか、買い手側へのM&Aニーズのヒアリング、その内容に沿った売り手リストの作成、アポイントの取得など、ソーシング業務全般を手掛けています。また、アドバイザリー契約を締結した後のエグゼキューションに関しても、デューデリジェンスのための資料の準備や、IM(インフォメーション・メモランダム)の作成など、入札を実施するために必要なさまざまな仕事を担当しています。ディールの難易度や複雑さによって変わりますが、基本的には2、3人でチームを組んで動いていることが多いですね。

ディールサイズに関して申し上げますと、いちばん多いのは譲渡価格で10億円程度の案件ですが、直近では20億円のディールもありました。M&A仲介会社が手掛けるディールよりも一回り規模が大きいイメージですが、ときには競合になることもあります。

——仲介業務とFA業務の仕事内容の違いについては、どのように考えていらっしゃいますか。

いちばん大きな違いを感じるのは、利害調整についての考え方ですね。FAは売り手と買い手のどちらか一方に全面的にコミットするので、ディールがブレークしない範囲で、クライアントの利益を徹底的に追求できるという点が大きいと思います。もう少し具体的な作業のレベルで申し上げますと、情報の出し方が全然違いますね。FAは自らのクライアントにとって最大の利益をもたらすことができるように、情報を出すタイミングや伝え方を戦略的にコントロールします。

——M&A仲介とFAが競合として相対するケースでは、どちらがやりやすいのでしょうか。

それはもう圧倒的にFAですね。というのは、M&A仲介会社は、売り手と買い手の双方から報酬を受け取る“両手取り”を採用しています。売り手側からすると、会社の売却によって本来受け取ることができるはずの対価の一部を仲介会社に吸収されてしまうので、損になる構造です。また、仲介はあくまで売り手と買い手の間で中立的な立場で交渉を仲介するわけで、本当の意味で味方になってくれません。この点、FAは売り手と買い手のどちらか一方に全面的にコミットしますし、売り手側にコミットする場合には買い手から報酬を受け取ることもない。ですから、買い手側は設定したバジェットの全てを、売り手側のために使うことができるんです。こうした口説き方をすれば、仲介会社に負けることはまずありません。

——FAの仕事ならではのやりがいについて聞かせてください。

FAは片側に全面的にコミットすることもあり、ディールが完了したときに、クライアントにものすごく感謝される。これがいちばんのやりがいだと思いますね。一方、M&A仲介の場合には、売り手にも買い手にもいい顔をしなければいけない仕事です。もちろんディールが完了したときには双方から感謝されますが、FAの片側のクライアントと比較すると、いささか弱いかなという気がします。

——逆に、FAの仕事で大変だなと感じられる点は、どこでしょうか。

片側にコミットすることの弊害といってもいいのかもしれませんが、クライアントにとって不都合な事実や、マイナスに結びつきかねない情報が出てきたときの対応については、たいへん神経を使いますね。対応の仕方はケースバイケースですが、「譲渡価格を減額する必要はありませんね」とか、「ほかの部分で折り合いをつけるので、この点に関しては見逃してほしい」といった形に落とし込み、クライアントが最大の利益をあげられるような条件を導き出していくのが基本です。クライアントの利益を最大化することが、私たちFAに課せられた最大のミッションですからね。

——新型コロナウイルスの感染拡大は、M&A業界にどのような影響をもたらしていますか。

感染拡大の前から動いていた案件に関してはほとんど影響ありませんが、新規の案件を取るのは非常に難しくなっているというのが正直な感想です。コロナ禍の影響を大きく受けて業績が悪化した企業は、「いまは売り時じゃない」「コロナ禍が一段落して、業績が戻ってから」と判断し、売却を控える一方、いま売りたがっている会社を見ると、本当にどうしようもない状況に陥っているケースが少なくない。再生案件は増えているものの、M&Aが成立しにくい状況になっているのは間違いないと思いますね。

——ヤマトヒューマンキャピタルの転職支援サービスを利用されてみて、よかった点について聞かせてください。

ヤマトヒューマンキャピタルのご担当者に相談するまでは、私はキャリアパスを広い観点かつ主体的に選んでいるという自負があったんです。しかしながら、その方と話をすると自分の知らなかった発想や、選択肢をどんどん提案頂けて、やはり餅は餅屋。プロに相談した方がよいということがわかってきた。転職活動を進めるなかで紆余曲折ありましたが、ヤマトヒューマンキャピタルさんには気長にお付き合いいただき、自分の描いたキャリアプランに合った会社に入社することができました。本当にありがたかったですね。

——今後のキャリアプランについては如何でしょう。

おかげさまで、とてもいい会社に入ることができたので、目下、転職は考えていません。今の会社でM&Aの経験を積み重ね、FAとしての道を極めていきたいと思っています。ただ、将来的には、FA業務を通して培ったスキルやノウハウを、ファンド的な業務など、M&A以外の分野でも活かせるようになりたいですね。

——FA業界で活躍できる人材について、お考えを聞かせてください。また、FAという仕事に憧れを抱いている未来の同志にメッセージをお願いします。

M&Aはビジネスの“花形”というイメージを抱いていらっしゃる方も少なくないと思いますが、現実的には華やかなばかりの世界ではありません。資料や書類の精査・準備をはじめとして、非常に泥臭い仕事を根気強くこなす力が求められますし、人と人とのリアルなやり取りがメインの仕事ですので、法務や税務に関する知識はもとより、対人交渉力を兼ね備えていなければなりません。FA業界への転職を志す皆さんには、決して一筋縄にはいかない、泥臭い世界に飛び込む勇気、そして覚悟を持って挑戦してほしいと思います。


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